神様はつらいよ
★この記事をまとめるとこんな感じ★
はじめに
製作
2022年アメリカ映画
なんだかんだソーさん切ないよな
監督
タイカ・ワイティティ
・シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア
・ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル
・ジョジョ・ラビット
・マイティ・ソー バトルロイヤル
キャスト
ネタバレ あらすじ
2022年7月8日IMAX3D版鑑賞
2022年29本目
ビッグ3の帰還
アベンジャーズ創設メンバーで
お馴染みのアイアンマン、
キャプテン・アメリカ、ソー。
彼らは3作の映画を出演したが
アイアンマンとキャプテン・アメリカは
『エンドゲーム』にて死亡及び引退という
有終の美を描いて引退していった。
そんな中まさかの
ビッグ3で最強の存在の
ソーが再び銀幕に帰ってきた。
監督は前作同様に
タイカ・ワイティティ。
『エンドゲーム』ラストに
共に旅立った
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの
面々も参戦。
そしてソー2以降不在だった
ナタリー・ポートマンこと
ジェーンが再びシリーズに帰還。
まさかの女性ソーとして
ムジョルニアを振り回し
ソーと共闘し
ダブル雷神という豪華な顔ぶれ。
そしてヴィランには
アカデミー賞も受賞し
映画に登場するたび怪演が印象的で
バットマンとして高評価映画として
君臨し続けている
クリスチャン・ベール。
ゴアという呪われた堕落者として
ソーに立ちはだかるが
まさかのまさかでさらに凶悪な
アカデミー賞俳優も登場で
前作同様バトルロイヤル状態。
MCUの神って何だ?
ソーの鎧がエターナルズぽかったので
合流するのかなぁ?って思ったら
全くしなかったわけですが
それでもエターナルズを作った
セレスティアルズが普通に
登場していたので
世界観の共有はありそうだ。
彼らは宇宙そのものを作り変えられる
力を持っているということで
創造主に近い存在なのか?
そしてその下にいるのが
神というものなのか?
ソーはアスガルド人だと思ったが
彼は雷神という神様で
そして神様と人間は限りなく
遠い存在であると
映画では描かれていた。
そしてゴアは多数の神を殺し
目的としては願いを叶えることができる
永久という場所に行けば
願いが叶えられるので
神々の死を願おうとしていたという。
別次元の前に
MCUには無数の宇宙が存在し
その宇宙をセレスティアルズが創造し
そして星を犠牲にして
新たなセレスティアルズを作成している。
てっきりMCUには神なんていなくて
宇宙人=神という逸話かと思いきや
その世界の中でも格別に
強い守護者的な存在になると
神様として崇められるように
なるということなのか?
その信仰の対象になれれば
地球でも誰かしら神様として
神格化することが可能となるのか?
と最初からグダグダ考えたが
そういう細かな設定は何も考えてないのがタイカ・ワイティティの問題点なのだ
良い意味でも悪い意味でもタイカ色に染められ過ぎた作品か?
監督のフィルモグラフィーを見ると
意外にも共通していることがある。
一貫して親を失った子供がさらに過酷な状況に陥りながらも強く生きていく様をユーモアたっぷりに描いている
監督としてブレない信条を持って
物語を紡いでいくことをやめない。
主人公たるソーはまさに
タイカ監督の得意分野だった。
肉親を全て失い
母星も失い
そして相棒のハンマーも失った。
何もかも失い
心の旅を新たなた友と行い
自分とは何か人生とは何か
そして彼が行き着いた境地が
狂ったまでの悲劇を笑える
コメディアンだったのが憎い。
ソーなのか?ワイティティなのか?
悲しみを笑い飛ばせるほどの
狂ったユーモアを所持した彼を
待ち受けるのはさらなる試練だった。
それは
最愛の人の寿命
幾度と愛する人を失ったソーは
またも最愛の人を喪失する
宿命に遭遇する。
そして立ちはだかるのは
神特化武器を持つ存在だ。
しかしソーは
相棒の復活。
そしてなし得なかった
愛する人との共闘。
試練の中でもかけがえのない
瞬間を一瞬一瞬を生き抜く
ユーモアたっぷりに駆け抜ける様は
まさにタイカ監督の得意分野だ
一見すればおかしなことだらけで
破綻しているように思えるし
明確な展開のロジックは
全然描写しないで
ギャグばっかになってしまって
ついてけないところもあるが
話のまとめ方は秀逸
だが根本的に意地悪過ぎる物語であるのも事実だ!
Guns N’ Rosesの妙策
映画の序盤の戦闘シーンで
ソーの狂った戦いが幕開けと
共に流れるのは
ガンズ・アンド・ローゼスの
デビュー・アルバム
『アペタイト・フォー・ディストラクション』
の1曲目の
『ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル』
この場合のジャングルは戦場か?
戦って暴れることで
自身のアイデンティティを保つ
ソーの狂った戦い
ジャンクロード・ヴァンダムの再現という
超トンデモ展開が待ち受ける。
とガンズはアホっぽさが
あるハードロックでご機嫌なのだ。
場所を移して
ニュー・アスガルドでは
同アルバムの
『パラダイス・シティ』が流れる。
そしてゼウスのいかづちを手にして
戦いの旅に出る時は
『スウィート・チャイルド・マイン』
そして最終決戦の一幕では
別アルバムの
『ノーベンバーレイン』が流れる。
ガンズは陽気な楽曲の印象が強いが
ラブソングも秀逸で
物語の後半には
ソーとジェーンの永遠の別れが
近づき始めて
愛のテーマとして
上記2曲が流れる。
楽しい作風のタイカ節から
徐々にダークで儚い物語に
収束していく様を
ガンズ・アンド・ローゼスで
体現させてしまった。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの
ジェームズ・ガンの影響かもしれないし
タイカ監督自身
映画内の音楽には毎回力を入れてるし
今作でもわかる人にはわかる
巧みな選曲の数々だった。
意地悪とユーモアでそもそものソーの物語が台無し?
