◎【80点】機動戦士ガンダムNT【映画感想】

製作

2018年日本映画

脚本
福井晴敏
機動戦士ガンダムUC
・宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち

あらすじ

宇宙世紀元年に作られた宇宙世紀憲章。
そこにはある一文がなかった。
「近い将来宇宙に進出し、適応した新人類(ニュータイプ)が発生が認められたとき、その者達を優先的に政府運営に参画させることとする。」
その一文が載った本物の宇宙世紀憲章を持つ軍事複合体アナハイムエレクトロニクスのと懇意の中にあるビスト財団の党首カーディアス・ビストは、
宇宙世紀0096年に元年に起きたテロ攻撃の最中にサイアム・ビストが見つけた宇宙世紀憲章をサイアムの意思で、宇宙に住む人々の一部が独立をしようとして戦争を仕掛けたジオンの正統な後継者であるミネバへの譲渡を考えるが、それを察知した連邦軍は独立部隊ロンド・ベルを差し向け、ミネバを庇護するネオ・ジオン残党軍の袖付きと激突。
シャアの再来と呼ばれた袖付きの中心人物であるフル・フロンタルの目論見、そしてカーディアス・ビストが生み出した多量のサイコフレームを搭載したユニコーンガンダムとその搭乗者で民間人でありカーディアスの妾の子であるバナージ・リンクスの奮闘により、
この宇宙世紀憲章の一文をミネバは世界に公開、宇宙に住む人々こそ真のニュータイプになる可能性があり、重宝されるべきだというジオンやシャア・アズナブルの考えがある種正しかったことになる。
しかしこのラプラス事変が起きても世界は変わらず、地球の権利は宇宙の権利よりも以前高かった。

宇宙世紀0087年。
ジオン公国との戦争そして、ジオン公国の残党たちの大規模な核攻撃の結果
地球連邦軍の一部の武闘派は増長しジオン残党と宇宙に住む人々に圧政しをし、そのエリートたちはティターンズとして別組織へと発展。
それを危惧した地球連邦軍の反ティターンズ派は反地球連邦軍エゥーゴを組織し、両者は激突。
その激突の中、軍事産業商社でエウーゴを支援したルオ商会がいた。

宇宙世紀0097年。
ルオ商会のルオの次女であり養子であるミシェルは瀕死で冷凍保存されているルオ商会会長のルオ・ウーミンを救う為、
ラプラス事変でサイコフレームの力で兵器とは違う超常現象で時間を操ったユニコーンガンダムの3号機で、宇宙世紀0095年に試験テスト中に暴走し行方不明になったフェネクスが、再度出現したことを契機に、父を救うべくにフェネクスガンダムを捕まえる計画を立てる。
そこには、幼馴染であるヨナ・バシュタもおり、2人は奇蹟の子供たちとして宇宙世紀0079年のコロニー落としを予知し、
人々を救ったと言われていたが、その後ティターンズのニュータイプ研究所に引き取られ、人体実験などをされた過去があり、
バラバラになった2人だったがミシェルの力で2人は再会した。

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しかしその奇蹟の子供達は3人だった、その1人であるリタ・ベルナルこそがコロニー落としを予見し、真のニュータイプだったのだ。
しかしリタはその力のせいでフェネクスガンダムのテストパイロットになってしまい、暴走とともに生死不明の行方不明になってしまった。

ヨナはリタを昔から好きだった。
しかしニュータイプ研究所で三人はバラバラになった。
そしてミシェルの計画により、地球連邦軍はフェネクスを捕獲する不死鳥狩り計画での特殊部隊と協力し、ヨナは試験テスト機を改造したナラティブガンダムを駆りフェネクス捕獲しようとするが、
フェネクスのサイコフレームに触れたヨナは、リタとミシェルとのニュータイプ研究所での辛い日々をリフレインし、あと少しで捕獲成功という瀬戸際で作戦を強制的に中断する。

取り逃がしたフェネクスだが、ミシェルたちルオ商会の技術により宇宙の人々が暮らすコロニーの一つに潜んでいることが発覚。
そこに向かうヨナと仲間たちだったが、そこにはジオン共和国の政治家ミシェル・モナハンの生み出したフル・フロンタルの出来損ないで、第二のシャアにすることに失敗したゾルタン・アッカネン率いる特殊部隊がフル・フロンタルが設計した最強のマシーンであるネオ・ジオング2号機とともにフェネクスを狙いやってきていたのだった。

