『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』感想:85点。面白い、でも本当にスパイダーマン映画か?
『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』をSCREENX版で鑑賞。85点。アクションのキレとドラマの巧さは2026年ベスト級で、MCU面白いじゃん!と思える一本でした。
ただ、見終わって残ったのは「これ、本当にスパイダーマンの映画だったのか?」という複雑さ。MCUキャラや今後への伏線は盛りだくさんですが、ピーターの新章を期待すると弱く感じた部分もあります。良かった点と気になった点、SCREENXでの見え方まで率直に書きます。
※本記事は序盤から、メインヴィランの正体や結末を含む重大なネタバレがあります。未鑑賞の方はご注意ください。
製作
2026年アメリカ映画
監督
デスティン・ダニエル・クレットン
・シャン・チー/テン・リングスの伝説
・ショート・ターム
・黒い司法 0%からの奇跡
・ガラスの城の約束
キャスト
2026年8月2日SCREENX版鑑賞
2026年26本目
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作品概要:スパイダーマンの新しい日々と修復
ジョン・ワッツ監督が手がけてきたトム・ホランド版スパイダーマン。監督は交代したものの、約5年ぶりとなる4作目が2026年7月31日に日米同時公開された。
主要キャストは続投。2作目でミステリオに正体を暴かれたピーターは、前作で多次元からの侵入を食い止めるため、ドクター・ストレンジの呪文によって、すべての人の記憶から自らの存在を消した。これによりスパイダーマンの正体は再び不明となり、人生ごと再スタートしたピーターの日々が描かれる。
その1年目が描かれるかと思いきやあっという間に4年の月日が経過して、かつての親友のネッドと恋人のMJは大学卒業。どうやら2人とも当面無職っぽいが、心残りありありのピーターは2人の状況をSNSを使って追いながらスパイダーマンとしてニューヨークの平和を守るヴィジランテとして、ニューヨーク警察と協力しながら活動していた模様。

何をしてお金を稼いでるか不明ですが、自作のハイテクラボでAIオペレーターをスーツに内蔵したり、武器自動生成機を所持したりしていた。
そんなピーターが、うっかりネッドに出会い、ネッドの引っ越しパーティーに参加。そこでMJの彼氏を目撃したことでストレスが爆発!一応、蜘蛛にかまれたことで強大な力を手に入れたピーターでしたが、その蜘蛛のDNAが暴走し、腕から糸が出たり超怪力を発揮できたりする一方、自制心を保てなくなる展開へ。

監督はMCUにて『シャン・チー/テン・リングスの伝説』を監督したデスティン・ダニエル・クレットンが務める。シャン・チーでのカンフーアクションの経験がこのシリーズに新たなスパイスを与えてくれたのだろう。

感想:それでいいのか?スパイダーマンというよりMCUの一編って感じ
前作から5年の月日が空いたし、そもそもスパイダーマンといえばSONYの映画だったし、前作の記憶を消されたという点でもMCUと縁が切れそうだと思った。
アメコミでは、瀕死のメイおばさんの命を救う代わりに、ピーターとMJの結婚をなかったことにした『ワン・モア・デイ』後の新章として、2008年に『スパイダーマン:ブランニュー・デイ』が始まった。今作でついにハリーなども登場して、スパイダーマンの有名エピソードを下地に実写映画化するのかぁ?と期待したものの、相変わらずのMCUの連作で驚いた!!
MCUからはニュー・アベンジャーズのリーダーで2代目ブラック・ウィドウのエレーナと、ハルクことブルースが参戦。ハルクに関しては、2018年の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』以来なりを潜めていた「凶暴な大男」の形状で参戦。実に8年ぶりか。。
またMCUのテレビシリーズの『デアデビル』からパニッシャーが参戦。
この4年間の中でパニッシャーの危機をピーターが救ったという設定。まぁ活動拠点が一緒だしそれもありうることだろうし。
ちなみに前作『ノー・ウェイ・ホーム』の冒頭にも『デアデビル』の主人公マット・マードックがテレビシリーズ復活前の番宣なのか?それともNetflixでの配信作品が正式にMCU入りしたことを証明するためか、ゲスト出演していたのでそこまで違和感はない。
しかし問題なのは、今作のメインヴィランが伏せられたまま公開になったわけでその正体が、
X-MENの重要キャラであるジーン・グレイだったことについては、本当にこれでよかったのか?と疑問を持つところだ。
単作として確かに面白かったわけだが、MCUファン向けのサプライズ要素を練り込んでくるとは流石に思わなかったし自分もめっちゃ驚いた。
公開時点ではMCU版『X-MEN』の企画も進行中と報じられており、そこに関連しているように感じた。
そのジーンの立ち位置は、ピーターの成長譚としてもうまく機能していた。また、プロフェッサーXに出会えなかったジーンがピーターの思想に触れることで英雄の心に目覚めるというエピソードも素晴らしい。
能力覚醒によって強力なサイキッカーとなり、後続作への伏線や、今後の『アベンジャーズ/シークレット・ウォーズ』でも活躍が見込まれる存在感を示したのは明白だった。だが、本当に『スパイダーマン』の映画としてこれでよかったのか?
