2013年101本目 8月23日IMAX3D鑑賞
あらすじはこちらから
思えば、『G.I.ジョー』と同時期に日本で公開された『スタートレック』その続編が同じく2013年に公開!!
例えば、『G.I.ジョーバック2リベンジ』がアメリカ大不況の影響により、大作映画を作る資金が集まるのに難航し、より酷く、主役交代までしたボンクラゴミ映画に成り果てたわけだが、一作目が同時期に公開されて、また続編と同時期に公開したこの『スタートレック イントゥ・ダークネス』はどうかというと不況をもろともせず前作よりも制作費を高騰させて、超本気で作り、映画という夢と希望の大スペクタルを辛い現代に再度教えてくれた!!
今年No.1の夏映画としての出来は手堅い!
ダークホースだった『パシフィック・リム』が多くの人を掴んで離さない現実はあるものの映画のドラマ性とエンタメ性、夢物語としてのポジションは『スタートレック イントゥ・ダークネス』が手堅かったと思う。
J・Jエイブラムス監督4作目!!
石油堀師が地球を救うという『グレンラガン』もびっくりなSF超感動大作『アルマゲドン』を脚本した伝説の男J・J・エイブラムス。
彼はそれ以降、アメリカのテレビ畑でブイブイ言わせ、ロストなどのSF感動人間ドラマを多く製作し、スピルバーグも一目置くムービーメーカーになってしまった男エイブラムス。
彼は、結果的には映画系の一家の息子でありエリートではあるが、そこそこの映画オタクの部類の人間であり、エドガー・ライトなどとは、ちょっとオタクとしての質は違うが、映画に対しての敬意は人一倍。
そんな彼の監督4作目は、以前監督した『スタートレック』の続編『イントゥダークネス』ってわけさ!!
その前には『スーパー8』を監督していました!!
ついに『スタートレック』シリーズの人気キャラがやってくる
『スタートレック』は往年の人気SFテレビドラマで『スターウォーズ』とはライバル関係にあり、そのファンたちは頻繁に対立しているようだ。(予想と希望)
その『スタートレック』の人気キャラクターである悪役の超人カーンがついに本作で姿を表す。
そのカーンを演じるのは、(憶測だが)ゲイリー・オールドマン主演の渋いスパイの陰謀イギリス映画『裏切りのサーカス』で、ゲイリー・オールドマンの右腕であり、ぎりぎりの綱渡りを要求させられるゲイを好演したベネディクト・カンバーバッジ。
それ以上にイギリスの人気海外ドラマで『シャーロック・ホームズ』を現代に置き換えた『シャーロック』のホームズを演じ、1話90分でシーズン2含めて今のところ合計6話までできており、シーズン3の製作も決定しており、イギリス、日本で大ヒットし、しかも非常に面白いし、カンバーバッジの演じるホームズのトリッキーな天才ぶりが非常に見応えある。
是非見てほしい作品だ。
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(相棒のワトソンは『ホビット』のビルボだよ。)
そのカンバーバッジさんが今作で人気キャラ超人カーンを演じる。
カーンもまた非常に頭がよく、危険な存在で連邦軍を危機に陥れる。
まるで『シャーロック』VS『スタートレック』
前作で結束が固まった『スタートレック』のエンタープライズ号の乗組員たち。
メインキャラであるカークとスポックを窮地に陥れるホームズというかカーン。
それだけでも十分魅力的だと北米映画マニアの俺は思うのだよ。
カーンが超人ならこっちは友情とがむしゃらで挑む!!
カーンがホームズばりの頭脳とスーパーマンばりの肉体と、ジェットリーばりのアクションをするなら、凡人のカークが対抗できることは、持ち前の猪突猛進な行動力と勘と内面の正しいと思うことをする心だ!!そしてそれを支えるスポックの冷静な判断力と頭脳!!
映画のドラマは非常に高い。
見所はやっぱりベネディクトさんの陰謀!!
怒りに燃え暗躍するベネディクトさんの計画の悪質ぶりはやばいですね。それに立ち向かうカークも非常によかった。
近年流行のバディ映画ものとしてもおすすめ!
