○【68点】ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー【映画感想 長文 少しネタバレ】○

「希望を繋げ」

アメリカ2016年アメリカ映画作品アメリカ
監督
ギャレス・エドワーズ
(『GODZILLA ゴジラ』『モンスターズ/地球外生命体』)
出演
フェリシティ・ジョーンズ
(『博士と彼女のセオリー』『インフェルノ』)
ドニー・イェン
(『イップ・マン 葉問』『ブレイド2』)
フォレスト・ウィテカー
(『ラストキング・オブ・スコットランド』『大統領の執事の涙』『パニック・ルーム』)
マッツ・ミケルセン
(『007 カジノ・ロワイヤル』『偽りなき者』『ハンニバル』『ドクター・ストレンジ』)
1977年の『スター・ウォーズ』の冒頭に続く映画が2016年に誕生。
初代一作目『スター・ウォーズ』の冒頭は、レイア姫が帝国軍の追っ手から逃げているところから始まる。
その物語の冒頭に文章でこう表現される。
「It is a period of civil war. Rebel spaceships, striking from a hidden base, have won their first victory against the evil Galactic Empire.
During the battle, Rebel spies managed to steal secret plans to the Empire’s ultimate weapon, the DEATH STAR, an armored space station with enough power to destroy an entire planet.」
銀河内乱の時代。
銀河を支配する帝国軍に秘密基地からの強襲に成功した反乱軍は、初めての勝利を収めた。
この戦いの中、反乱軍は、帝国の究極の兵器、デス・スターの秘密設計図を盗み出した。
そして設計図はレイア姫に渡る。
このプロローグを約40年の時を超えて映画化し日本公開。
監督は、2014年の第二のハリウッド版『ゴジラ』の監督のギャレス・エドワーズ。
この『スター・ウォーズ』での大勝利に貢献した決死隊ことローグ・ワンのオリジナルキャラクターたちには、2016年に公開したダン・ブラウンの原作ミステリー小説でトム・ハンクス主演映画の『インフェルノ』にヒロインとして出演し、また2014年には『博士と彼女のセオリー』に出演しアカデミー賞にもノミネートした気鋭のフェリシティ・ジョーンズが主演し、脇を固める仲間には、香港で活躍し、アクション監督と主演を兼任し、カンフー映画スターでもあるドニー・イェンさんも登場する映画。
後載せサクサクだし出てくるキャラほぼ死ぬことは見ないでもわかる映画
この手の過去作品の前日譚というのは『スター・ウォーズ』のお家芸。
既に初代『スター・ウォーズ』をエピソード4として新設定し、その過去であり主人公の父であるダース・ベイダーの幼少期から暗黒面に落ちるまでを映画化している『スター・ウォーズ』。
今回は、その2005年の映画と1977年の狭間を2016年に映画化。
もちろん登場人物全員死ぬし、だいたい新キャラで構成されている。
この本編でのちょっとした設定を映像化し詳細に描くみたいなスピンオフは機動戦士ガンダムでもやっているので、慣れている映画ファンも多いよな。
さてさて本作の感想ですが。
エピソード4でのルークの謎の大活躍で究極兵器デス・スターが一撃で崩壊する茶番が、今作の悲劇的な物語で、それが感動物語として上乗せされていた。
『スター・ウォーズエピソード4/新たなる希望』で戦闘機に乗ったこともないのに、フォースの導きで、デス・スターを破壊し、反乱軍を勝利に導いた田舎出身のぽっと出の青年がスーパーサクセスしてしまう物語なのだが、それが本当にデウスマキナのごとく、舞台装置のようにあっけなく最強兵器を破壊してしまうわけで、『スター・ウォーズ』の粗探しをするならそこ突っ込めば言いたい放題ってぐらいなわけですが、
今作『ローグ・ワン』でその弱点の情報を命がけでゲットしてきた人がいて、そのデータのおかげで、田舎のぽっとでの若者でも一発撃って勝利に導いたということの説得力が本作の2時間を超える物語のおかげで感じさせてくれる。
あの勝利はこの命がけの希望と命のバトンリレーのおかげにより、ギリギリの勝利だったのだ!!(後載せサクサク)
いつもと作風は違う
『スター・ウォーズ』シリーズとして本作は作風が完全に違う。
冒頭もこの究極兵器の重要な部分を作るべく開発者の親子であり主人公であるジンとその父親の悲劇的な別れから始まり、それまでのシリーズとしてプロローグとして文字が流れるが、あの音楽も文字も今作ではお預けで、沁みたれたちょっとながたらしいドラマが繰り広げられる。
本作は『スター・ウォーズ』の完全な番外編であり、『スター・ウォーズ』が壮大な愚れた天才の父親とその息子たちの物語であることを表しているようにも思える。
一兵士視点から描く『スター・ウォーズ』
本作はまるでTVゲーム『スター・ウォーズ バトル・フロント』のストーリーモードのような作品だ。
究極兵器の完成と帝国軍パイロットの裏切りを知った反乱軍は、交渉人として、反乱軍の過激派に捕虜としたジンを送り、そこから父の存在と再会を試み、帝国軍の基地に潜入、最終的には、帝国軍の基地にある設計図のデータを手に入れるべく、再度基地に潜入し、陽動作戦と潜入、そして宇宙での艦隊戦、それを『スター・ウォーズ』というルークたちのヒーロー視点ではなく、銃を担いで命を簡単に散らす一兵士視点から描く。
舞台は、砂で覆われた町、夜の岩場の基地、そしてこれまで登場してこなかったトロピカルな雰囲気のある浅瀬の海辺での地上戦が描かれる。
