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◯高地戦 2013年44本目「戦争って最悪だね。」◯ 76点

「戦争は馬鹿らしい…。おれたちの命とは?」

$『A Little his REDEMPTION.』自称映画オタクの映画感想部~season 7~-高地戦
韓国2011年韓国映画韓国

感想
公開当時に話題になっていたが、そこまで時間とお金を割けなかったのでスルーした。
それでこの度、DVD化されたので、早速レンタルしてみた。
監督と俳優共に、私のスペックとしてはほぼ無名。公開時に何故話題になっていたかもよくわからなかった。
とりあえずは評判が良かったからという理由だけで鑑賞。
そもそも韓国映画もあまり見ない。(でも『哀しき獣』は昨年のベスト映画ですが…。)
始まってわかることは、これが朝鮮半島を舞台にしたアメリカとソ連の民主主義と共産主義の冷戦が原因の南北戦争であるということ。そしてこの時代には妙に不釣り合いなイケメンとどう見てもお笑い芸人のなだぎ武にそっくりな主人公。
見ていて話しがいまいち頭に入ってこないので、映画.comなどを利用してだいたいのあらすじを見て映画を咀嚼。
しかしだからと言って、何故この映画の評判が良いのか、そこまで理解出来ない…。
私的には、この映画の評価の高い理由がやっぱり一番気になる…。
製作背景を調べると脚本家が『JSA』の監督らしい。
『JSA』と言えば、小学生か中学生の時見て、衝撃のある無情なラストに心を痛めた記憶がある。
南(韓国)と北(北朝鮮)に別れた朝鮮半島の人たちが、軍事境界線で起きてしまった事件の真相を主人公が探るという物語で、その真相は韓国と北朝鮮の軍人の人たちが仲良くなっていたのだが、結果的に殺し合ってしまうという複雑な人間模様と社会情勢を織り交ぜた映画だ。
それを考慮して見ると、この『高地戦』もまた『JSA』と酷似している点が非常に多い。
主人公のなだぎさんは、軍事境界線となりうる高地に事件の真相を調べる為に着任する。
(ネタバレ注意)
そしてそこでは、『JSA』同様、(この場合では時代設定的に殺し合っている)韓国の軍人は北朝鮮の軍人と日々陣地が入れ替わるように高地を奪い合い、その最中、交流が生まれてしまい、殺し合いをし合っているにも関わらず、韓国と北朝鮮は友情とは言えない、不思議な関係を築いている。
つまり本作は『JSA』の舞台と時代を換えた焼き直しとも言えてしまう。
しかし時代を換えたことによって、内情は更に悪化している。『JSA』は結果的に殺し合いになってしまい、無情さに見ている側の心を苦しめるが、この『高地戦』では、最初から同族で殺し合いをしている。更に彼らは交流を持っているという苦しみもある。
ということで、本作が評判が高いのも分かってきたと思う。
あまりにも無情過ぎるのだ。これこそ『レ・ミゼラブル』だ。
従軍している奴だって、何が楽しくて同族を殺しているというのだ?そんなもの誰も望んじゃいない。じゃあ何故殺しているかって、殺さなきゃ殺されるから。敵にでもない、上官からも殺される。それだけの理屈。
資本主義も民主主義も大統領もリーダーも関係ない。自分の為に生きている。
戦争とは一体何だ?
ここでは国の理念に思える。しかし従軍している彼らにそれはあるか?ここで見る限り無いと思うし、その戦争で一部のキャラは生きる為に更なる濃厚な同族殺しを行ってきた。
そもそも家族だって、北の軍には南に親がいる人もいるような戦争だ。
日本に置き換えれば、現代のある日唐突に東京軍と福岡軍に別れてしまい、その間の滋賀あたりの山でどっちの領土が多くなるかを毎日競いあっているという最悪な状況。うっかり広島に単身赴任していたら福岡軍になってしまって、家族に攻め入らないと上司に殺されるみたいな最悪な状況。
それを新たに赴任したもともと内部調査という戦争がからちょっと遠いなだぎ似の男を通して戦争のマッシブ的な部分ではなく、人間一人一人の内情を描いた、比較的に珍しいタイプの戦争映画だ。
正確に言えば本作は社会派ドラマの部類に当てはまると思う。
戦争というのはなんなのか?国の理念のぶつかり合いであり、人というものを考えない、勝手なものであると心の底から訴えられる。反戦を描いた映画だ。
しかしこの映画の製作者は、もっともっと酷いことをして観客を苦しめる。
実際の戦争もそうだったと思うのだが、この映画の終盤は衝撃的な展開が待っている。
上げるだけ上げといてすごーくガクンと落とす展開が待っている。
それがえぐいことえぐいこと。
さっき顔を合わせて「じゃあな」とか言ったくせに…。
それこそもし自分が戦争にいたら本当に嫌だ。最後の最後で米軍がうっかり…なのも本当に最悪だ。感情移入すると心苦しさが高い。
映画的には、そこまで楽しめなかったが、こんなことがあったら絶対いやだなー。戦争とか絶対やだなーと心底思ったよ。そういうトラウマ的に見る側を与えるってのは、やっぱり製作者の意図していることなんだろうなーと思うと、この映画すっごくよくできていると思いますわ。
でもその朝鮮戦争って裏ではアメリカとかロシアとか日本とか絡んでてさ。なんだか悪いことしたなーとかそんな気持ちもやんわり沸きますわ。
しかしこの映画これだけはゆるせねぇ。
映画的に戦争映画ですが、見所のある戦争描写。いわゆる物量的な爆撃とか銃がどんどん、機関銃がばんばん、火炎放射器がごおおお。なんていうエンタメマッシブは全然ないとも言える。どちらかといえば、リアルでシンプルな殺し合いが延々と繰り返される恐怖と同じ人間、しかも同じ国民だったという戦争が生み出した問題を批判するようなドラマ映画に思える。
それはそれで面白い。
しかし一つだけ許せないことがある。それはイケメンが多過ぎて緊張感が無いことがある。
結局映画は再度上官を殺すシーンがあるのだがそれを演じるコ・スがイケメン過ぎる。日本で言う速水もこみち似のイケメンが、かっこ良く上官を殺すのだ。
ってそこカッコイイ必要ないし、終始てめぇーは戦場なのにかっこいい。
そんなのいらない。泥臭い人間ドラマなのに1人だけで泥臭さが無い。だって主人公がなだぎ似なのになんでもう一人の主人公が速水もこみちなの?っていうわけよ。
妙なアイドル感が映画の雰囲気をぶちこわしている。そんなんで良いのかよ。
坊主の隊長は良いよ。でもねコ・スはよくない。
これは江頭2時50分も同様のことを言ってこの映画を0点にしていた。
それぐらいコ・スのイケメンぶりは映画の雰囲気をぶち壊してしまっている。
かっこよくない人がカッコイイことしてるから人間の本質的な魅力にぐっとくるギャップ効果と、見ている側がそもそもイケメンでないという前提の憧れと、「自分もいつか」という非現実に憧れる二重の構図が成立しなくなってしまい。
結局イケメンこそが正義なんじゃねぇか!!
という辛い現実に直面してしまう。
それだけは頂けない。許せない。
なんせ笑いが出るぐらいカッコイイんだから。(笑)
得点
76
戦争って最悪だって思った。
更に考えると、現在は戦争そのものが変わったんだなーと思った。
昔は国として1人の人間が戦争に強制的に立たされる。複数のものだったけども、現在は昔よりも人個人が自由になりその代わりにテロリストという理念を持った個人が戦争を起こすものになってしまった。それもそれで非常に怖いことだなぁーと思った。
反戦映画としては至上だと思いますよ。まぁー万人向けの映画ではないと思いますが…。
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