Multiplex広告:記事は下部から

『クラウドアトラス』

ウシャウスキー姉弟(昔は兄弟だった)の最新作はクラウドアトラス。
全然調べてないけど、見た感想だけ書く。
3時間程の長尺だったけども、あんまり長く思えなかった。
本作は違う時代の物語を合間合間混ぜ乍ら、映画が終わる頃にそれぞれの物語も終わる構成になっている。
それぞれの時代に主人公がいるわけで、6個ぐらいの時代の物語が描かれ、6人の主人公がいるというわけだ。
180分を6で割ればだいたい30分ほどの短編のオムニバスストーリーとなるわけ。
それが映画が進むごとに交互に織り交ぜられ、物語が交錯する。
最初の時代が奴隷制のある時代なのに最後の時代は地球が滅んだ後の物語。
それが自然に折り混ざって行き、変わって行くのは、かなり映画としてはすごいことなんではないか?と自分は思う。
またキャスト陣がそれぞれの時代にも必ずいるという謎の挑戦をしており、それぞれの主人公は体に流れ星のタトゥーがあり、ちょっとジョジョっぽい。
しかし彼らに血族はないのだが、魂は同じというような何かしらの運命的輪廻を感じさせる。
またそれぞれの物語は正直言えば、テイストが違う。ゲイの恋愛とか陰謀だとか、奴隷だとか、未来を救ったりだとか反乱だとか。その全く違うストーリーを叙情的な主人公たちの内情の告白で、紡ぐ構成は、なかなか見事だったと思う。
しかしその物語のラストが、妙にあっさりしており非常に残念。SFが好きな自分としては、もっと心に遺恨を残すような辛いラストの繰り返しの最後に真のラストで全ての魂が救われる。そんな驚愕のラスト欲しかった。合間のストーリーが普通に面白かったり感動的だったりするので、本当におしい。
先ほども行ったが、それぞれの時代に主要キャストが変装などをして必ず存在する挑戦をしている。
ハル・ベリーがじじいになったり、白人になったりと、賛否両論だと思う。ただ某主人公の顔が禿じじいのせいで改変されてしまう映画よりは、普通に面白かったので良いと思う。
こちらも未来では、なんか顔が変になる。
その中で、個人的に私の評価が変わったのがトム・ハンクス。
近年というかほとんどの映画で中年優男ばっかり演じるトム・ハンクスだけども本作では、悪役をやったり、SFの主人公のような冒険活劇を披露したり、うっかり恋に落ちたけど、そのまま殺されたりとカメレオン級の演技を披露してくれる。この人やっぱりすごいなぁーと。
てかウシャウスキーさんたちさぁー演出力あるよね。
未来篇では、得意のアクションを『アクロスザ・ユニバース』の主人公が最高にカッコイイのを披露してくれて、とても素晴らしい。
またペ・ドゥナ(空気人形でも脱ぎました。)のセックスシーンがとても妖艶な腰の動き方で素晴らしかった。
そのウシャウスキーさんの演出力を今回も感心した。ちなみに自分は『スピードレーサー』を神映画だと思っています。
またそういう意味では、オムニバスっぽいのも影響して、ウシャウスキー兄弟の集大成的なものが出来ていると自分は思う。
ここからウシャウスキー姉弟の映画入門でも問題なさそう。
またザックスナイダー監督は、オタク監督してもう一度ウシャウスキーさんたちのビジョンと野心に触れて、スローモーションや音楽よりも大切な何かを知って欲しい。
またちゃんと調べて感想書かなきゃな。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA