「なんとなくおすすめしたい映画です。」
監督
ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
(『ノーカントリー』『ファーゴ』『ビッグ・リボウスキー』『トゥルー・グリット』)
コーエン兄弟の2013年の映画。
コーエン兄弟は、新作の度、驚きをあたえてくれる作品を作ってくれるので、大好きな映画監督の一人です。
気がつけば、ノーカントリーから7年も経っていて、そこからはちょっと地味目な映画が多い気がしますが、今作『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』もまた低予算な俳優の起用しておりますが、作品の主題が、結構マニアックで、1960年代のボブ・ディランが登場する直前の、ニューヨークの片隅のフォークシンガーの数日間を描いた作品。
主役であるルーウィン・デイヴィスはデイヴ・ヴァン・ロンクを基にした架空の人物であるが、彼の楽曲を劇中で歌うシーンもある。
ルーウィン・デイヴィスを演じるのは、テロリストばっか演じている気がするオスカー・アイザック。(そっち系の顔で無名時代長いからね。)
また脇をキャリー・マリガンやジャスティン・ティンバレイク、ジョン・グッドマンがさりげなく支える。
ただ話はあくまでもルーウィン・デイヴィスの物語であり、本作はある種のロード・ムービーであり、家もなく、音楽に生きる一人の男の人生との戦いだ。
コーエン兄弟らしからぬ、フォークに対する真摯な姿勢は、映像に対するアプローチで伝わってくると思う。
個人的に、照明の演出が逸脱で、どのシーンも映像に惚れ惚れした。
それぐらい映像がワンシーンごとにこだわっている。DVDで見ても高い解像度を感じた。
ストーリーとしては、一見、フォークミュージックシーンを描いた真面目な映画かと思いきや、シニカルな内情や、ジャスティン・ティンバレイクとのいきなりのポップミュージックセッション。
ジョン・グッドマンの件、全部がまさしくコーエン節炸裂。
むしろ調和取れてないとも思えてくる。
ふと思ったのが、この映画、主人公が何をどう思っているのかいまいちわからない。
彼の真相にある本当の気持ちはなんなのか。
純粋な音楽愛なのか、それとも音楽というものに人生を破壊された男の末路なのか。
非常に複雑なラインを映画は描いている。
そのあたりが、やっぱ高等技術過ぎて、コーエン兄弟ぐらいしかできないんだなと思った。
なんとなくおすすめしたい映画です。
得点
物語の面白さと上映時間 7.5/10
映画の奥深さと世界観とオリジナリティ 8/10
キャラクターの魅力 7/10
監督の映像演出と印象的なシーン、映像を使った話の描き方 9/10
音楽 9/10
俺の趣味 8.2/10
81点
映像にハッとした人とは仲良くなりたい。
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