一般のコロニーで合間見えるヨナとゾルタン。
ゾルタンはコロニーの被害を垣間見ず容赦無く引き金を引き戦いの火蓋を落とす。

そしてそこにフェネクスが現れるのだが、ミシェルはフェネクスを捕まえるためにナラティブガンダムに特殊な仕掛けを施しており、
結果ナラティブガンダムは暴走してしまうのだが、フェネクスことリタと共振することで、暴走は止まる。
そしてフェネクスことリタはヨナにあるお願いをするのだった。

2018年11月30日劇場鑑賞2018年120本目
2018年12月8日劇場鑑賞2018年122本目



イントロダクション

OVAシリーズ『機動戦ガンダムUC』から1年後の宇宙世紀が描かれる!

福井晴敏の原作小説の映像化作品であり、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の正統な続編にたり、現実のガンダムというコンテンツの新しい方向性を生み出すほどに大成功した『機動戦士ガンダムUC』。
そして2018年ガンダム40周年を封切りに新プロジェクトして、『機動戦ガンダムUC』から『機動戦士ガンダムF91』の空白期間である宇宙世紀の30年間、そして『機動戦士ガンダムF91』から『機動戦士Vガンダム』の空白の30年間を映像化作品やゲーム、漫画で埋めるプロジェクトの第1作として、
『機動戦士ガンダムUC』の1年後を舞台にもともとスピンオフ小説として描かれたフェネクスガンダムの暴走や、シナンジュ・スタインの強奪事件などの要素をまとめた『機動戦ガンダムNT』が劇場作品として誕生。
原作は『機動戦士ガンダムUC』と同様に福井晴敏が描く。

大胆にもタイトルにガンダムの終盤の重大な要素であるニュータイプのロゴを用いてナラティブとした1作!

本作を語る上では、切っても切れないのがニュータイプというキーワード。
1作目の『機動戦士ガンダム』の終盤に登場し、戦士として覚醒する主人公とライバルはニュータイプ化し、撃墜王にふさわしい、敵の攻撃を予測したかのように攻撃をかわし、そして敵の移動位置を予測し、撃墜していく。
戦士として覚醒した結果、超能力者のように無意識に未来を予知し、人ではない何かの意思と交流をするような、そんな覚醒者として、
そして無意識に敵のニュータイプと交信してしまうような、本来なら宇宙へと人が移住し、宇宙環境という音もない厳しい環境で『誤解なくわかりあえる人』という意味にあたるわけだが、『ガンダム』作品においては、終盤になると出てくるキーワードであり、撃墜王として覚醒したキャラクターを指すようになり、またその撃墜王を意図的に作り上げて情緒不安定で人格異常をもった強化人間の登場など、あくまでも優れた人間の果てとしての要素が強くなってきた。
そして『ガンダムUC』にも終盤にかけてニュータイプの要素は色濃く描かれていき、
また作中のユニコーンガンダムがサイコフレームというニュータイプ能力をより強化するような超現象を起こせる素材を最大に使ったロボットであり、
そのニュータイプとしての能力の覚醒はこれまでのガンダム作品の中で最大であり、『ガンダムUC』の終盤では敵味方ともにサイコフレームとニュータイプの力が一気に大風呂敷を広げ、見ている人を置いてけぼりにするようなロボットアニメのカタルシスを描かずに、超能力者対決ような変な作品になってしまった点は問題だったなって思う。

そのニュータイプというタイトルとも言えるNTを本作のタイトルにし、
ニュータイプと同意語である奇蹟の子供達と呼ばれた三人を主人公に起き、ニュータイプという呪われた言葉に縛られ、人生をめちゃめちゃにされ離れ離れになった三人が再度再会し、葛藤し、強大な敵と立ち向かう、ニュータイプだった少女と、少女を好きだった少年と、その少年を好きだった少女が戦争とニュータイプという呪いに縛られ絡み絡み合って、不幸のどん底に落ちたそういう悲劇の話だ。

