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◯マレフィセント「時代が変わったことを感じる」 71点◯ネタバレ有り

2014年78本目7月12日劇場鑑賞
「ディズニープリンセス物語の時代の変化。」

全然興味なかったけども、一日中家でゲームしているのもあれなので、近所の映画館にフラッと足を運びました。
正直、全く期待していませんでしたが、まぁまぁツボにはまりました!!
ディズニーというかディズニーのキャラクターを物語のキーマンにしているゲーム『キングダム・ハーツ』では、マレフィセントは相当悪いことばっかしていて、悪の象徴みたいなキャラクターとして描かれて、そういうイメージが強いわけです。
本作は、『眠れる森の美女』を題材にし、その悪役であるマレフィセントに焦点を合わせ、全く違う物語として、描き、最後はハッピーエンドにしているという、なんとも小粋で見やすい作品にしていた。
・根本的にマレフィセントが悪い奴じゃない。
この映画が、『眠れる森の美女』と全く違うのは、そこだと思う。
そりゃあ、悪役が悪いことを必至する映画は企画的にも問題だったのだろう。
その一見、悪役、でも映画を見ると視点が変わるみたいなのを、映画の企画としてやりたかったんだなぁとは思う。
もうマレフィセントが、本当に全然イメージと違うキャラで、根本的に妖精(正確にはエルフかな?)で、かなり陽気で、それでいて茶目っ気たっぷり。
それを咎落ちさせたのが、人間でしかも欲深い男たち。
物語的に、特に序盤は違和感たっぷりで、(それもフォローできる理由がある。)何故か、知能指数の問題か、マレフィセントが妖精の国の女王になって、そこに人間たちが踏み込んでくる。
その理由もまぁー納得できるんですが、ちんけ。
「わしは、王になる時、ムーア国(隣国の妖精の国)に攻め込むと公約したのだ。」
とまぁー戦争の根本にある領土拡大ですよね。古代の物語としては当然か…。日本だって世界大戦に参加した理由もそれでしょ。
てか妖精の国と人間の国が隣ってのが、なんか笑える。まぁー『ロード・オブ・ザ・リング』の世界観と一緒ということで。
それと立ち向かうマレフィセントだったが、ムーア国には、昔恋仲だった人間が王様になるべくいて、マレフィセントを殺して王になろうとする…。
その男を演じたのがシャールト・コプリーさんで、最初出て来たときは、笑ってしまったけど、というか序盤は俳優のはまらなさにマジで笑ってしまう。
そのコプリーさんが、徐々に悪くなって、最後に甲冑を着て大暴れ!!には、ツボにはまってしまった。
マレフィセントが鉄が苦手とか、まじ雑魚やん…。
まぁー結果的に人間を呪ったマレフィセントは、権力を得る為に、愛を偽り、マレフィセントから大事なものを奪い、王の座についたかつての恋人を呪い、生まれた子供に呪いをかけるわけで。
なんかもう同情してしまう系の映画なんだよね。
更に根本的にはすごく良い奴のマレフィセントは、『眠れる森の美女』で出て来たよりも頭がおかしくなっている3人の妖精の子育てをほっとけなくて、結局呪うはずのオーロラ姫を見守り、最終的にオーロラ姫に「ゴッドマザー」と呼ばれる始末。
もはや、この映画、バッドエンド一直線かな…とか思ったけども、ナルニア国物語並みのハッピーエンド一直線で、オーロラ姫が完全にマレフィセントと母と娘のような関係になって、最後の王子のキスも無効になり、マレフィセントの懺悔と額へのキスでオーロラが目覚めるという、古典的ディズニープリンセスの否定へとなる。
・ディズニープリンセス物語の変遷
思えば、近年のディズニープリンセス物語ってこの5年か10年で変わったなぁーと。
多分、ジョン・ラセターが製作に関わって来たあたりからだと思うけども、以前よりも女性の価値が高まったことを真剣に主張している。
『魔法にかけられて』でも思えば、ヒロインが、王子様ではなく、一般男性と恋に落ちて、自身の考え方と愛に目覚め、女性の夢は王子との恋愛だけが全てじゃない。
という考えを表現したと思う。
また『プリンセスと魔法のキス』では父親を無くしたアメリカの労働者階級の娘が、王子と恋に落ちる物語だが、ヒロインがまず、黒人であり、それでいてたくましい。恋愛よりも仕事を優先するが、トラブルにあって、王子様と一緒にカエルになって、人生の楽しさをもう一度知る。
またそこでは王子との恋に燃える金髪の金持ちの娘が、ヒロインの親友として出てくる。
と近年はプリンセスストーリーの古代のあり方に皮肉めいている。
『アナと雪の女王』でも、プリンセスの呪いを解くには真実の愛が必要というお決まりのシークエンスで、おきまりのヒーローとの恋に落ちたような描写が複数ありながらもその呪いを解いたのは、姉の妹を思う愛の力だったと、愛の多様な形にディズニーは着目している。
