☆【映画】ザ・ゲスト「帰ってきた80年代カルト映画！！」【94点】☆

「グロ薄めの愛のあるジャンル映画」

2014年アメリカ映画

監督
アダム・ウィンガード
（『サプライズ』）
最高のジャンル映画！！
近年ホラーばっかり作っている若手監督のアダム・ウィンガードの、やっぱりホラーな映画なんだけども、これが全米公開で、高い評価を得ていたので、自分も足を運んでみた。
自分のスペックとしては監督作品の『サプライズ』を見た程度、俳優も無名。
ただ、プロットからして面白い予感しかしない。
あらすじ
アメリカのニューメキシコで、米軍に入った長男が死んでしまった家族。
その過程に、米軍に在籍していた際にその長男の親友だったという男が訪ねてくる。
彼の行動や態度に心動かされた家族は、彼に長男の面影を重ねて、歓迎するのだが…。
というわけ。
つうわけで、映画としてはこのあとの展開が、惨劇になろうが、銃撃になろうが、面白い展開しかないなぁーと思うし、ここまで余分な家族ドラマとかが絡んで来なそうなのも良いとこだよなぁー。
竹を割ったような一本気のある映画で、さらに蓋をあけるとタイトルバックの文字スタイルさえも『ハロウィン』を意識したような、不気味で古臭いスタイルになっている。
また劇中歌も70年代後半から80年代を感じさせる、ちょとダウナーなディスコ風の音楽を中心に、80年代のスプラッター映画やB級映画たちを感じさせる、あの音を浴びせてくる！！
またネオン調のライトも多用。
結局低予算なB級スプラッター映画
この主人公ことディヴィッドが結局は、モンスターだったわけで、それは監督たちも言ってたけども『ターミネーター』からインスパイアされているわけ。
またそういったホラー映画でありがちだったインサートショットを印象的に多用している。
これは本物のオタク監督しか生み出せない。
そういった数多くのB級とされている稀代のホラー映画たちの血脈をこの映画は引き継いでいて、
アメリカの田舎町を惨劇へと誘う。
どこか懐かしいけども、新しい。
また主人公の正体が、戦争というアメリカの犠牲になった帰還兵という設定（本当は民間軍事会社の実験にあったスーパーヒューマン）な点も、アメリカに住んでいる人なら身も毛もよだつだろう。
現実にこの男がいるかもしれないし、現にアメリカでは帰還兵が事件を起こすこともある。（パンフレットの町山さんからの引用）
そういった、安いB級映画のエッセンス以外にも現代アメリカの問題を内包して、余分なものを削ぎ落とし、見る側をスプラッターの快楽へと誘う。
最高の映画でした！！
ダイナーを手榴弾で爆発！！
最後の舞台がハロウィンの迷路でスモッグが焚かれている！！
それを全くの無感情で、それでいてクールに行うディヴィッド！！
ちょっとブラッドリー・クーパーに似た俳優だけども、完璧な筋肉も所持していて、常に紳士で大人の振る舞いな彼が、半端なくかっこいいのもやばい。
この常軌を逸した人間という感じは近年の大傑作『ドライブ』にも精通するところがあり、とてもとても興奮した。
ちなみに自分が見た回はガラガラだったが、多くの映画ファンに足を運んで欲しいと思う。
近年はグロゴア一辺倒なホラーしか聞いたことがない中、愛すべきモンスターが生まれることは嬉しい。
ありがとう。
でも特殊部隊がやってくる件とかは、笑える。
オチも最高
あとウェイトレスの服装ださいけども、あれわざとでしょ。良い！！そのまま終盤まで駆けていくのがいい。
得点
物語と上映時間　9/10
映画の奥深さと世界観　8.5/10
キャラクターの魅力 10/10
監督の映像演出と印象的なシーン、映像を使った話の描き方 10/10
音楽 10/10
俺の趣味　9.5/10
94点
要素を削ぎ落として、単純な映画にしていて、良い！！上映時間も短いし。
蛇足かもしれないけども、正体がバレる件が雑だったような。CD作った直後にあの電話って、主人公らしからぬ行動に違和感あるし、もう少し家庭に忍びんでくれても良かった。
あとその長女が暴走しなかったら、こんな地獄絵図にならなかったんだなと思うと長女の存在が笑える。
2016年の4月にBlu-rayの廉価版が発売されたので速攻購入し再鑑賞。
やっぱりおもしれえし、感想も本当にまとめやすい。
うん。最高。
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