際どい話だけども
上記のタイカ監督の個性が
そもそものソーの物語を滑稽に
し過ぎてしまっている部分が強い。
感想を書く前にパンフを読めば
今作のソーの物語は
なかなか原作に忠実だった。
2012年〜2020年の
イベント内容を巧みに取り入れた
サンプリング総集編というものか。
女性ソーは女体化した
ソーではなくて
病魔に侵されてしまった
ジェーンだったし
ゴアも敵として登場。
ソーはソードブレイカーに類似した
別次元のムジョルニアで
戦いジェーンはムジョルニアを
使いこなす。
その武器もまた
砕けたムジョルニアで
その散弾銃的な使い方も
原作準拠。
原作で登場した巨大な怪獣のような
神は同じ構図で映像で再現。
原作には時空を超えた
過去と未来のソーまで
登場してしまうわけですがね。
クソ熱い展開を
巧みに脚本にしたわけだけど
それが薄まっちゃったのは
タイカ監督が
決してコミックではなく
人間ドラマ
悲劇的なコメディを得意とした
鬼才だったのかなぁと。
前作『バトルロイヤル』では
アクション性とのマッチが
抜群であったが
今作は質の高いIMAX劇場では
IMAX3Dの上映となり
3D効果の影響により明るさが半減
アクションもちらつき見づらかった。
前作での筋力特化のネタキャラの
ハルクも不在と
パワーダウンも否めず
冒頭こそガーギャラチームのおかげで
すっごく楽しい作品になっていたが
それ以降は謎の二匹の五月蝿い山羊しか
ネタキャラもおらず。
終始ジェーンとの悲恋とコメディとして
ラブコメで押し通した印象
ゲスト出演が凄まじい
どこにも出てくる
ロイケント。
はさておき。
前作でも登場した
マット・デイモンは
尺長めでしっかり参戦し
謎のモブキャラとして
君臨していた。
まさかのあの劇団のヘラ役が
メリッサ・マッカーシー。
そしてそして注目は
神様の中でも上位に君臨する
ゼウスを演じたのは
映画界でも上位に君臨する曲者の
ラッセル・クロウ。
半裸のビール腹を披露し
いかずちを駆使して謎ダンスを披露し
これまたタイカワールド炸裂。
しかし悪人ヅラも半端なくて
しっかり嫌なやつでしたが
クリヘムのイケメンパワーで
撃退していて笑った。
予告段階では明かされなかったキャストが多数いてすごかった
MCUの方向性の課題が露呈か?
単作としては
『ダーク・ワールド』に似た本作。
ソーはまた一つ物語を終えて
変化をしたのだが
MCUの大きなクロスオーバーが
『エンドゲーム』以降見据えられていない。
『エターナルズ』でのセレスティアル
『ロキ』での征服者カーン
そして
『ホワット・イフ』でのウォッチャー。
確かに重要キャラは出てきているのだが
それぞれのMCUがそのどれかの
キャラクターに収束していく気配が
全くないのであった。
『アベンジャーズ』での序盤でのロキの
派遣時のサノス軍団の軍師の1人と
思えるものが所属するボスとして
ラストに大ボスのサノスの登場。
地球をアベンジャーズを狙うという
意志のある存在が不在のまま
物語は多数の侵略者の存在や
多数の世界の秘密を開かせるばかりで
収束していく先が見えてこない。
あまりにも助走が長い
これらの点は一瞬で結べるものなのか?
それとも。。。。。
今後が不安だ。
新米の父親としてソーを推したい
映画のラストに
号泣してしまった新米お父さんのhis0809です。
沢山の宇宙的な大局の試練を乗り越えて
見ず知らずの少女を引き取ることにした
ソーさん。
彼はそれも一つの啓示としてなのか?
それとも神様としてより上位になったからか?
ゴアの娘ラブを実の娘として
新米の父親として生きる。
ソーは沢山の大切なものを失いながらも
誰かを何かを愛することをやめない。
父親として相棒として
新米ゴッドパワーを手に入れた
ラブを導いていく。
それは突如愛する人から生まれた
娘と出会い父親として
向き合うことになった自分に
妙なシンパシーを感じてしまい。
自分もソーのような
ラブ&サンダーになりたいと
思うのでした。
子供にはいつも自分や身内の
面影を探して育児のヒントを
得ようとしてしまう。
父と子とは徐々に親に
なっていくものなんだなぁと
改めて思い
成長を止めないソーの姿
というかタイカさんの巧みな
物語の落とし所に
多分ただ1人号泣するのでした。
大勝利ゴア
とそうなってくると
ゴアさん大勝利だったなぁと。
呪われた剣に精神を乗っ取られて
いたけども
最後の最後でダブルソーの力と
愛の力で本当の自分の願いを取り戻して
神殺しになる前の子を思う父の
純朴な人間に戻ることができて
本当に達成したかったことを成し遂げてた。
その辺りもまたタイカ監督っぽい
筋の通ったマッドなシナリオだなって思ったし
クリスチャン・ベールの大勝利だなって
思うのでした。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 7/10
・映像のアプローチ 7.4/10
・映画の美術面 7/10
・キャラクターの魅力 7.6/10
・音楽 7.4/10
・上映時間と個人的趣味 8/10
74点
ソーさん引退じゃないようでして
また次なる大きな戦いに
もしかしたらラブが
レディソーと一緒に参戦なのかも。
ヤングアベンジャーズも準備OKだよ。
4作目の映画化が普通に嬉しい!