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△【映画:感想】007 スペクター【54点】

007 スペクター
イギリス2015年イギリス映画イギリス

傑作『スカイフォール』の監督、キャストが生み出した続編『スペクター』それは、意外なものだった。
というわけで、近年のメジャーな娯楽商業映画に、アカデミー賞関係の常連を採用し出した傾向は、イギリスの伝統娯楽商業映画の007シリーズにも波及し、前作『スカイフォール』では、映画デビュー作の『アメリカンビューティー』でアカデミー賞を受賞したサム・メンデスが監督。
その独特な照明の使い方などに今までの007にはない重厚さがもたらされ、今までにないしっかりとした作品に仕上がり、主題歌はアカデミー賞を受賞、批評家受けもとてもよく、興行成績も歴代1位になった。
そのサム・メンデスが再度メガホンを取った続編がついに公開。
そしてダニエル・クレイグがボンドになり、原作小説の一作目の映画化から連なり、今まで権利の問題で登場できなかったジェームズ・ボンドの最大の敵とも言われていた『スペクター』が描かれるとあって、期待値は最高(個人的に)だったのだが、その期待は大きく裏切られてしまった。
60年代、90年代を意識した往年の007が帰ってきた。
これには、本当にびっくりした。サム・メンデスらしさはなりを潜め、製作費は高騰したわけだが、その部分は往年の007、ピアーズ・ブロスナンの時のような爆発などの迫力を重視した荒唐無稽なアクションに傾倒し、また60年代の悪役を彷彿させる怪物風な敵。
そして近年のヒット作を感じさせる合間合間にアメリカンジョークを入れるような間の抜けた展開。
さらには、前作までは露骨には出してこなかったボンドガール要素も強くなり、強引とも言えるベッドシーンへの展開や、全然説得力のない恋愛への進展と決断。
前作の『スカイフォール』とはなんだったのか?と思わざる終えないギャップに、かなり戸惑いを受けた。
むしろ『スカイフォール』以前の007映画を見るような「どうせこんなもんでしょ」で見る惰性な作品に収まってしまった。まぁーいつものボンドって感じ。
だが、こう言えるのかもしれない。
今作で、ダニエル・ボンドを終わりに向け、いつものテイストに戻っても問題ないようにあえて、通常路線に回帰できるようにこうしたのかもしれない。
それか、往年のファンへのサービスをした結果、こうなってしまったのか?もう何が何だかよくわからん。
『シャーロック』のモリアーティーが出てきて、やっぱりな役で、最初から分かってたよ状態。
完全にダニエル・クレイグが、ヴァルツに飲まれていたが、ヴァルツは一切銃とか使わないわけで、結局小物にしか見えなかったような。
大ボスにしては、あっけなさすぎる。巨悪との戦いが尻切れ蜻蛉に終わったような。
あと冒頭の長回しはかっこよかったが、意味を感じない。
砂漠のシーンなど『慰めの報酬』と被っていた。
全体的に既視感があるんだよな。割と長いのも痛い。
2015年スパイ映画戦国時代!!
気がつけば、2015年はスパイ映画が非常に多かった。
『ミッション・インポッシブル5』
『キングスマン』
『コードネーム・アンクル』
そして『スペクター』
この中だったらやっぱり等身大で人間の限界を描いたような『ミッション・インポッシブル』がアクション面も悪役との対決や結末、ヒロインの魅力込み込みでも最高だった。
『キングスマン』も主人公のラストのケツの穴の展開が最高。
『アンクル』もバディ要素が突き抜けててよかった。
じゃあ『スペクター』はというと、どこも突き抜けてはいなかったような。
アクション面もそんなに、拷問シーンが相変わらずえぐかったが、ドラマも濃い分けでもないし、なんでヴァルツがダニエル・クレイグに挑んだのかもよくわからん、というか脚本がそんなに魅力ない。
強いて言うなら衣装が最高に素敵で、細身なダニエルをとても魅力的に見せていたし、そこも含めて映画がシックでダンディではあるが、それが映画の脚本と結ばれている分けでもないんだよな。アンクルはそこが結びついているんだよなぁー。
しかも脚本の荒唐無稽さを考えるなら、今作の監督はサム・メンデスよりもマシュー・ボーンとかの方が、楽しそうだったし。
と本当に微妙。
トム・フォードのスーツが最高だったので、ダニエル・クレイグのボンドの外見だけが最高だったぐらい。
近年だとこう言うアクション映画は武器に焦点合わせたり、等身大アクションでどこまで凄いことするかとか、あとは超魅力的な敵もしくは相方が出てくるとかそういうのがね。
メモ得点メモ
物語の面白さと上映時間 4/10
映画の奥深さと世界観とオリジナリティ 5/10
キャラクターの魅力 7.5/10
監督の映像演出と印象的なシーン、映像を使った話の描き方 7/10
音楽 8/10
俺の趣味 6/10

54
あれ?低くね。いやもう少し普通に楽しめたし、凄いシーンとかあったような気がするが。
冒頭ってCGなのかな?どうやらヘリのシーンはCGぽい。凄い精度。
あとホワイトって全然誰かわからんので『カジノロワイヤル』とか見直した方が無難。
一応本作でダニエル・クレイグのボンドが全て一つにまとまって、因縁が終わったということになるのか。
次回作はどうなるんだろうか。
あと4K映画館で見た方がいいですよ。2Kで見たら色々ぼやけてて惜しかった。
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