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☆裏切りのサーカス 2012年度16本目☆

「ティンカー、ティラー、ソルジャー、スパイ」

$『A Little his REDEMPTION.』映画オタクの映画批評~season Ⅶ~-裏切りのサーカス
アメリカ2011年イギリスフランス共同制作フランス

監督
トーマス・アルフレッドソン
(ぼくのエリ 200歳の少女)
出演
ゲイリー・オールドマン
(レオン、ダークナイト、ハリー・ポッターとアズカバンの囚人、エアフォース・ワン)
コリン・ファース
(英国王のスピーチ、シングルマン、ブリジット・ジョーンズの日記)
マーク・ストロング
(シャーロック・ホームズ、ロビン・フッド、グリーン・ランタン)
トビー・ジョーンズ
(フロスト×ニクソン、キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー、マリリン七日間の恋)
トム・ハーディー
(ダークナイト ライジング、インセプション、Black & White/ブラック & ホワイト)

メガネ真面目なあらすじメガネ
1973年10月、イギリス情報局秘密情報部、通称『サーカス』(別名MI6)のボスであるコントロール(ジョン・ハート)は、『サーカス』の幹部たちの中にソ連の情報機関KGBの工作員である裏切り者がいるという情報を掴む。
それが誰であるかの手がかりを得るべく、工作員のジム・プリドー(マーク・ストロング)を情報源のハンガリーに送り、将軍を亡命させることと交換で、情報を得ようとするのだが、ジムは、現地の工作員により銃撃されて、捕まってしまうのだった。
情報は、筒抜けだ。
元々妄想癖があると噂されこの任務の失敗の責を取る事になったコントロールは、ボスの座を失うのだった。
コントロールは、彼の右腕として有能なジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)と共にサーカスを去るのだった。
新体制となった『サーカス』は、残された幹部パーシー(トビー・ジョーンズ)をリーダーにし、ソ連の新たな情報源と協力し、成果を上げるのだった。
そしてコントロール、謎の死を遂げてしまう。
残されたスマイリーだったが、イギリス政府の次官に呼び出され、『サーカス』にいる裏切り者『もぐら』を突き止める極秘命令を下される。
スマイリーは、現諜報員のピーター・ギラムや信頼できるメンツと少数のチームを組み、捜査を始めるのだった。
捜査を進める最中、スマイリーはこの一件に自身の過去に遭遇したKGBのスパイの影を感じ、また新たなスパイがモグラ発見の任務の渦中に現れるのだった。
2012年4月21日鑑賞
メガネ感想メガネ
本作は、1974年に出版された小説、元MI6所属のジョン・ル・カレの実体験を基に著作された『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』の映画化作品だ。
また『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』は、これ以前にも映像化されており、イギリス国内でテレビドラマとして制作され、人気を把握したようである。
また面白いことに本作の製作総指揮は原作者のジョン・ル・カレというなかなか大胆な原作者だな。
しかし映画の中身は、もう骨太過ぎる重厚な人間ドラマと常識を逸したスパイたちの心理戦の数々や、更に飛躍したフィクショナルながら現実的なスパイたちの他国での工作描写、そして徐々に明かされて行く、映画のキャラクターたちの秘められていた正体。
裏切り者は誰なのか?
その答えを考えながら筆者自身、この『サーカス』を脳内で楽しく鑑賞させていただきました。
タイトルの『裏切りのサーカス』とあるように、正直言えば、本作は裏切りのパレードだった。(笑)
サーカスの意味は、諜報部の俗称であるが、どうやら由来はピエロや象が活躍する一団などではなく、ロンドンのケンブリッジのサーカスという場所にあることが由来っぽい。(パンフの冒頭に書いてあった。)