終盤の地上戦はとても豪華で、ゲリラ活動をする反乱軍をATベースの兵器たちや黒いデス・トルーパーなどの兵士たちが多数登場し、壮大な撃ち合いが描かれ。
今までになかったスター・ウォーズが描かれる。
とりあえず『スター・ウォーズ バトル・フロント』は本作のスピオフの作品を制作し、オンライン対戦じゃなく、キャンペーンモードを導入した新作を販売してくれ!!
デス・スターとダース・ベイダーの恐ろしさよ!!
今作では『スター・ウォーズ』内で一撃で崩壊するデス・スターの究極兵器たる所以を一兵士から描くことで、圧倒的な恐怖を観客に感じさせてくれる。
あんなにあっけなく、壊れたデス・スターがこんなにも恐ろしく、星を破壊する兵器だったとは、その破壊される人々や、木っ端微塵になる町、そして何もかもを吹き飛ばす爆風などなど、これまでのスター・ウォーズに違った視点や感じ方を教えてくる一作であることは間違いない。
また77年の映画では、殺陣要素が乏しく、剣道にも近い動きだったジェダイとシスのライトセイバー合戦。当時のキャラであるダース・ベイダーは、設定では最強のフォースの使い手で、力に溺れた結果、暗黒面に堕ちて、より最強になったわけだが、結局00年代の前日譚でも彼が誕生するまでで、彼の強さは垣間見ることができなかったが、今作の最後の最後でその強さが披露される。
反乱軍に圧倒的な絶望を与え、命を狩る。
まさに最強と最恐を与える映画史に残るキャラクターの大活躍がようやく見れる。
(それまでゲームぐらいでしか強さを見れなかった。しかもでかくて使いづらい。)
そういったファン向けの要素の強い作風であったことは確か。
新キャラクターたちはどうだったのか?
今作では新キャラのジン。
反乱軍の裏稼業を引き受けていたジンと行動を共にするキャシアン。
帝国軍のドロイドを再プログラムしたK-2SO。
盲目の僧侶兼ジェダイの寺のボディガードだったドニーさんことチアルート。
その相棒の武器を体に巻きつけたベイズさん。
ジンの父親のマッツさん。
ジンの育ての親のソウ・ゲレラ。
そして帝国のデス・スターの開発リーダーのオーソン・クレニック。
全然キャラクターのドラマが描かれてなかった。
シリーズのファン向けに時代の裏側に潜む影の兵士の奮闘を描き、シリーズをより深いものに昇華させた作品ではあると思うが、作品単体では、残念だった気もする。
特に主役のキャラクターのジンが主役なのにそんなに印象的なキャラでなかった。
冒頭の別離の次は大人になった彼女が、戦いに再度巻き込まれ、父との再会と秘密兵器と弱点のキーマンとして、責任を取る形で基地に赴く。
流され型のキャラクターで、作品として、物足りない。
むしろキャラクターの葛藤としては、敵のデス・スターの開発チームのリーダーとも言えるオーソン・クレニックがことあるごとにリアクションをしたり、中間管理職のようにボスに怒られたり、ダース・ベイダーに怒られたりと部下に辛辣にあたりながら、デス・スターを完成させたのに、反乱軍に邪魔されたり、実は弱点があって、その情報を盗みに自分のいる基地に敵がやってきたりとかなり散々で、最後には…。
満をじして登場したドニーさんは、初登場の時と夜の襲撃では盲目なのに大活躍をするが、最後はギャグっぽいボタンを押して死亡。
相棒も後追って…。
キャラクターそれぞれが命のバトンをつなぎ、希望をつなぐのだが、それぞれの死に熱さはあるわけではなく、「退場」というような散り方がぴったり。
それだったら艦隊戦の独特な戦法に興奮したりで盛り上がってたな。
ひどかったのは、ソウ・ゲレラ。全然描かれず、最初にちょっと登場して、また出てきたら、体ボロボロで、そのまま退場。
って俺が見たかったのはその過程なんだよ!!
全然熱くない。なんだこの設定だけの物語は。
一番キャラクターが描かれてたのは、敵側のオーソン・クレニックだよ!!
なんだこの映画は!!
(フェリシティ・ジョーンズはなんか出っ歯で可愛げないんだよな…。)
あ。新ドロイドのK-2SOはよかったですよ。元帝国軍ということで、ちょっとブラックユーモアのあるキャラで、元敵という立場を生かしたギミックとか、死闘とか結構素敵だった。
てかギャレス監督ってデル・トロ監督と一緒でモンスター映画出身だから人間描くの興味ないんじゃね!?
前作の『ゴジラ』とか生粋の怪獣プロレス映画だったし、人間よりも人外が好みな気がしてきたぞ。だったらこの作風納得。
ちなみに脚本のトニー・ギルロイ一部シーンを撮りなおしたりしたようで、最後のダースベイダーなどは彼の功績だったりするみたいで、もしかしたら終盤のドラマパートは彼が作ったのかも?なんてね。
メモ得点メモ
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど  5/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 7/10
・音楽 8.5/10
・上映時間と個人的趣味 7/10
68点
フランチャイズ映画として、世界観から連なるキャラクターや美術などはやはり優れているなと思う。
音楽もいいし。
ただ市街戦での唐突なゲリラなど、一兵士視点ではいいんだよなぁ。
タンクとかの登場とか専用のコスチュームとかいいんだけど。
冒頭のテンションとか悪い部分も多かった。
映画単体として、微妙だったとは思う。
でもジンの勝算の見えない無茶なミッションをキャシアンたちの反乱軍の汚れ仕事をしてきた工作員たちが、正義のために命を捨てようと志願する姿にめっちゃ男泣きしてしまった。笑
 

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