と思うのであった。いや本当に面白かったし感動したんですけどね。MCUのキャラクターを通してピーターの成長を描くのは、なんか期待より弱かったなぁって思いました。
ジーンのおかげで3作目で記憶喪失させた件がなんかまたリセットされた感じで、結局この物語はピーターの変化を実感できたものの、仕切り直しをさらに仕切り直し、次回作こそが真のブランド・ニュー・デイになりそうではあった。。
MCUと原作コミックのネタ満載
単作としてもドラマ面が良かっただけじゃなく上記のMCUキャラが多数登場など、ネタが満載の本作。
原作コミックの表紙を意識した画角のワンショットなども盛り込み、マニア心をくすぐる演出も多い。
その他に、意味深なピーターの新居での蜘蛛の登場や、同じアパートの金髪の印象的な女性。アジア人がシルクと同名。フィスクのチラシ。
などなど見ていてMCU、スパイダーマンどっちのファンも満足いく点はあった。
また作品内でブルースがハルクにならないことを維持している装置をもとに遺伝子の変異を抑えようとするシステムについて、ブルースは作っちゃいけないとアドバイスしてそれを作ってしまったわけだけども、これが後のミュータントたちを苦しめる凶器につながるかもしれないというのも面白いなぁと思った。スパイダーマンが後天的なミュータントだと今作で描かれたのもなんか面白いなぁと思った。一応、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』からクイックシルバーとスカーレット・ウィッチがいたけど、MCUでは当時ミュータントとは明示されていなかったなぁ。
明確にミュータントと示されたのは『ミズ・マーベル』の主人公カマラだけど、映画じゃなくてテレビシリーズなのよね。。。
しかしMCUなんてネタ盛り込みたいだけ盛り込んでちょっとテレビシリーズで取り扱ってそのままバイバイしたり放置したり、企画が頓挫したりとなかなかうまくいってないので盛り上がるだけ盛り上がって消化したらおしまいな感じになりましたね。アベンジャーズの新作にいつかテレビシリーズのキャラ出るんですかね??もう自分は見てないですわ。。
巧みなシナリオ:V-MaxとMJの涙
上映時間2時間25分と長いが、それでも説明を端折ってうまくやってる部分は感じられる。
今作の悪の権化であるダメージコントロール局に関して、何気ないスパイダーマンのスキャンのシーン後に劇中でスパイダーマン対策装備を用意する件があったりとか、最終盤のMJがブラックダリアのネックレスを眺めるシーンと後半のジーンのサイキックパワーで片目から涙を流すシーンがもしかしたらドクター・ストレンジの魔法を解いた?と思わせる演出も深いなぁと思いました。その涙の意味が、中盤でMJがピーターに言い放った言葉との自己の矛盾による葛藤の涙かもと思うと震えますわ。
パニッシャーってこんなキャラだっけと思ったけど終盤の2人の会話でピーターに希望を見出す展開とかすごく良かったし、トニー・スタークのお気に入りだっただけあってと思う普通の人じゃできない勇敢さに感動したし、後進を育てられる存在って感じ、ミョルニルも持てるのでは?