今作も男性という存在よりもより堅い絆。血の血ながら無い存在との絆がプリンセスを救う。
女性は恋愛だけが全てではないと、時代の変遷をディズニーは考えながら考慮して映画を作っているなぁーと感慨深くなった。
・良かった点、1位音楽、2位衣装、3位、映像
ここまで結構面白いとか言ってたけど、この映画の良かった点を順位づけると、音楽、衣装、映像であることは譲れない。
音楽は、本当に良かった。サントラを持っているわけでもなく、見てから時間も経って、思い出せないが、近所の映画館が何故かいつも爆音だからなのか、すごく好印象。エンディングのラナ・デルレイも雰囲気あった。
衣装も良かった。序盤の初代王様の甲冑の白さと、金の装飾が素敵だった。
マレフィセントの頭のターバンのようなキャットウーマンのようなゴム状の巻き具合が素敵で、プライベートは蛇革を愛用する感じが、悪一辺倒というより貴婦人な感じが、このマレフィセントは本当は悪い奴じゃなくて、ただのババアなんだよ!!って感じがツボ。
シャールトさんの終盤の仮面も見事!!
映像は、『アリス・イン・ワンダーランド』や『オズの魔法使い』につづいて、異形の住む世界。
根本的なストーリーが悪の存在を描いているからか、ムーア国の妖精たちはみんな不細工で可愛くない。でもみんな性格は良い。笑
そんな世界の夜の湖で水の精霊たちが踊る様は、ディズニーランドのパレードのような華やかさがあって素晴らしかった。
そういう映像美が見事でっして、終盤のドラゴンの登場とかも良かった。そういう風にドラゴン登場するのかぁーと。
あとは終盤のマレフィセントを追い詰める時のシャルトーの戦術は良かった。盾で追い詰める作戦うける。
・序盤の物語が酷いのは免罪符があった。
序盤が異様に速いテンポでモノローグを交えて描かれる。そのワンシーンごとが妙な映像のバストショットとかが多く、コラージュな感じもあって違和感がある。
その理由は映画の最後に明かされる。それは本作がオーロラ姫が語る物語だからだ。
つまり人から聞いた物語を映像化しているといううる覚えな免罪符があるわけ。
特に冒頭の展開は多分、マレフィセントから聞いたんだろうなーみたいな感じ…。
突っ込むにも免罪符あって突っ込みきれない…。
・俳優が第一印象全体的にミスマッッチ。
マレフィセントを演じるアンジェリーナジョリーは茶目っ気タップリで根本的には純情という役柄が全然イメージと違う。しかも頬骨がものすごく強調されているし。
でも見ているとなじんでくるから凄い!!
でも見ていると慣れてくるというか、はまってくるんですよね。これはすごい。
俳優のキャラクターが先行しがちだけども、徐々にアンジェリーナが役を体現してくれて違和感を感じなくなってくるんです。
それはシャルトーさんも一緒で、初登場のおっさんぷりには笑いが出てしまいましたが、徐々にはまっていって、ピッタリな配役だって思うんです。
ニル・ファニングもこいつ本当に可愛いのか?っていつも思うんですけど、動いている姿とか見たり、あのおっさんみたいな笑い方を聞くとほうほうって思うんです。
でもやっぱり一番すごかったのはアンジェリーナ・ジョリーですね。
にじみ出てました。俳優として演技力高いんだろうなぁー。
あの妖精3人てめぇらはジャージャー・ビンクスだ!!以上
・シャルトー・コプリーさんが良い!!
まさか今作でもあんなシャルトーさんに出会えるとは…。
『第9地区』ではエビ化しだして、最終的にマクロスのウォークドロイドみたいなのに乗って戦ったり。『特効野郎Aチーム』では頭おかしいけど、有能な技師だったり。
直近では『エリジウム』での刀振り回してのパワードスーツですよ!!
変態がぴったりの彼が今作の終盤で、西洋の甲冑を装備してモーニングスターを振り回すとは、これは映画オタクとしてはツボにはまるシーンです。
全体的に見てかゆいところに届く映画でした!!
今度『眠れる森の美女』見よっと。
・最後に豆知識
監督は今作が初監督。これまでは視覚効果、VFXを担当。やっぱり『アリス・イン・ワンダーランド』や『OZ はじまりの戦い』などをやっていたよう。
そうれも相まってか、オーロラ姫と王子が初めて出会うシーンは、CGとセットで丁寧に舞台作ってた。あのセットを細かく作る感じは、『オズの魔法使い』とかっぽい。てか昔より制作費増えたんだろうな。
メモ得点メモ
物語 6/10
キャラクターの魅力 7.5/10
監督の映画に対するビジョン 8/10
音楽 9/10
俺の趣味 7.5/10
72

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