富野ガンダムの正統続編を生み出す福井晴敏さん

福井晴敏さんのすごいところは、『機動戦士ガンダム』という富野さんが作った設定や物語を隅々まで研究し、その要素を次なる金脈に変える力を持っている。
今作でもガンダム2作目の『機動戦士Zガンダム』で登場したルオ商会をフューチャーし、そこで出てきたニュータイプ研究所というキーワードを見事にフューチャーし、前作の要素を地続きで、続編というか後日談を作成。
ニュータイプという主人公が戦士として覚醒した代名詞だったものをより深く考察し、SF小説じみた深い設定へとよりロジックを詰めて、
「進化」や「魂だけの存在」など富野ガンダムがアニメの都合で描き切ることができなかった部分を細かく補足し、
また正統な宇宙世紀作品として、これまでガンダムを愛した人々が納得できるガンダムを生み出したのだから本当にすごい。
言ってしまえば2次創作のようなものなのに、読み解き方が尋常じゃなさすぎるんだよな。

感想

『機動戦士ガンダムUC/episode 7 虹の彼方に』でフラストレーションが溜まった人の為に。

『機動戦士ガンダムUC』の完全なエピローグ

まず本作を見て思ったのが、これ。
完全新作とか行ってるけど、まず登場する要素が完全に『ガンダムUC』の設定だらけ。
主役こそ違うけど、出てくるのはユニコーンガンダムの兄弟機である3号機のフェネクスガンダム、しかも既にバンダイの運営するガンダムのフラグシップショップのお台場での映像や小説には登場済み。
そして敵となるシナンジュ・スタインも既にゲームに登場済み、さらには大ボスとなるⅡネオ・ジオングもネオ・ジオングの色違いという、
なかなかの手抜き、
それだけにとどまらず、新デザインの主役機であるナラティブガンダムに関しては、最終的に偽ユニコーンガンダムへと換装という衝撃の展開。
なんという手抜きというかローコストでのガンダム製作なんだ!!と商業的なテクに感動こそするが、
いいのか?と思うが、その疑念も本作の展開を見て納得。

ネオ・ジオング大暴れ!!

今作の悪役とも言えるゾルタンさんが、シャアの出来損ないで非常にかわいそうな設定ですが、非常に悪いやつ。
生まれてきたこと自己への世界への憎悪で全てを破壊しようとネオ・ジオングを駆って連邦軍を攻撃。

この大暴れ具合が、最終兵器であるネオ・ジオングの力をふんだんに使った描写の数々。
『機動戦士ガンダムUC/episode 7 虹の彼方に』では描けなかった最強の力の数々を披露。
むしろ『機動戦士ガンダムUC/episode 7 虹の彼方に』で期待していたロボットアニメとしてのカタルシス、話を描き広げすぎた風呂敷を畳む為に、
なんだかよくわかんないうちに壊れたネオ・ジオングのフラストレーションを本作が解決。

『機動戦士ガンダムUC/episode 7 虹の彼方に』ユニコーンガンダムの進化の秘密も描く!

駆け足過ぎて、置いてけぼりにされた人もいたと思う『機動戦士ガンダムUC/episode 7 虹の彼方に』のニュータイプ要素。
本作はそこに焦点を置きまくり。
ユニコーンガンダムが終盤に使ってゼネラル・レビルのジェガンたちをふわっと倒したあの技!
実は、対象の時間を戻してしまうというスタンド能力だった!!
ガンダムでよく出てくる「刻」というキーワードを力として使っていたわけです。

そしてバナージが最終盤どうなりそうだったのか?ニュータイプってなんなのか?マリーダはどこに行ったのか?
その事象についても中心に描かれ、リタという少女がニュータイプとして覚醒し、ガンダムフェネクスのサイコフレームと一体になって、
空を舞うわけです。

そのニュータイプの瀬戸際の三人の悲劇を通して、ガンダムUCの登場人物が出てくるわけです。

そしてニュータイプ的要素をさらっとロジックとして詰めたので、超常現象もやりたい放題使いたい放題で、撃墜王とは違う、進化した人類としての
ガンダムのスーパーパワーを劇中で使いまくり、そういったガンダムとしてのカタルシスを本作はうまーく描き、『ガンダムUC』のエピローグとして、
後日談としてそして前作で求められていた最終盤のロボットアニメとしてのカタルシスが大炸裂した。
『ガンダムUC』を見てた人のための1本であり、より『ガンダムUC』の評価を高めたそういう一作になった。
決して出がらしでお茶を入れた薄味のようなものではない。
すごい。

キャラの作画が酷い!!

