◎戦場でワルツを 2011年度40本目◎

「FLASHアニメで描かれる戦場で舞踏会。」

$A Little his REDEMPTION.~season Ⅵ~-戦場でワルツを

イスラエル2008年イスラエル製作イスラエル
予告編

戦車あらすじ戦車
2006年のイスラエル。フォルマンは、19歳の時一緒に従軍していた友人と酒を飲んでいた。
友人と悪夢を見ることについての話題になり、自身の従軍時代の記憶が没落していることを知る。
夢の中で、彼は優雅に海水浴と二人の仲間と共にしていた、その不可思議な夢の真相を知る為に精神分析師のもとに行き、当時一緒に従軍していた人たちのもとへ行くことにするのだった。
2011年6月27日鑑賞
戦車感想戦車
イスラエルでは46年ぶりの長編アニメ映画となっている本作、内容の方は、監督自身のイスラエル国防軍での19歳の出来事を欠落した記憶を探す形を取ったドキュメンタリー映画となっている。
またアニメーションの手法については、日本では鷹の爪団などを作っているDLEで有名なFLASHアニメが中心になっていた。
物語自体は、中年が、兵士の時のことを思い出す物語形式になっているのだが、これの手法がアニメーションということで、色々とやりたい放題になっている。
実写だと制作費的な問題や、ドキュメンタリー映画という念頭の上での制約などが色々とあると思うが、本作は、アニメという虚構での表現の自由さが、作品自体の制約を無限に開放している。
回顧録ではあるものの、要所要所に戦場描写がアニメーションで描かれているのだが、これがかなり異様で斬新だった。
無作為に銃を撃つ滑稽さや、命の重さを感じないミサイル攻撃など、ブラックユーモアに飛んだ作風だと思えた。
特に80年代のレバノンの内戦の知識の乏しさや、イスラエルという馴染みのない空気感などが、見ている筆者をより虚構の世界に連れて行ってしまい、ドキュメンタリー映画としての実感は薄く、いまいち地に足が付いていなかった。
また次々と色々な登場人物が出てきて、当時の話をするというわけだが、これもまたアニメである為、何故か嘘な気もしてきて、それでいて、肝心の戦場描写はより面白おかしくなってしまい、この映画はある種のロックムービーなのかもしれないと思えた。
特に戦場でワルツを踊るシーンの異様さは逸脱で、違う意味で本作を楽しみ始めていた。
レバノンでのあるあるネタも妙に盛り込まれていて、なんだかよくわからん。
だが終盤になると物語は一気に真面目路線にシフト。
さすがに、ワルツも踊られて、しかもこの内戦問題や虐殺などが、全く持って自分とは遠い世界の話にしか思えなくなり、映画も全く現実感が感じられない。
これはアニメということから始まる問題性なのかもしれない。とか思っていたら、ラストシーンは驚愕の、実写映像。
これはとても卑怯だった。
一気に見ていた筆者は現実に連れ戻され、全てが真実だった。そう感じてしまう。
正直、話が頭に入ってこなくて、ラストは二度見た程だ。
つまり、終盤までのアニメの虚構さへのいらだちを昇華すべくラストシーンの現実をぶち込んだことにより、本作のバランスは一気に保たれてしまうという、かなりの力技だ。
また戦場の異様さは、誇張表現だったとしても、現実的にもあの場所は倒錯している。
なので本作のふざけっぷりが一概にやり過ぎでは無いという、絶妙な評論へと行き着くのだ。
これは監督の勝ちとも思える。
でも本作の命の軽んじ具合は好評すべきではないとも思えるのだが、実際あの地での戦争とは、あれぐらい非常識に命が軽んじられていることもあるのかもしれない。
それに本作を作り上げた監督の実体験をもとにしているという、製作背景の説得力も忘れては行けない、彼の人生の一部が本作には閉じ込められており、その現状も知らずにぬくぬくと生きていた筆者などは、この映画の正否など説いた所で、まともに取り合えるはずなどないのだ。
メモ得点メモ
7
だからと言って、手放しに絶賛できる程、自分は優れた映画だとは思いません。手法的には力技で何もかもねじ伏せたようにも思えるからです。
でも中盤のやり過ぎなアニメ描写などは、エンターテイメント性も高いと思うし、そういう意味でも卑怯で、優れていると思います。
あんまりオススメはしません。ドキュメンタリー映画として、ちょっとずれているような気もするし。

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