「そのループの始まりは?」
海外でそこそこ評価の高いSF映画だったので、予告編ではそんなに惹かれなかったが、鑑賞。
これは面白い!!
この閉鎖的とも言えるB級SF映画感は、映画を愛する人間の一人として、愛でないわけにはいかない。
脳のどこかを刺激して、鑑賞後に映画のことを妄想できる映画は、映画の醍醐味で、初めて映画の素晴らしさを論じることと同意だ!!
だからこの映画は、いい。知らない人で、映画が好きな人は見た方がいい。
SF映画のスペースオペラとは違う、奥ゆかしい摩訶不思議さがある。
というわけで、映画としては、かなりシックに収まっているわけだが、知的好奇心を大きくくすぐる映画だった。
チラシを見ると、SF時空追跡ものだと思ってしまうが、映画が始まると、地味な会話シーンが始まり、しかも女なのか男なのかわからない人間の半生というSFとは遠く離れた物語が描かれてて、びっくりしてしまった。
しかし、その言葉一つ一つが映画全体を動かしている重要な歯車で、終盤にそれが全て伏線であったことを証明し、急加速して映画は終わる。というか始まる。
映画全体の大筋としては、よくある設定だが、その細かなキャラクターディテールが凝っており、そのおかげで、映画内の重要なキーワードである、卵が先か鳥が先かが活きてくるし、論点が時空ものから、ループものの問題定義になり、さらにその解決しないまま個人の考えに落とし込むところが、この映画の非常に面白いところだった。
宇宙人が襲来、解決不可能なSF大事件。
そんなA級映画のような予算がなく、基本的に会話劇で終わるこの映画は、まさしくS級のSF映画だった。
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