無差別爆弾配送殺人事件
★この記事をまとめるとこんな感じ★
はじめに:ご訪問ありがとうございます
製作
2024年日本映画
日常が恐怖に結ばれる恐ろしきサイコサスペンス
ネタバレ あらすじ
2024年9月29日劇場鑑賞
2024年49本目
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巷で好評だったので見たらめっちゃ面白かった
日本の映画情報サービスサイト
Filmarksにて
2024年10月2日時点で
57000人以上が鑑賞し
5点満点中4.1点という
超高評価を得ている映画
『ラストマイル』。
扱っている問題が
コロナ禍のステイホームの影響により
一気に需要が高まった通販サイト
の物流倉庫を舞台にし
その後の物流の人手不足、
低賃金などなどの
2023年の社会問題を背景に
サスペンスフルな
爆弾む差別事件が描かれているという
とても気になる内容だったので
遂にいいタイミングを得て
出来立てほやほやの
埼玉県所沢市の映画館で鑑賞してきた。
正直日本のテレビドラマには詳しくなくて
俳優についてはある程度知ってますが
監督の塚原あゆ子さん
脚本の野木亜紀子さん
については全く知らなくて
そもそも女性監督と脚本家でこんなに大スケールな映画を作れて
体力的にも精神的にもタフですごいと思いました。
怖かった:日常と結びつく恐怖
外資系の通販サイトの運営会社の
物流と内部の恐ろしい資本主義に
メスを突き立てる作品ながら
それらを破壊するための行為が
物流を利用して
爆弾をランダムで12個仕込んで
ターゲットを決めずに爆弾を
送りつけるという
マジで怖い内容
アメリカ映画でも
実際に会った事件としても
テロリストが爆弾を仕掛けるとか
宗教的対立を背景とか
そういう聖戦的な狂気はあるが
今作の場合は
そのビジネス自体を破壊することを
目的とも言え
そしてその場所にいたからとかではなく
たまたま買ったものが爆弾入りだった
という怖すぎる設定で
爆発して負傷もしくは死亡した場合は
運が悪かったとしか言えなくなる
しかもさらに恐ろしいのが
この実行犯、映画の終盤で明かされますが
すでに死んでいる。。。。
怒りの矛先も向けられず
むしろ世界を恨んだ犯人が
道連れに人々を社会を地獄に
落とすというなんとも後味の悪い内容。
怖いのは爆弾事故だけじゃない!心の中の爆弾が爆発する恐怖
映画内での主要キャラが
なんだかんだみんな精神的にまいってる。
それぞれ闇を抱えながらも
この一大イベントと事件を
切り抜けようと戦う。
主人公の大変な時期に転属してきた
舟渡エレナは
実は数年前に本社から日本に転属になり
倉庫勤務になったのだが
2年目で不眠症を患い休職。
3ヶ月の休職を挟み
復帰1発目がこの時期に
東京という最大の人口がいる地域の
物流倉庫のセンター長。
挙句に前任者がなぜいなくなったのかは不明。
さらには数ヶ月単位でセンター長が
変わるという曰く付きもあったりと
本社側も調査目的で舟渡を派遣している
ようではあった。
そしてキーマンとしては
ロッカーに気が狂って謎の暗号を描いて
倉庫でコンベアの上に落下して自殺未遂を
した山﨑。
その彼が労働により逃げたのか?
それとも企業側の強引な指導や
強要により心を壊されたのか?
また働きすぎて体を壊して死んでしまった人の
寓話だったり、
崩壊寸前の家庭だったりと
現代人のギリギリの精神状態という
絶妙な社会性も見事に取り込み
最低な後味を味合わせてくれるが
エンタメとサスペンスと社会性が融合した素晴らしい映画だった
伏線張りまくりで上手い
登場人物が多めではありますが
それを感じさせないネタの仕込み方。
末端のラストマイルと呼ばれる
フリーランスの運送屋は
60代の人。
直前から40代と思える息子が
同行するわけだが
彼が元中規模の家電メーカーにて
製造か設計にいたと描写され
日本の労働環境や
40代の就職氷河期の端末など
世知辛いものを同時に描きながら
終盤ではそれでこそ救いが
あるなどの展開の盛り込みのうまさ。
劇中では
満島ひかりが隠蔽工作を行い
事件の真犯人もしくは共犯?
