◎【83点】2001年宇宙の旅【感想:製作50周年記念70mm版特別上映】◎

製作

1968年アメリカイギリス映画

監督

スタンリー・キューブリック
・時計じかけのオレンジ
・バリー・リンドン
・アイズ ワイド シャット
・博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか

あらすじ

人類の進化には、謎の物体モノリスが関わっていた。
まず、原始時代。
類人猿は、植物を食べて生活していた。でも縄張り争いは威圧感だけで解決だった。
だがある時、謎の物体モノリスに出会った時、類人猿は道具を使うことを覚えるのだった。
2001年。
人類は月にも移住できるようになり、大気圏上の宇宙ステーションを中継地点として利用している。
月にやって来た科学者は、モノリスを発見する。
モノリスは急遽木星に電波を発信させる!!
そこで彼らは5人の科学者とパーフェクトスーパーコンピューターHAL9000を乗せたディスカバリー号で木星に調査を向かわせる。
しかし道中HALに異常が見られ、乗組員はパーフェクトなコンピューターHAL9000に問題があると思い、彼を停止させようと画策するが。。

そして木星に辿り着いた科学者を待っていたのは。。。

2008年鑑賞(映画オタクが選んだ最高の映画を見る編105)33
2018年10月6日国立映画アーカイブ70mmフィルム上映鑑賞




70mmフィルム上映行って来た!

『2001年宇宙の旅』製作50周年を記念して、70mmのフィルム再度焼き直し、
デジタルのようにくっきり掃除したり傷をデジタル処理したものではなくて、限りなくフィルムの味わいを再現したアンレストア版。
こちらが2018年の5月の第71回のフランスで開催されたカンヌ映画祭でプレミアム上映され、
アメリカでも公開、欧米諸国を回り、この度日本でも12回だけ東京で上映されるというかなりのプレミアム上映に参加して来ました。
劇場定員300名で、各日1日2回で1日600人が鑑賞できる。
先行前売り券は各回200名で合計2400枚発売されたが、発売5分でソールドアウト。
当日券が1日200枚程度出るというわけで、運よく滑り込みで鑑賞することができました。結構ギリギリだった。
もともと設備費に力を入れるタイプではなかった日本は、設備の老朽化やデジタル化、ハリウッド映画が稼げない事態に伴い、多くのフィルム上映が廃止され、シネラマ劇場もなく、大スクリーンで70mmということに対処できる映写スタッフもおらず、機械が壊れる可能性や、不慣れなもので、フィルムへのダメージも考慮、また別の国での凱旋上映も決まっており、この12回以外の上映は対応できない。
スクリーン自体は、当時本作が上映されたシネラマのスクリーンの半分しかないが、拡大率が下がったため、よりきめの細かい解像度の高い映画が堪能出来る仕様。

ノーランありがとう!

ノーランが『ダンケルク』のデジタル処理をいかにフィルム風になるか拘ったり、フィルム上映をできるようにワーナーに訴えたりした結果、
本作『2001年宇宙の旅』も70mmのフィルムに焼き直し、『ダンケルク』上映後の劇場の次の作品にねじ込み、また今までフィルム上映に触れてこなかった若い世代に、可能であればシネラマ(前から2列目までは湾曲したスクリーンに包まれた状態のスクリーン)での上映をすることを設定。
またワーナーブラザーズ側も本作の上映に際して、カーテンを開けるタイミングやインターミッションを再現という超気合いの入った上映で、
スクリーンは小さいが超プレミアム上映になった!!

国立映画アーカイブありがとう!