これね。本当にやばい。
ガンダムなどのMSはすごくいいんだよ。
でもね。
キャラの作画本当にやばい。
1回目はそんな気にならなかったけど、2回目の鑑賞は顔のバランスがカットが変わるたびに変わってくる。
目の大きさや顔の大きさ、表情も違う。
特にひどかったのがミシェル。
そもそもそこまで美人系のキャラでもなくて、気も強くて、いろいろ自分で抱えて、本心を人にはあまり言わない、かなり不遇で、かわいそうな立ち回りでありながら今回の不死鳥狩り作戦の発起人であり、一番悪い奴でもある好感度最悪なキャラだけど、作画まで最悪にしないでもいいじゃないか。
シーンごとにブス具合が半端なくて、これはびっくりした。
海外発注とかがいけなかったのか?それとも短納期でガンダムを作ったのか、すっごく気になった。
これは本作のソフト化に際して修正されたら嬉しいけどまずないと思うから、ソフトを買わないって人もいるのかな?って思った。
それぐらい酷い。

ナラティブガンダムカッコいい

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序盤からA装備で大型ブースターやらビーム砲、

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捕獲用の特殊装置など詰め込みまくったわけですが、それを使いまくった挙句、

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実は中にユニコーンガンダム同様にニュータイプデストロイがあり、それが発動。
さらには、暴走などもあり、エヴァンゲリオンなどを彷彿させるような凶々しい姿がガンダムで絵がかれ、ガンオタとしては感動。
最後には、偽ユニコーンガンダム化して『ガンダムUC』の最終盤のフラストレーションを解決。
さらには、実は内部に収納されてたコアファイターの進化系を披露など、ギミックとしてはすっごく魅力的!!
さらにはフェネクスガンダムも大活躍して、ネオ・ジオングとの死闘もあり、すっごくいい。

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音楽もよし!

『ガンダムUC』同様に澤野弘之さんが音楽を担当。
ナラティブガンダムが登場するシーンでは疾走感のあるEDMの『vigilante』をいろんなバージョンで本編に盛り込み、
ガンダムの登場シーンを印象付けている。
過去作の流用もありながらも確実に劇中を盛り上げている。
日本のハンス・ジマーなのでは??と思ってしまった。

リフレインし過ぎ

これは賛否両論かなと思う。
25歳のヨナは、過去のこと、リタとミシェルとニュータイプ研究所から脱走し、未来のことを話したことを常に反芻するが、
断片的であまり覚えていない。
しかし本編が進むごとにその過去は徐々に明確になっていき、最終的にその時の発言が今を物語っていた。
そのリフレインの回想の繰り返しが、賛否両論かなと。
初見としては3人の思い出が交錯して絡み合う人間ドラマとしては、効果的。
今作の流れるようなテンポのいい作風にはぴったりかなと思うけども、
2回目としてはちょっとだるいかなと。不安定な作画も相まってね。

総評

やはり小説家の福井晴敏さんの脚本だけあって、人物設定がすごくしっかりしている印象。
深い葛藤は連邦側だけじゃなくて、シャアのまがい物の失敗作のゾルタンの悲しさなども面白いなって思うし、
ガンダムNTの根本的な設定をガンダムの過去作から用いたり、過去作のMSをうまく盛り込んだり、
ガンダムUCのキャラも普通に出てきたしね。
また多様性としてゲイの方の登場だったり、一風変わったシェザール隊の人たちなどいろんな要素があったな。
キャラ作画以外はとてもよかったとおもう。マーサとかひどかったな。

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そして小説でのガンダムUCでフル・フロンタルを生み出した張本人で一番悪いやつであるジオンの政治屋のモナハンも登場。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8/10
・映像のアプローチ 7.5/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 7.5/10
・音楽 8.5/10
・上映時間と個人的趣味 8.5/10

80点

ガンダムUCシリーズ感想リンク一覧

◯機動戦士ガンダムUC/episode 1 ユニコーンの日 ◯ 66点
◯機動戦士ガンダムUC/episode 2 赤い彗星◯70点
◎機動戦士ガンダムUC/episode 3 ラプラスの亡霊◎85点
◎機動戦士ガンダムUC/episode 4 重力の井戸の底で◎88点
◎機動戦士ガンダムUC/episode 5 黒いユニコーン◎84点
◎機動戦士ガンダムUC/episode 6 宇宙と地球と◎78点
◎【81点】機動戦士ガンダムUC/episode 7 虹の彼方に 【MX4Dで見た!】◎
◎【80点】機動戦士ガンダムNT【映画感想】
【コミック】機動戦士ガンダムUC 虹にのれなかった男【感想】

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