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◎【78点】続・夕陽のガンマン【原点超越西部劇イタリア映画】◎

製作

1966年イタリア映画

監督

セルジオ・レオーネ
・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
荒野の用心棒
・ウエスタン

出演

クリント・イーストウッド
・グラン・トリノ
・ミリオンダラー・ベイビー
・マディソン郡の橋
・許されざる者

あらすじ

1864年ぐらいの南北戦争時代のアメリカ。
内戦中ではあるが、アメリカは西部開拓時代。
無法者たちが銃を手に取り、犯罪をやりたい放題。
賞金稼ぎから逃げるトゥーコは卑劣な漢。卑劣だけど仲間からも裏切られ、人望は薄い。
同時期、エンジェル・アイは、金貨の情報を手に入れためにターゲットの家を襲撃。その息子もついでに殺害し、雇い主も自分の利益の為に殺害するほどの悪人なイケオジ。
金髪ヘアーの無法者に名前はないので、ブロンディと呼ぶことにする(クリント・イーストウッド)。
ブロンディは、またも襲撃されているトゥーコを救うが、そのまま保安官に届け、懸賞金を得る。
トゥーコが絞首刑になる直前で、彼の縄を撃ち抜き、彼を助け出す。

2人はチームを組み、荒稼ぎをするが、ある時ブロンディが裏切りトゥーコを砂漠に置き去りにする。
生きのびたトゥーコはブロンディの隙を付き彼を砂漠を水を与えずに歩かせ殺そうとするが、そこに南軍の死体を載せた場所が通りかかる。
そこには瀕死の眼帯の男ビルカーソンがいた。
彼から金貨の隠し場所である墓地の場所だけを聞いたトゥーコとその墓の名だけを聞いたブロンディ。
2人は仕方なくチームを組み金貨を手に入れる為に旅に出るが、
南軍の変装をした2人は、戦争に巻き込まれていき、北軍には金貨を狙う変装したエンジェル・アイも混じっており、
南北戦争を巻き込んだ3人の金貨を巡る戦いが始まるのだった。

(2006年世界の映画オタクが選んだ史上最高の映画を見る編⑭137位)
2018年2月25日Blu-ray自宅鑑賞16本目

感想

06年に感想を書いてから10年以上経ってたので、この機会に再鑑賞。
当時はセルジオ・レオーネのこともよく知らず。
面白い伝説の映画ってことで、鑑賞したから、なんか映画のこともよく考えずに見てて、長いけど面白いなぁー。
でも長いなぁって思ってた。

今回は休み休みで見ていたから、そこまで長いと感じなかったけども。。

邦題は微妙邦題。原題、北米タイトル共に善玉、悪玉、醜いやつ。
韓国でもリメイクされた作品。

掘り下げると映画の歴史も関わってくるジャンル映画の到達点

アメリカの伝統的な映画ジャンルの西部劇。
その西部劇をアメリカではなくヨーロッパが製作した亜流作品であり、日本ではそういった西部劇をマカロニウェスタンと言う。
また本作はセルジオ・レオーネ監督の初のヨーロッパ製西部劇映画であり、主役をクリント・イーストウッドにし、大成功を収め、
そのまま3作連続西部劇で、主役にクリント・イーストウッドを据え大成功をし、
本作はその通称”ドル箱3部作”の最終作である。

と簡易的にこの映画の概要をざっくり紹介。

別にそんなことを知らなくてもエンタメとして鑑賞しても面白いしかっこいいわけで、
ただ感想を書くと映画の背景とかそう言うの気になって、一度調べてみると、なかなか深い歴史あるんだなと思ったわけです。

ざっくりとした西部劇映画とは?

そもそも西部劇映画っていつぐらいあるのかな?って思ったら、
映画というものの初期からあった。
確かに思い返すと映画製作の最初期の1903年『大列車強盗』っていうサイレント映画があって、それが最初期の1902年『月世界旅行』の次の映画、
SFの次にできたジャンル映画が西部劇なんだなぁ。
まぁその前からも多分記録映画の一種としては何かしらあったのだと思うけど。
そしてその西部劇というものがなんでそこまで需要があったというかというと、アメリカ時代の歴史小説というか、大河ドラマというか、
アメリカという土地って本来インディアンが住んでいた所を西洋人が植民地化したわけで、もう色々あれだけど、
何もないだだ広い土地を開拓し、世界の頂点までなし上げてきた、そういう開拓の精神みたいなのが、映画に描かれることが多くて、
絶対的な支持があったみたいですね。全然詳しく知らないですが。

興行収入の話とか書ければ良かったんですけどBOXOFFICEも1979年からしかカウントしていなかったので、
西部劇映画の興行の話できず。。。

ジャンル的には、歴史深い映画ですが、79年からカウントした所、1990年のケビン・コスナー監督主演作でアカデミー賞も受賞した『ダンス・ウィズ・ウルブズ』が1億8400万ドルで歴代1位。その次がデカプリオ主演男優賞の『レヴナント』。
真のヒット作が2億ドル越えなイメージがある分、やはりそこそこヒットからは遠ざかっているなぁと。