この施設は前に一度仕事の合間のサボり時間でぶらぶらしたが、映画、特に日本映画を製作して来た偉人たちの情報やカメラが色々展示してある
かなり面白い場所。上映日は展示が休止しててみれなかったが、是非足を運んでもらいたい。
また今回のトラブルの多そうなイベントを運営側はとても丁寧に対処し、警備員の方も総動員し、観客にも申し訳なさと感謝の気持ちか、丁寧に対応してくれていたし、転売対策の為に必死に行動していた。
また今回企画を実現させたと思われる冨田さんは開映前にいかにこの企画で頑張ったかを懇切丁寧に解説し、観客の気持ちを一つにまとめあげていた。
鑑賞時に、字幕は別枠の下のスクリーンに投影し、海外で上映したそのままの映像を私たちに見せてくれた。

私的アンレストア版70mmフィルム上映の感想

正直良席での鑑賞ではなかった。
整理番号は最後から数えた方が早い番号で、前から二番目の隅で見ることになった。
スクリーンは上部にあるので、見辛過ぎる訳でもない。
スクリーンも小さいし。
しかしそもそそもの画質に言及できるほど本作を鑑賞してないし、むしろ前に鑑賞したのは10年前のよう、1度バイト先の映画館でリバイバル上映が
あったときにちょっと覗いた程度。

鑑賞後にamazoで配信しているのを観賞してみた。

今まで見たフィルム上映の中では1番綺麗。

自分はCSゲームが大好きで、解像度至上主義でもあるんですが、こんなにきめ細かくて色鮮やかなフィルム上映は初めて見ました。
まぁスクリーンが小さいからってもあるけど、質の立体感が本当にすごくて、明るさも明るいし、遠くの景色も鮮明。
さすが映画の解像度はデジタルよりも元々はフィルムが高いって言われ続けただけある。
フィルム上映はスクリーンとのピント調整の兼ね合いで、どうしても甘くなってしまって、淡い映像になりがちで、
さらには一流の映写技師がいない映画館、特にシネコンなどでは酷い映像で鑑賞を強いらる可能性も高い。。。
そういう意味で、均一化が可能なデジタル上映は、魅力的で、自分は特にIMAXや4K、さらにはレーザーIMAXなどが大好きなのですが、
今作の鑑賞で、また映画の見方が変わったなと思う。
もう、すっごい発色が良い。最近UHDでHDRとか色々あって、高い解像度に舌鼓を打ってますが、もう濃厚な色合い。
デジタルの無機質感というものフィルムの有機質感というのをまじまじと感じる。
中盤の黄色宇宙服の発色は雲泥の差。まさしく液晶パネルと有機ELパネルってくらい。

他にもキューブリックが本作を如何に体感を趣旨に作った映画だったのかも実感。
魚眼レンズ巧みに使い、歪んだ映像はシネラマとの相性抜群。
中盤から後半の円環の宇宙船の窮屈さと孤独感は、息苦しさを見ている側に与え、
本作がシチュエーションホラーでもあることを実感できる。
またスターゲイトのシーンなどの気持ち悪さが激増し、圧倒される。

でも意識を飛ばさないように何度も何度も頑張ったが、結果5分程度意識飛んだ。
クラシック音楽の多様で、会話ほぼなし。
宇宙空間を漂う映像や所作の映像などがメインだが、船外での作業は呼吸音のみで、単調で意識飛んでしまった。
休憩があったので、そこでモンスターを補給した。

とりあえずまた70mmの上映があったら、チェックして参加したい。

10年前のDVD鑑賞感想:改訂版

(映画オタクが選んだ最高の映画を見る編105)33
「キューブリックは偉大だ。1968年ってどんな時代だったんだろ?でもこの映像を見る限り天才には何も関係ないんだよね。」

