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◎ムーンライズ・キングダム「あなたも1965年にタイムスリップ。」2013年17本目◎

「映画に必要なのはお金よりも魂。」

$『A Little his REDEMPTION.』自称映画オタクの映画感想部~season 7~-ムーンライズ・キングダム
アメリカ2012年アメリカ映画アメリカ

監督
ウェス・アンダーソン
(『天才マックスの世界』『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ファンタスティックMr.FOX』)
出演
ブルース・ウィリス
(『LOOPER/ルーパー』『ダイ・ハード』『シックス・センス』『フィフス・エレメント』)
エドワード・ノートン
(『アメリカン・ヒストリーX』『ファイトクラブ』『インクレディブル・ハルク』
ビル・マーレイ
(『恋はデジャヴュ』『ゴースト・バスターズ』『ロスト・イン・トランスレーション』)
フランシス・マクドーマンド
(『ファーゴ』『バーン・アフター・リーディング』)
ティルダ・スウィントン
(『少年は残酷な弓を射る』『ナルニア国物語』
ジェイソン・シュワルツマン
(『天才マックスの世界』)
予告編


日本の予告って内容を誤解する誘導がされていて怖い。
あらすじ
1965年ニューイングランドののどかな島のニューペンザンス。12歳の少年のサムはここで開かれたサマーキャンプに参加していた。
ある日、サムはキャンプから抜け出してしまう。スカウトリーダーの大人のウォード(エドワード・ノートン)はすぐさま島の警察ことシャープ(ブルース・ウィリス)に連絡し、サムを捜索するのだった。サムの保護者に連絡したシャープたちだったが、保護者は孤児だったサムを引き取った身であり、問題児であったサムの面倒はこれ以上見れないというのであった。絶対絶命のサムだったが、問題は更に大きくなった。この島に住んでいた弁護士夫婦の娘の1人のスージーが同様に家でをして行方不明になってしまったのだ。
サムとスージーは、夏の教会での演劇で、運命的な出会いをし、文通相手になっており、二人は意気投合し、駆け落ちを企てていたのだった。
サムとスージーの逃避行に不安に思ったシャープ、ウォード、そして弁護士のウォルト(ビル・マーレイ)とローラ(フランシス・マクドーマンド)。
彼らの目的地を聞きつけ急いで二人を捕まえるわけだが、サムに待っていたのは孤児院への招待だった。
サムの事情を知らなかったサマーキャンプの10代の仲間達、これで本当に良いのか?サムと敵対していた彼らだったが、一致団結してサムとスージーに自由を与える決断をした。
未成年たちの冒険はまだ終わらない。
2013年2月9日劇場鑑賞
感想
これは現代に蘇ったウェス・アンダーソン版の『大人は判ってくれない』だ!!
という戯れ言を今とっさに思いついた筆者であったが、そういう痛いことを言いたくなる人もいるだろうなぁー。勿論おれも含め、こんなださいこと言って、読んだ人にあざ笑われてもこの一言でこのブログのポップさは極端に上がるので、ここは良しとしよう。
というわけで、すごーく楽しみだったウェス・アンダーソン監督の最新作『ムーンライズ・キングサム』。
正直言っておれこの前に『とらの映画』を見てね、その時代性と方向性の違いに混乱してしまっていて、最高に楽しめたわけではないんですよ。ごめんなさい。でもすごい良い映画だったと思います。
さて、何から語るべきなのか?迷う所だし、この映画をどうクソ視点から論じれば良いのか全くわかりません。これほど感想を書きづらい完成された粋な映画も見たことがないというか、ある一定の層、つまりオルタナティブでインディペンデントで、アイロニーの詰まった映画が大好きなウェス・アンダーソン信者の方にはパーフェクトな映画は無いし、逆に「おれはダイ・ハードが大好きなんだ。こんな甘っちょろい映画なんてマジファック、金返せ、カメラワークとかまじつまんねぇよ。ファーック」という方も勿論多いと思うんですよ。
まぁーおれからしたら『ファンタスティックMrFOX』の方がスキー。『天才マックスの世界』の方が引き込まれてしまうー。という変なポジションなんですよね。ハハハハ。
でも好きな人はとことん好き。微妙な人はとことん微妙。そういう映画だと思うんですよ。にわかに「世間の評判が面白いから見た」程度では楽しみ切れない、そういう方向の映画だと思います。ヒット狙っていない、やりたいことをとことんやったパーフェクトな映画なんです。作家性が強いってことです。