という描写をしつつ
中盤の岡田くんとの信頼関係を
より強固にするギミックに
結びついたり。
最序盤で満島ひかりが
転落事故を防ぐために
ネットをつけるべきじゃないかと
行ってみたりと
展開を予兆させるフラグの
貼り方のうまさ。
また脚本家が同一の
テレビドラマから
捜査員と解剖医師が
それぞれ別作品から登場し
事件の解決と真相へ導く重要な
存在として描かれる。
また冒頭の異常な爆発の
理由なども腑に落ちるように
細かく起因を解説し
わかりやすくも
点とも言えない
描写が結びつく
素晴らしい作品で驚きました。
考察と妄想:暗号と残された爆弾
わかりにくい点として
自殺未遂をした山﨑のロッカーの暗号。
速度についての記載があり
おそらく止まることない
コンベアに対して
終わらないハラスメントに
近い業務効率の改善や
取引先への圧力を
どうすれば止められるか?
0にできるか?
その葛藤を引き継いだ後任の
担当者たちは全て転職した。
外資系の資本主義により
成果主義による
人間の心の強度の足りなさを
嘆き現代社会への警報を
作品は描いている。
残された爆弾はおそらく
継続し続ける会社の強気な
体制などにより
まだまだこのトラブルは
終わらないだろうということを
描いていたと思う。
そして3階からのコンベアの
転落、70kgの暗号は
落下時の重力加速を
用いることでその衝撃で
コンベアを止めて
2020年代の物流問題を
止めようと山﨑はしたし
ロッカーのメッセージは
自殺への誘いのように思える。
しかし現実は一瞬の停止で
すぐに稼働が始まった。
ケア出来なく同じ場所に務め
てたその最愛の人の復讐心を
生み世界そのものを0にし
終わりにしようという無差別
殺人へ話が進んでいく。
ここから妄想
個人的には爆弾はもう一個あって
あの管理モニターから
見下ろせるコンベアの下に
70kg以上の重量がかかったら
爆発する爆弾があるんじゃないかな?
と思ってる。
映画がずっと自分の命を
犠牲にして多くの人や
世界を道連れにする方向性だったので
コンベア装置を倉庫全体を自分の命を
使って破壊したかったのでは?
と妄想してる。
しかし計算ミスで重量と落下地点が悪く
映画のようなことになったと想像。
70KGって結構高身長の細型か
太ってないと無理な気がする。
そういうことを考慮すると
山﨑は自分を追い詰めた
ディーンフジオカ演じる
五十嵐が自殺する
ことを想定してたのかも。
個人的には0は無で
消失の意味だった
ように思えた。
ちなみに
満島ひかり演じる船渡は
物流を止める別の方法を
運送会社の賃上げストライキを
用いることで成功。
元来のアメリカで就職できるほどの
バイタリティと賢さが
その穴を見つけられたのか?
恐ろしき洗脳的会社のモットー
絶妙に効果的だった
劇中で舟渡が梨本に伝える
会社のモットーを用いた
洗脳ワード。
そこにはメタファーとして
会社の利益最優先と思える
絶妙なすり替えがあり
ブラック企業のような
会社の姿勢が見え隠れ
いざとなれば
そんな意味ではないと
会社側が言えばいい。
サイコな描写が見え隠れする
ヒヤヒヤする感じがマジで素晴らしい。
満島ひかりのキャラ造形の良さ
絶妙なトーンのおしゃべりや
独り言の多さなど
どこかいそうな感じ
銀幕スターとは違う
テレビっぽさとも言えるが
あの絶妙な舟渡のキャラクターの造形が
すごかった。
また通販アイテムを駆使して
仕事を乗り切ろうとする姿勢という
なんかいそうな怖さ。
いや家に帰らないのはやばいか。
てかどうなってんだろあの人の
実家とか。。。
梨本もとても良かったが
いつもの素敵な岡田将生さん
という感じでした。
いやまぁ岡田将生さんの
代表作もまた増えた感じしますが。
倉庫描写地味に良かったです
自分も日雇いで
二○リの倉庫で働いたこと
あるんですが本当にこんな感じ。
内情面で社員が8名とかいう
地獄のセリフに
大量の人。
だだっ広い倉庫描写。
そして地味に金と覇気がない
派遣社員というかバイトというか
その絶妙な低賃金が滲み出てる
とこがまた面白く。
とどめに実際の
トラスコ中山という
通販サイトを運営する
メーカー向けの会社の
実際の倉庫を使ってるそうで
全自動のピッキングや
コンベア映像など見応えたっぷり。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 9/10
・映像のアプローチ 7.7/10
・映画の美術面 7/10
・キャラクターの魅力 8/10
・音楽 6/10
・上映時間と個人的趣味 9/10
83点
年間ベスト級に面白かったです。
小さい頃に劇場で見た
踊る大捜査戦ぐらい
衝撃的だった。
劇場型な展開と
現代の問題詰め込みすぎて
サイコパス映画では
あったように思えた。
しかしトラウマ要素も
高かった。
あと音楽の最初の
不穏感を醸し出す
ヤへーとか呼吸音とか
ハンスジマーのデューン被れで
しんどかった。
原作ないのにすごいな。
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