やはりエリートクリエイターのエイブラムスさんは、近年のコメディ映画の流行の男同士の友情ものを俄然フューチャー。
オリジナルのドラマではしょっちゅう差別されていたスポックも本作では、死の恐怖を覚え、感情を塞ぎがちだが、それでもうちなる熱情をカークに向けて、終盤ではそのバディぶりが冴え渡り、感動させてくれる。
カークこそ男の中の男。
正直こんなにカークが魅力的だったとは思わなかった。
もともとはそこそこの落ちこぼれのカーク。
でも彼はどうしようもできない状態でも何かしなきゃ、自分の正しいと思うことを行動しなきゃ気が済まない。それが自分の命に関わることでも、今よりよりよい状態にするためなら厭わない。
そんなカークの行動力と決断力が非常に魅力的でしたわ。しかも彼が結局は感情を押さえきれなかったり間違ったこと問題になることをやってしまう不完全な人間であるのも魅力的。どこか身近なとこがまた良いんですよ。こういう人間になりたい。
また時折スポックに言う「お前もこうしただろ?」というのが完全にホモへの愛情表現なのがすごく萌える。
エイブラムスの鉄板映画。
その表現がぴったりな本作。
脇役たちも十分に活躍し、特にサイモン・ペッグが終盤では大活躍。サイモン・ペッグのこと知っている人ってどんだけいるんだろうか?
陰謀ものとしてもそこそこ面白く、超人カーンのおかげで肉弾アクションやスリリングな部分がいっぱいある。
SFものとしても非常に面白い映像作りがされている。エンタープライズ号の多様な人種の数々も見てて面白い。緩くて笑える部分も盛りだくさん。
ただ日本でのキャッチコピーの「人類の弱点は愛だ」は的外れで、それを念頭にいれてみると普通の上質な娯楽大作に仕上がっているので、がっかりする可能性は非常に高いので注意。
もっとそういう人間ドラマをカーンが念頭にいれていると盛り上がったのだと思うのだけどもね。
タイトルのわりに全然ダークじゃないです。原題も個人的には「陰謀の中へ」みたいな感じではないかと思います。
オタク愛は足りてない?!
本作は非常に細やかなファンサービスがされているのだが、それが気づくのが難しいと思う。
しかもかなりディープなもので、シリーズファンの中のディープなファンしかわからないような…。
そのテクニックは、他のオタク監督に比べるとちょっと愛不祖kうなんじゃないかな?とおれは思う。やっぱ根本的にエリート家系の血を引いているエイブラムスの、どっか知能指数の高さが出てしまう、ある種の弱点のような…。そういう愛情を感じさせてくれるのは『パシフィック・リム』のデルトロとかなんだよね。
カメラワークが最高!!IMAXも際立っている!!
フッテージ映像を見たときから本作のカメラワークが最高だったなーと思っていたけども、やっぱり最高なカメラワークだった。
そこは映画家系の血をひいているだけあって、すばらしい。人を走らせるエイブラムスの映像の気持ちよさは異常。
IMAXカメラも非常に多様されており、IMAXで見てとても気持ちよかった。
最高だったよIMAX。
また前作で気になったライティングの意図的なちらつきも抑えられており、会話劇もアクションも最高の映像だった。
本当に鉄板映画だわー。
スポックもいい感じにキモかったね。
パンフによる補足だと、ザッカリー・クイントはスポックを作るのにいろいろ考えたらしい。
IMAXカメラの撮影は大変らしい。
これもパンフからの抜粋ですが…。
IMAXカメラでの撮影は非常に大変のようです。
撮影の時は、音がうるさいし、重いし、カメラを動かすスピードも重い。
容量も限られており、なぜか毎日故障するようだ。
でも解像度が8倍になるから、より通常の映画に比べて大画面で見ると非常に綺麗にブロックノイズが発生せずに見れるわけで、超巨大スクリーンでの上映ですばらしい体験ができるわけです。
(でも日本では既存のスクリーンをIMAXように改装したスクリーンしか存在していないという噂なので、本場のIMAXが見たかったら海外に行かないと無理です。新設のシアターがIMAXを導入すれば、新たな可能性もありますが…。)
またIMAXは水平に撮るより垂直に撮る方が効能が高いようです。うほー。本場のIMAX感じてー!!