その原因も本作で垣間見れたりしますが。

衰退したアメリカ西部劇映画の終焉後のハイブリッドイタリア映画

そもそも歴史のある西部劇ですが、ピークは本作が公開前の50年代後半。
ジョン・フォードの映画作品がアカデミー賞にも関わってきており、評価としてはピークだった模様。
しかしそもそも論、勧善懲悪的なストーリーにしやすかったり、そもそもインディアンから土地を奪ったのに、インディアンたちを一方的に悪人として描くことが多かったり、白人ばっか出てくるとか、黒人が出てこないなどなど、1960年代の公民権運動をきっかけに、
こういった映画作りはおかしいのではないか?という考え方がハリウッドにも浸透したようで、
西部劇はジャンル映画としての価値がしか見出せなくなり、アメリカの開拓の精神云々も露となり終焉を迎えたみたいです。

しかし世界的な西部劇映画のヒットに際して、海外の制作者たちは、自分たちも世界に向けて娯楽映画として西部劇を撮りたいという方向性から、
ヨーロッパ産のアメリカ開拓史の一編である西部劇を映画化、それがイタリア人のセルジオ・レオーネ監督の『荒野の用心棒』になるようです。
全部ネットの情報を自分で消化した情報なので信憑性は低いです。
またここで面白いのが、一概に西部劇でアメリカ映画のオマージュってわけではなくて、原案は日本映画『用心棒』をそのまま拝借してきて、
シナリオは『用心棒』舞台はアメリカの西部開拓時代で、武器を刀から銃に変えたハイブリッド娯楽活劇のイタリア映画として完成。
そのパワフルな企画からか、公民権運動云々よりもかつての娯楽映画からの愛着か、アメリカでも成功(批評家は開拓の精神がないから「スパゲッティ・ウエスタン」と評され総スカン)
そのまま3作製作され、イーストウッドの代表作になり、本作がその3作目で、最終作。

セルジオ・レオーネ

イタリア映画で下積みを積み重ね。
時代の流れに乗って、最終的に自分の撮りたい映画を撮ったとも言える監督。
イタリアは当時金のかけた歴史劇映画、勧善懲悪なものを製作する傾向があったようで、そこから時代の移り変わりで、
商業として亜流西部劇映画を監督し、成功。
そのまま逆輸入の形で、アメリカで西部劇、というかその開拓のスピリットを映画化したような『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウエスタン』を監督し成功、次作でもメキシコを舞台にした開拓時代の映画を撮ったが、今回は失敗。
その後1920年代から1970年代ぐらい?のギャングの叙事詩を描いた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』でアメリカのギャング映画の金字塔の1つを生み出した。なかなかの変わった経歴。

いい人、悪い奴、汚ねぇ奴

本作はいたって簡潔な話。アメリカ南北戦争時代の3人のならず者の冒険譚。
卑劣漢で運を味方につけた卑劣漢を主人公に据え死と紙一重のガンマンのゆるいコメディ映画。

via GIPHY

卑劣漢というクソ野郎が善玉と一緒に珍道中。

via GIPHY

しかし終盤では、悪玉との凄まじくカッコイイ戦いが描かれる。

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とりわけすごいのが壮大な舞台装置、例えば南軍との丘での戦いや廃墟になった町など機関車でのちょっとした小ネタなど映画としてのダイナミックさが強く、現代映画では考えられれない。
亜流西部劇であるスパゲッティ・ウエスタンとは一括りにできない、かなり変わった映画。
そもそも南北戦争を背景にするという大胆な設定。

via GIPHY

個人的にはこの南北戦争っていうのが、もっと近代に近い街並みがあるのかと思っていたのだけど、
荒野が多くて意外だった。
スピルバーグ監督の『リンカーン』ではもっと緑も多かった印象だったし、『風と共に去りぬ』も同様の時代設定だけど。。。
ど田舎って設定だったのかな?

そういった時代設定云々よりも設定さえも映画の舞台装置に変えて、レオーネ監督のこれまでに携わってきた歴史劇の壮大な演出の着想を
落とし込んだのかな?と。
廃墟の市街地や大砲など、近代映画でもなかなか見ないものがいっぱいあって、
しかもすっごく広角に映画を撮ったりしていて、面白い。

ただそういった広大なセットなどに対して、よくわからない間を大事にする趣のある映画でもあり、
変なトーンで進む卑劣漢のシーンなどもあって、メリハリが悪い部分もある。

エンニオ・モリコーネ

現代でも活躍するエンニオ・モリコーネの出世作の1本である本作。
特徴的で雰囲気を醸し出し、映画を彩っている。
何度聞いてもすごくイイし、彼が音楽をやるだけで、映画の評価が引き上がってるのもあるのではないかと思う。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 6.5/10
・映像のアプローチ 9.5/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 7/10
・音楽 10/10
・上映時間と個人的趣味 7.5/10

78点

思えば、女性が全く出ないし、黒人もいなかったかな?そういうあたりが社会的にはおかしいんだけど、
冒険譚としてやっぱり良作だなって思う特にシーンの話よりは、シークエンスの構成が面白かった。

そいやレッド・デッド・リデンプション2がもうすぐ発売だ!!
荒野の世界に帰るぞ!!

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