◎【レビュー：ネタバレ注意】イット・フォローズ【79点】◎

2014年アメリカ映画

SEXするとうつされる。死の呪い。
なんというか設定自体は、既視感はあると思う。
特に人から人へという超常現象というか幽霊ものの呪いの死は、日本では『リング』という一大ムーブメントを起こした作品が先駆けで、どうしても「リング」に似てね？ってなる。
そこに描かれるのは、呪いによる死のゴア表現というよりも、青春真っ只中のテーィンが死に追いかけられ、絶望真っ只中で、誰かとセックスすれば延命できる状況下で、体を売っていってしまう主人公の救えなさが、一番の見所。
監督はまだ無名で、テレビ畑出身の人。
主演が面白いことに、『ザ・ゲスト』で謎の兄の友人の来訪者に立ち向かったヒロインのマイカ・モンロー。
マイカ・モンローは2016年に『インディペンデンス・デイ』の続編などのSF大作が控えており、注目すべき俳優だ。
特徴的なのは、全編シンセサイザーで作られたパイプオルガンにも近い、電子音を轟々と響かせるBGM。
ややネタっぽくもなっているが、死が忍び寄ると必ず鳴り出すあたり印象的。まぁ賛否両論で笑えたりもする。
一番いいなぁと思ったのは、監督のホラー映画なのにむしろ疑心暗鬼な少女と仲間たちの織りなす青春群像劇にしたてあげて、それをこれでもかと思考して生み出された独特なカメラワークの数々。
根本的には、静かで地味に仕立ててる作品で。ややテレンス・マリックらしさもあるかも。
そこにホラーを持ち込み、むしろ生々しく、女性の裸体を突然突然させるという俳優には鬼畜なプレイを強要させてて、インパクトはやばい。
ヒロインたちが脱いだり等はしないが、延命のために望まぬセックスを所望して葛藤する主人公と、それを取り巻く仲間の一人の童貞君が、ガチで惚れてたのに畜生！！状態で愛なのか欲なのか？その内情などなど面白かった。
オリジナリティこそ少ないかもしれないが、現存のいろんな要素をサンプリングした映画。
思えば、なんか毎年一年に1本ぐらいB級傑作ホラー映画見ているなぁーと。
『サプライズ』『ザ・ゲスト』『イット・フォローズ』って感じかなぁー。
てか若手映画監督の薄味ホラー映画って最近見ないなぁー。ゴア表現の色物はよく聞くけど。
まぁーそういう血筋ってジョーカーペンターとかそういう巨匠たちが生み出してきたのかなぁー。
得点
物語の面白さと上映時間　8/10
映画の奥深さと世界観とオリジナリティ　7/10
キャラクターの魅力 7/10
監督の映像演出と印象的なシーン、映像を使った話の描き方 8/10
音楽 7/10
俺の趣味　8/10
79点
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