3Dは2Dからのコンバート。
正直3Dがどうとか2Dがどうとか、一時期に比べ気にならなくなってしまった。そりゃあー3Dじゃないほうが疲れない。
好きなシーンをピックアップ
カーン無双が最高でした。
カーンがクリンゴン人を一騎当千するのはやばかった。ハリウッド・フーというカメラ映えするアクションで敵をぼこぼこにするホームズには燃えた。特に片手に銃、もう一つはキャノンという構成が非常に燃えた。そういう無茶なのに道理を通す豪快さが映画において一番燃えます。
ゲームの1シーンのような宇宙空間滑走!
めっちゃゲームみたいだったけど、迫力やばかった。
最近の映画の一番の敵はHD映像で作られたテレビゲーム。ハリウッドスケールのゲームをプレイヤーが追体験し、自由に動かせるんだから、映画の勝ち目は薄くなり始めている。
それに負けないような興奮できるシークエンスを作るのは、正直現代の不況ぶりを考えると非常に難しい。でもこれはそれを超えた。最高だったぜまったく
ベネディクト・カンバーバッジがトカゲ顔
これはもう映画全体というか悪役であることが良いみたいな。だってバッジさんってトカゲ顔でめっちゃ宇宙系の悪役してません?はまってたわ。
カークがかなりよかった。
カークががんばるシーン全部見所です。(え?)
パンフがよくできているのでおすすめですよ。
コネタ集が終盤にあったり多くのインタビューを扱ってます。おすすめです。
『スタートレック』の予習は必要か?
映画だけで12本あるらしい『スタートレック』シリーズ。
本編は海外ドラマで長寿だったわけで、予習するだけで1年はかかるんじゃないか?
というわけでおれはしてません。
また本作を見てパンフを見てわかることは、『スタートレック』と本作『イントゥダークネス』でスタートレックの初代ドラマ版『宇宙大作戦』のパラレルワールドにつづくというわけ。
つまりこの二作はスタートレックビギンズだったわけですよ。
だからとりあえず1作目は見た方が良いけども、それ以外は見なくてもまぁー良いかもしれない。
ただ鑑賞直後にファンの方が大声で「あの台詞は、違う人が言うんだよ本来」などと言っていたので、多分映画版『カーンの逆襲』のオマージュが多数あるようなので、それは見た方が良いかも?
ただあんまりレンタル店に出回っていないかな?古いし需要も怪しいから…。
『スター・ウォーズ』の新作の布石はここにある?
新しい『スター・ウォーズ』の監督に決まったエイブラムス。
同じ宇宙SF冒険譚である『スタートレック』と『スター・ウォーズ』、映画としての共通点が多い。
その『スター・ウォーズ』への布石をこの『イントゥダークネス』では絶対あるはずであり、その予習として見る価値は十分にある。
『イントゥダークネス』では『スター・ウォーズ』らしい怪物宇宙人がいっぱいいたよ。あんまり登場しなかったけども。
個人的な採点
88点
面白かったです。ちょっと物語が普通だったくらいしか不満な点はない。
エイブラムスの今後の映画作りが非常に楽しみです。(バッドロボット製作の映画全ても)
最後にツィッターからの抜粋。
もうあれや。スタトレイントゥザダークネスは、映画でした。くそみたいな現実を忘れさせてくれるここではないどこかへ連れてってくれる最高の映画だぁぁぁ!!
おれ気がつかなかったけど、ずっとタイトル間違えてた。イントゥザダークネスじゃなくてイントゥダークネスだった。
おれ一番心震えたのは、エンジンコアから救ったカークの死体の側にいたロボットのデザインが好み過ぎてやばかった。イントゥダークネス!!
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