シリアスマン 2011年度4本目

「コーエン兄弟といえば、こういう意地悪な映画に限る!!」

$A Little his REDEMPTION.~season Ⅵ~-シリアスマン

アメリカ2009年アメリカ制作アメリカ
監督
ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
(トゥルー・グリット)
予告

メガネSTORYメガネ
1967年アメリカの中西部が舞台のユダヤ人一家の物語。
中年の大学教授のラリーは平凡な男だ。
特に悩みも無く、当面の課題は、大学の終身雇用の判断結果ぐらいだった。
だがそんな彼の前に、数多の試練が訪れる。
どうにもこうにも特に悪い事もせずに生きていた彼なのだが、何故こんな不幸がいっぱい起きるのかさっぱりながら、不条理な事態にほとほと困り果て、挙げ句にうなされるラリー。
この事態の打開策としてラリーは地元のユダヤ教のコミニティーの指導者であるラビに乞うことにしたのだが…。
2011年4月4日鑑賞
メガネ感想メガネ
今から考えると2年前のコーエン兄弟の映画がようやく日本公開。実際09年のアカデミー賞にノミネートするぐらいの出来の映画なのだが、アバターやら、ハート・ロッカーの話題に埋もれてしまっていて、挙げ句にヒット・チャートにも入らなかったりとしたので、とことん影の薄い、しかも無名の俳優ばかりが揃った、挙げ句にユダヤ人のブラック・コメディという日本では遠い世界のお話だけども、日本で劇場公開してくれたのです!!滑り込みで見たという感じですが、正直クソ面白かったです。
てか、簡単にコーエン兄弟について書くけど、この映画、アカデミー賞にコメディなのに作品賞として入っているという衝撃、脚本賞にもね。しかも翌年もトゥルー・グリットで作品賞にノミネート、この映画の2年前には、凶作のノーカントリーでアカデミー賞を受賞したわけで、この時期のコーエン兄弟のパワーは最大値まで達していたと思うし、その時期の一本として本作は話題にしないこと自体が問題だとも思える。しかもノーカントリーとこの映画の間には、豪華スターを共演させた緩いブラック・コメディの「バーン・アフター・リーディング」でガス抜きもしていたりと凄いよねコーエン兄弟。
コーエン兄弟の作品は数々見てきたけど、全作見てから、好きな映画監督としようと思います。それぐらい敬意を払いたい。
とりあえず、本作はコーエン兄弟のオリジナルの脚本となってますが、これがまた不条理でブラックでとても面白い。
誠実で真面目な男、つまりシリアスマンが、ひたすら困難にあってボロボロになるというドS映画ですが、その妙なリアルな出来事の数々と無さそうでありそうな人間描写や状況の作り方がとても凄く、脚本の出来がとても、とても良いです。むしろ天才です。
ですが本作は、ある話によると、「ヨブ記」という旧約聖書に納められている書物ととても酷似していて、むしろ「現代のヨブ記」とも呼べる程らしいです。
そのヨブ記というのが簡単に言うと、ヨブという誠実な男を神様が試すお話で、神様自身が彼をとことん不幸にして何もかも奪っても、彼が誠実であるか?という神様が彼の信仰心を試したお話で、最終的に彼の誠実さに神様は驚嘆するというわけですが、本作はそれをブラックユーモアたっぷりの現代的要素で主人公のラリーを試すというわけです。
特に作品のオチがまたそれを知らないと理解不能に陥る可能性もありますね。
あと30分ある!!と思ったらいきなりエンディングが突入!!ノーカントリーを彷彿させましたが、流石に度肝を抜かれた!!
特に終盤はやや意味不明な展開と、ブラックな展開にどんどん飲み込まれた中のそのラストシーンなので、まぁー後々理解は出来ましたが、『とことんドS』な映画だったなぁーと感嘆しました。
脚本もさることながら、撮影部分の評価も忘れては行けません。
監督自身の思い入れの強い、自分のルーツを描いたとも言える作品なので、ビジュアルのイメージの明確さも逸脱で、個人的には主人公たちが住む住宅地の映像は痺れました。
あの緑の芝生と真っ白な家の数々、まるで核実験で滅びてしまった町のような、その町自体が、いつか滅びることを予期させるような感覚を自分は感じられました。(ちなみに「インディー・ジョーンズ4」で似たような町が冒頭に核実験に巻き込まれる。)
全体的に印象強い映画でした。役者陣のキャラの濃さも逸脱です。演じる俳優さんは、監督の意図で無名ながら実力者を揃えていて、主役の方は大部名演をしたと思います。
長男も凄い味があって良かったし。
とりあえず全編インパクトがあって面白かった!!
メモ得点メモ
9
もっと多くの劇場でやって欲しい秀作。結構個人的には色んな人に勧めたい。また冒頭にプロローグのような物語があるが、それが全く作品に無関係というのがマジで謎。
関係あると明記してもあったけど、コーエン兄弟は関係ないと言ってた。
コーエン兄弟の映画はもっと注目すべきですね。

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