あと物語の重要な要素であるV-Maxの正体が判明する点も、納得できるし、「その文字列なのね」と膝を打った。それを一瞬で描くとこもうまかったし、ある種のホラー要素ではあるものの、その怒りがジーンを覚醒させるのも含めて巧みだなぁと思った。
やや意味深:青年期のメタファー
今作が個人的に鼻についたのが、ピーターが体内から糸を射出できるようになった点。
それを初めて行った際にウェー気持ち悪いって、そうなるのわかるが、これ少年から青年になる精通のメタファーかなぁって思っちゃった。
夜中勝手に糸出しまくって服脱いで移動しちゃうのも夢精のメタファーだったり、作品としても前の3作が高校時代で、今作が社会人って感じだし、そういうメタ的な男性の変化を扱っててちょっと大量のウェブをスローモーションで飛ばすシーンは気持ち悪さもあるなぁって思ってしまった。
『Marvel’s Spider-Man 2』後の実写映画
個人的には神アクションゲーの『Marvel’s Spider-Man 2』ですが、その演出は映画並みに凄まじいです。
その演出も一部取り入れてましたね。力を暴走させるシーンの空からの糸を利用した地面へのキックなどはまさにそれかな?
映画のアクションのキレの良さもゲームの動きをトレースさせたりしている印象も受けたし、いいものを採用してよりいいものにしたような?
過去作よりもウェブスイングのアクロバットさも高まったと思うし、『シャン・チー』での経験が絶対生きた高純度なアクションだったのかな?と思う。
SCREENX初鑑賞:なるべく後ろで見ろ!
今回は史上初の「Shot for SCREENX」作品ということで、一度も体験したことのなかったSCREENXで鑑賞しました。
私、SCREENXのことを勘違いしていて、正面にスクリーンが3つあり、左右はやや角度のついた台形状のスクリーンになるのかな?と勝手に思っていたのですが、正面スクリーンに加えて左右の壁にも映像が投影されるだけでした。
一応中段後方ぐらいで見たんですけど、SCREENXが発動したら画面全部見渡せない。超画面がでかいIMAXを比較的前方で見たときの、包まれてる感覚に近い体験かな。
しかも冒頭からSCREENXが発動して、全体の7割ぐらいはSCREENXが発動してたと思う。何気ない屋内の会話以外はほぼSCREENX。画角サイズとかはよくわからなくて、ニューヨークの背景が右と左の壁に照らされて臨場感がある感じ。でも人物についてはほぼ中央に収まってて中央だけ見るとスマートフォンで映画見てるような変な感覚もある。
SCREENXは正面の映像が白くぼやけて見えた
またがっつり右と左の天井にプロジェクターがぶら下がってそっから映像出てます感あるので、妙にしょぼい。
一番後ろで見ればよりしっかり巨大映像を楽しめたと思うけども中段後方ぐらいだとやや見づらいかなぁと思った。
次回以降は行かなくてもいいかなぁと。でもSCREENXと4DXを組み合わせたULTRA 4DX版もあるので、今後別の映画で一度くらいは味わっておこうかなぁって思ったり。
hisSCORE
・脚本のユニークさ、濃さ、テーマ性 8.4/10
・映像のアプローチ 8.5/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 8.4/10
・音楽 8.8/10
・上映時間と個人的趣味 8.6/10
85点
まとめ
2026年ベスト級に面白かったし、MCU面白いじゃん!と思ったわけですが、いやでもスパイダーマンの物語だったのか?と腑に落ちないところもあったりして複雑でした。
またチグハグな点もあるにはあって、ジーンのキャラクター描写など、一般人をかなり酷い目に遭わせたり、1人の老人を交通事故に遭わせて殺したかもしれない点とかの腑に落ちなさもあったり、トラメル・ティルマンが相変わらず最高だったりするけど、最後の感じがなんか不穏で中途半端。
なんだかんだ監督はアクションもいけるけど、もともとドラマ映画出身なので、その辺りもうまかった。『シャン・チー』では実感できなかった監督の良さがあったと思う。
またトム・ホランド、ゼンデイヤ、ジェイコブ・バタロンの3人が共演する展開が何よりも最高だしメイおばさんが最高過ぎて泣いちゃったりしたし、見たいものもしっかりあったと思う。
特にネッドの部屋で帝国の逆襲が流れてるの最高でした。これソニー・ピクチャーズ映画じゃねぇのかよ!!笑
ラストのネッドのタッチの件、解釈は色々あるけど最高でした。肉体に記憶は宿るからの親友だったことの対話があってもいいじゃないですか。新しい友情の始まりでもいいじゃないですか。その後のニューヨーカーたちのちょっとした豊かな時間の切り取り映像もとても良かったです。子供っぽさからの脱却と大人の日常の始まりを感じました。でもピーター!お前お金どうしてんだ!スパイダーマン専属のカメラマンなんか??
エンドロール後の映像は個人的には『シークレット・ウォーズ』への布石かな?って思ってます。
ネタバレ あらすじ
最後に:ご訪問ありがとうございます
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