見て思ったのは、あぁ。キューブリックの映画だぁ。
なんか。なんかエロいんだよ。もうラストとか妙にエロいの。暗意的に性行為を描いてる気がすんの。何でかな。つうかもぉ。すごい。こんなに「長い」ということを重厚的に良いと思える映画ってすごいよ。退屈と言えば退屈なんだけどさぁ。相変わらずデザインが画期的でそれなのに1968年なのにパンフォーカス。1968年というCGも対したことない時代に心意気とお金で圧倒的な映像を生み出してくれた。つまりキューブリックはおかしい。もぉなんつうか、不可思議な映像をきっちり撮るというだけで全く恐ろしい程面白い。いや。それだけじゃないキューブリック独特の彼の映画の根本に見え隠れする狂気がこの映画にも全面に存在してる。まずクロマニョン達の進化を暴力という形にしたのが、ヤバいって思った。キューブリックは暴力を最初から描いたんだって感動した。次の狂気であるHALにも感動した。キューブリックは暗意にコンピューターがいつか人間になるって言ってるみたいで。その狂気にまた感動した。つうかHALのセリフ回しがまた絶妙で素晴らしく怖かった。異常なのに冷静。すごいよ。すごいよ。ぶっちゃけ見たの書く1ヶ月前で、詳しく覚えてないけど、HALのシーンの1つ1つのシーンの長さと無音が本当に宇宙という、人間が生きることのできない空間での現実を克明に描いてるって思ってめちゃめちゃ面白かった。しかも狂気も混ざってるし。そしてやはりラストの再誕して新人類になるシーン。はっきり言って意味不明。精子のようなものがいっぱい見えて、なんだ性行為してんのか?と思ったけど調べて「人間はスターチャイルドになった。」みたいなこと書いてなかったらマジ意味不明だった。でも何故かあの20分はぶっ飛んでたけどエロかった。つうか、完璧にキューブリックの映画だったなぁと今更思う。それもまたすごいと思う。

追記

あれから10年経ってから見ると、キューブリックの映画に対してのドエスっぷりが垣間見れる。
類人猿のシーンでも着ぐるみだと思うけどちゃんと草食ってるし、なま肉食べてるし、泥水をすすっている。
人を殴ったりもしていて、その辺りの狂気っぷりが映画から伝わってくる。

宇宙空間などの撮影は一体どうやって撮っているんだろ。
本とかには載っているだろうけど、さすがにそこまでお金と時間をかけて感想は書けないなと。
ただ1968年のCGが無い状態であそこまで無重力を描けるなんて、今まで沢山のSF映画見てきたけど、追い求める部分が現代のSF以上だと思う。
本当にすごい。

via GIPHY

映像の構図一つ一つが素晴らしい

HAL9000など一見すれば、赤いランプを撮っているだけに過ぎないのに、それを徐々に拡大することや絶妙な間を与えることで、
何かを思考しているように見えるし、恐ろしい怪物のように見える。
キューブリック監督は無生物に命を与えている。
古典的な映像テクニックだけで、全く違う錬金術的な力が本作には満ちていた。
またPOV要素が多い映画で、自分が宇宙空間で船を操作するとしたらどうなるだろうか?
という体感型プレゼンテーション映画でもある。あのやたらゆったりしたペースが正しく宇宙空間という生存不可能の場所での作業をより濃密に体感させてくれるわけで、そこにたどり着いたキューブリックがマジですごい。

アート映画

終盤のスターゲイト含めて、なかなかアート映画。
意識を何度も飛ばそうと攻めて来る。
スターゲイトでは色変えたアメリカ大陸の映像とかサイケデリックテンコ盛りで、正直辛かった。
シネラマで見たら違うのに目覚めそう。眼精疲労が半端ない。

またPOV要素含めて旅行感もあり、アート感もあり、さらには人類の進化というテーマも描き、いろんなもの詰め込み過ぎて、
変な映画になってしまったというのもある。

最終盤の部屋での時間のジャンプ。
進化の過程での生まれ変わりの描写なのかなと?
ただなぜ白い部屋で絵画があるのか?などわからないことは山ほどある。

原作小説だと続編の『2010年』でHALも進化の中に行くとか。
知らなかった。

キューブリックについては、本当にすごい監督だなと改めて思うが、アカデミー賞とは縁がなく、
本作は視覚効果賞を受賞したが、結局その後の作品も含めてノミネートはあるが無冠だった。

アンレストア版の鑑賞記念にUHDを買おうかなと思ったけど、決してアンレストア版の発色は再現されないんだなと思ったので、
今のとこスルー。
でもまたあれですがIMdbでも100位以内に入る偉大な映画。
もし劇場で観れることがあるならぜひとも1番前で見て欲しい。
会話シーンは40分しかない、しかも退屈な会話しかないのでね。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 7.5/10
・映像のアプローチ 10/10
・映画の美術面 10/10
・キャラクターの魅力 8/10
・音楽 9.5/10
・上映時間と個人的趣味 7/10

83点

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