Multiplex広告:記事は下部から

△ファーナス 訣別の朝 「現代の西部劇映画」 63点△

「アメリカの優男、復讐者へと…。」

ファーナス 訣別の朝
アメリカ2013年アメリカ映画アメリカ

閉鎖的な片田舎で生じる、行き場のない悲しみ。
怪演ばっかしてきたクリスチャン・ベールが、久しぶりに普通の男を演じる。
あらすじ紹介
田舎の製鉄所で働く、ラッセル(クリスチャン・ベール)。弟のロドニー(ケイシー・アフレック)は米軍。
父親は製鉄所で長く働いて来たことが原因で病気になってしまい死期が近い。
ロドニーは頻繁に借金をして賭博して更に借金を膨らませる。ラッセルは個人的にその借金を返済している。ラッセルには愛する彼女もいる。平凡で狭い世界で寂れた日常だがラッセルは現在の状況を満足して生きている。
しかしある日、ラッセルは交通事故を起こしてしまい、刑務所に入ってしまう。
それをきっかに、彼女とは疎遠。父親も死んでしまう。
だがラッセルは心を強く持ち、刑期を終えるのだった。
以前と変わらない面持ちで、生きるラッセル。
だがロドニーは中東への従軍を境に精神を病み始め、闘技場で八百長を協力するようになった。
もっと大きな戦いで、大金を得たいロドニー。「この街で、父親や兄のように平凡で退屈な日常で、病気になって死にたくない」そういって、ロドニーは借金している元締めのバーのオーナーにでかい戦いのある山地へと向かうのだが…。
その山地の闘技場のオーナーのデグロート(ウディ・ハレルソン)は、凶暴な男だった。
兄と弟の平行線の物語はデグロートへ結びつく。
映画の冒頭は、デグロートのいかれっぷり、から描かれ、そのまま兄弟への物語と変遷する。
結果、映画はデグロートという強大な悪との戦いの物語へとなる。
映画は、とてもシンプルだ。
まるで西部劇だ。
銃と田舎と復讐。
まさしく西部劇だ。
音楽やカメラワークで色々ごまかしているものの、物語は、とてもシンプルで、物語に驚きはない。
映像もシンプルで、フォーカスを合わせたり合わせなかったり、映画内のギミックも非常に少なく、その分人間ドラマに集中しているのだが、正直クリスチャン・ベールが演じる、優男が、徐々に何もかも失い。優男から映画的主人公へと果てていく様は、実に映画的だったが、その分あまりにも映画がシンプルなので、偶像と虚構感は高い。
そういった、俳優の存在感を感じさせるみせ方を映画全体はしており、出演したクリスチャン・ベール、ケイシー・アフレック、ウッディ・ハレルソン、ウィリアム・デフォー、サム・シェパードは、印象的だった。
だが、逆に中途半端な立ち位置のウィテカーさんやゾーイ・サルダナさん達の作り込みが弱く、ただ主人公の設定を描く存在でしかない。
全体的にキャラクターそれぞれがどっかで見たことあるようなキャラだらけで、非常にシンプル。
そこが致命的な弱点でもある。
映画自体は、非常に理解しやすく、シンプルで力強いものではあるのだが、エンタメ性として本作は平凡で、挙げ句、作家性も乏しいように思える。
キャストのファン、特に自分はクリスチャン・ベールが好きだし、ポスターで銃を持っていたので、きっと西部劇だなとか思ってみて、その通りだったのでまぁー楽しめたが、こうまで渋くまとめたので、好みは別れそうだなと思いました。
音楽は「クレイジー・ハート」に近く、非常にアコースティックギターなどの単音を利用して印象的、このブルースぶりと田舎の閉鎖感が余計に映画の雰囲気を高める。
またラストと冒頭をパール・ジャムで彩るのもにやりとさせてくれる。
そんな閉鎖的で片田舎のアメリカ人の心の変遷を描いた本作。
好みで見るなら楽しめると思う。
メモ得点メモ
物語と上映時間 6.5/10
映画の奥深さと世界観 6.5/10
キャラクターの魅力 6/10
監督の映像演出と印象的なシーン、映像を使った話の描き方 6/10
音楽 8.5/10
俺の趣味 6.1/10
63
邦題が謎。
見て後悔はしていない!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA