◯【映画短評】秒速5センチメートル【72点】◯

「いつでも捜しているよどこかに君の姿を」

2007年日本映画作品

huluで見つけた。もうすぐ同監督の『君の名は』が公開されるので、久しぶりに再鑑賞。
上映時間1時間という中編作品。
正確には、短編が3本という作品で、最後は完全に山崎まさよしのPV。
東京の世田谷区あたりのお話。
転校が多い家に育った内気な少年：遠野と同様に転校の多い少女：篠原。
いつしか二人はかけがえのない存在となるのだが、篠原は栃木に引っ越してしまう。
引っ越した篠原から手紙が来るのだった。文通を続ける中、二人は中学になり今度は遠野が鹿児島に引っ越すことになるのだが、遠野はその前に篠原と再会することを実行するのだが、その日北関東は大雪に見舞われる。
そして鹿児島で3年過ごした遠野くんに恋をする女性の物語と東京で就職した遠野くんの物語。
ファッキン鬱映画
もしくは山崎まさよしのPV
とか言いつつも思春期特有の自意識をふんだんに使って痛々しい少年の私小説。
そしてそんな地雷に恋をしてしまった少女。
さらには過去の恋を引きずりすぎで、人生に意味さえ感じなくなった遠野の物語。
そういうセンチメンタルな微細な気持ちを紡いでくれて、恋に転んだ少年たちが見ていて小っ恥ずかしくなる
しみていられなくなる。
昔はわかるわかるとかほざいた俺ですが、今になると遠野お前ふざけんな。となりました。
でもとりあえず今でも「女ってやつは簡単にアルバムの新しいページに新しい男の写真に貼るように男を変えられて幸せだよなって感じ。」
こっちはお前に夢中で、しくじったあの時が、後悔で後悔でマザファック。
遠野のあの世界でたった一人の人みたいなのわかるよ。
でもよくない。よくないよ遠野。テメェはイケメンで優しいからダメだ。
サーファー女子に優しくするのは、心を壊す行為だ。ちゃんとぼっちを貫け。
しかもその後も同じようなことして、しかも3年も付き合って、テメェは何回その女を抱いたんだ！！
ダイターン3 かこの野郎！！こっちはザンボット3だ！！
意味わかんね。
まぁーでも結局は山崎まさよしのPVだった。
終始さりげなくBGMで流れてますが、最終話で一気に歌がそのまま流れるわけで、ああもうこれ山崎まさよしのPVだったんだ。もうアニメ作品とかそういうのじゃなくてもはやMVの前振りだったんだー。
ぐらいの転調っぷりに置いてけぼり。
とか言ってるけど、アニメを写実的なアプローチの画がすげぇんだ。
東京から栃木の小山に行くわけで、それを列車で乗り継ぐわけで。
その道中にある駅だとかを細かく美歳な画に落とし込んでてすげぇんだよ。
急に出てくる宇宙船だとか、監督の根底の趣味にSFロボットとか宇宙とかがあって、強引に混ぜ込んでくるんだけど、その映像が綺麗で綺麗で凄い。
まぁたった1時間で綺麗なアニメで、行けてない男子が通るような私小説を基盤にして、心に染みる山崎まさよしの楽曲が楽しめるので、腹立つけど、魅力を感じる映画です。
得点
物語の面白さと上映時間　7/10
映画の奥深さと世界観とオリジナリティ　8/10
キャラクターの魅力 7/10
監督の映像演出と印象的なシーン、映像を使った話の描き方 7/10
音楽 7/10
俺の趣味　7/10
72点
出せないメールで言いたいことが積もるのは、BUMP OF CHICKENの天体観測を彷彿させる。
コミック版だと3話の最後で鹿児島に帰ってあの子に会いに行くんだっけ？
そもそもあの子が違う男とできてるんだっけ？
なんかとごっちゃになっている気もする。
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