そういう意味で、本作の一番の功績はブルース・ウィリスが人を殺さずに世界(映画)を救った。
というのが、本作の凡人な映画好きにいたって一番感慨深いということでしょうか?
ブルース・ウィリスがこんなにも低予算なアイロニードラマによく登場したものです。しかもこの映画にピッタリなぐらいにださい。不倫相手だし、島の警官だし、独り身だし。でもラストで活躍する。無性に涙を流した自分がいて、自分でもよく説明できないんです。そういう魔法が確かにこの映画には存在していたと思います。
というわけで、技術的な話しに入ろうと思います。
先ほども言ったようにこの映画ってCG全盛期の最中のインディペンデントスピリッツマックスな極力CGを避けるやり方をして、カメラのカットもそれほど割らない、撮影技術や期間などが非常に長くかかりそうなことを平然とやってのける、しかもそれが全然気にならない。
オープニングも家の真ん中をぶった切ったような構図で登場人物を紹介、その後のサマーキャンプのシーンでもドリーを印象的に使って横に流れるように行く、ここまでハンドメイドな映画って学生しか今では作ってないんじゃないか?と思うし、そんな映画を映画館で、しかもシネコンでやるなんてどっかのキャンペーンですか?ってなもんですよ。
そもそもそういうことするとすごーい尺がかかって映画のテンポがすごーく悪くなるんですよ。
でもそれをむしろセットのデザインにこだわり見ている側にアンティークを披露しているように飽きさせもしないわけで、そこが学生映画とは断じて同様に見てはいけない、ウェス・アンダーソンだから許されてきたスピリッツがあるわけで。興行的にもやっぱり許されるわけかな?
きっと自称映画作家の方々はこの映画見てうちひしがれるか、もっと頑張ろうと思うかの二者選択。高評も納得。
またこの映画のヤバい所は、そのスピリッツの規模が島一個分に相当すること。
恐ろしい。恐ろしいよウェス・アンダーソン。
舞台は1960年代ということで、全然わからない時代、しかも舞台はイギリスの南西部の島って、もうわからない。
そもそも今から50年も前の時代。おれなんてまだ20代だからね。サマーキャンプだって実際具体的に説明も正しくできません。どこか人と違った感性を持った少年たちの夏の長期講習というものなのかね?サマーキャンプを経験したおっさんたちの淡い思い出と言っても50代や60代の方々が見て楽しい映画かはわからんが、アメリカ人はいっぱいサマーキャンプしてそう。
ウェス・アンダーソンも65年ではまだ4歳なわけで、ふーむ。
蛇足だなこの部分。
まぁーでも舞台は島なわけで、時代とは隔離されていることは確か、バックグラウンドには電話とかが不便とか、どこかまだ物を手づくりして切り開いていく力が試されているということか?
とりあえずガメラが公開された年ですわ。
そんなことは、どうでも良くてね。物足りないとことしては、ビル・マーレイの良さがいまいち出てなかったとこ。
最高に良かったのはタイトルが出た時がクソやばかった。ムーンライズ・キングダムってそういうことか!!てな感じ。(スージーのちょっと文科系な感じであのセクシー体型には悶絶。)
とまとめに入ってしまった。
あと感じられたのが、ウェス・アンダーソン監督はきつねの映画の時の影響が強くあるんだなと。
映画を人形劇のような平面的な解釈で面白く撮ろうとしているようなこだわりが強く感じられた。
奥行きに人を置くというよりは、同じ奥行きに人を配置してそれを平面から撮るような感じが多く垣間見れた。それってもしや『市民ケーン』のオーソン・ウェールズってこと?って思うけど、まぁーそれは違うとは思うが。
あとはやはり終盤では愛らしい動物の被り物が映画を盛り上げてくれる。そういうサービス感覚がたまらないし、これからもウェス・アンダーソンのフィルム・グラフィーは楽しみにさせてくれるわけで、別にこれが最高傑作ではないと思うし、彼に最高傑作なんて必要ない。彼は正真正銘のアーティストなわけだ。今回もありがとうウェス・アンダーソン。というわけ。
あとは物語がやや単調だった。(いやあえてだと思うよ。本当にね。)
もっとぶっとんだ話しかな?と思ってしまったがすごーく平坦、まさかジェイソン・シュワルツマンがあんなに普通程度のポジションで終えるとは。いや悪くないし、だってこれ普通のドラマ映画だもの。デザインを楽しむ映画。BGMにはぴったりのコレクション性の高さは逸脱です。
得点
80
気になったら見るベし。ちっちゃい映画館で見る程余韻が高いことは確実。
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