しかしそれでもなかなかのうまいとんちの効いた邦題だなぁー。最初は、ださいと思ったし、予告編内でのジョン・ハートの「ティンカー、テイラー、ソルジャー」の言い回しが凄く印象的で、それをチェスの駒で表現するのもすごく印象的で、原題がそのままだったので、そっちが良かったのではと、見る前は思っていたが、見ているとまたラストを見てしまえば、キャラクターたちの最初と最後の関係の変化を考慮すれば、「裏切りのサーカス」は見事な邦題だったかな。(笑)
この『裏切りのサーカス』描かれた時代は、73年とアメリカとソ連は冷戦の真っ最中。イギリスもソ連とのスパイバトルで、日夜精神を擦り切らしていた。
冷戦と言えば、戦いのない戦争として有名、戦うのは兵士ではなく、彼らなわけです。
イギリスの諜報部といえば、『007』で有名だが、あれはジェームズ・ボンドという普遍的な映画のキャラクターとしてのアクションヒーローであり、同一のスパイではあるが、アクションヒーローなわけで、現実的にはちと違う。
その生々しさを描いたのが本作というわけ、実際のスパイは、印象に残らないような凡人を装い、カッコイイスーツやマティーニは飲む事も無く、小太りなおっさんでしかないというわけだ。(まぁーこっちは上層部の話しですから、ジェームズ・ボンドは冒頭で捕まってしまうジム・プリドーのようなキャラクターですよね。)
しかしそんな幹部達も日夜裏切りを繰り返しているというわけだ。
さてさて、本作のメガホンをとったのは、なんと『ぼくのエリ 200歳の少女』で同じく小説を映画化し、映画界で数多くの賞賛を得たトーマス・アルフレッドソンで、しかもスウェーデン人なわけ、まぁーイギリス映画で異色感は、強いけど、アメリカ映画とはやはり違った抜擢を感じさせる。
前作の『エリ』もアート色を感じさせるホラーでありながらサスペンスでありジュブナイルであり、芸術的でもあった驚きの一本であった。
そのセンスは、本作を見る限りでは、間違く本物であったと自分は思う70年代のヨーロッパ諸国の空気感を見事に描き、またポール・スミスというイギリスのファッションデザイナーが映画内の画作りに参加しているとは言え、全体的に素晴らしい画を見せてくれる、その画の素晴らしさは同じく世界的デザイナートム・フォードが手がけた『シングルマン』に匹敵する程の素晴らしさと格式の高さを感じさせてくれる。
それをヨーロッパ諸国を舞台に、はたまたイギリスの諜報部、そしてなんと映画は過去へとフラッシュバックして更に完璧な画が目白押しなわけだから、これはなかなかの映画体験になった。
しかし正直言えば、本作はあまりにも難解過ぎる。
ぶっちゃけ本作を理解するのは1度では無理ではないかと思う。
特にラストシーンのジム・プリドーが引き金をひくシーンは、パンフ内では「復讐をした」を解釈しているが、筆者は「救った」と考えている。
また映画のラストの解釈も意外にも人それぞれ、筆者は、ラストシーンのスマイリーの笑顔に、一つの疑念を抱き、仮説を立て、全てはスマイリーの計画通りだったのではないか?と考えている。
しかしあまりにもその過程は、酷い道のりだった。
その衝撃に筆者は甚くこの映画に感動した。
だが、もしかしたらその解釈は間違いかもしれないと思い原作を買ったのだが、鑑賞から一ヶ月半がたつが、まだ読んでもいなかったりする。(笑)
原作者自身、「映画は、違う解釈をすべきだ」と言う次第なので、ここはもしかしたら正しいことはないのかもしれない、より面白い解釈が出来た人が勝ちだ!!(笑)
いやしかしだよ。思った通りのゲイ要素や、英国王を演じたあの俳優がケヴィン・スペイシー的存在だったりと、映画好きのどっかをくすぐる要素がお決まりであったのは、むしろ悔しかったな。
ただ普通に面白くて、歯ごたえたっぷりでめちゃめちゃ重厚でした。
非常にオススメですが、映画好きの人に勧めたら「微妙だった」と言ってて、解釈を聞いたらなんとも言えない解釈でいまいち面白さがわかっていなかったので、楽しめる人を選ぶのかもしれませんが、自分はオススメです。ゲイリー・オールドマンもコリン・ファースもトム・ハーディーも最高だったです!!
メモ得点メモ
9
しかし未だにこの映画の真相に自身が持てない。いや絶対オレが正しい。(笑)
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追記
って原作三部作で、本作は第一弾の映画化やてぇ!!気になるではないか!!
関連項目
ぼくのエリ 200歳の少女
英国王のスピーチ
シングルマン

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