「ミュージカルの延長戦」
監督
クリント・イーストウッド
フォーシーズンズを題材にしたブロードウェイミュージカルの映画化。
というわけで、クリント・イーストウッドのJ・エドガー以来の3年ぶりの監督作品。
近年の監督作品を調べても『グラン・トリノ』『インビクタス』『ヒア アフター』と近年は一貫性の無い映画の作り方をしているなぁー。
今作は、ミュージカル作品の映画化というわけで、さらにイーストウッドはこうだ!!とか言えないわけで、むしろ監督という名前貸しでもしてんじゃないの?
とか思うんだけども、スチール写真を見るとやっぱりイーストウッドらしい色味と渋い雰囲気のある彼の映画なんだよなぁー。
つうわけで、フォーシーズンズのミュージカルの映画化。
もはや、ミュージカルの映画化というわけで、隠された秘話とか、そういう物差しで映画を見ることは難しく、なんだか近いとしたら『恋するリベラーチェ』のような栄光の影の常闇みたいな、ものを想定しても実際描かれるのは、とことん音楽界を生きて駆け抜ける、フォーシーズンズというか天使の歌声を持ったフランキー・ヴァリの嘘みたいな美談。
だからこそ楽しいし、だからこそ華やか。
でもそれをフォーシーズンズのメンバーの視点からも小綺麗に描く。
これがねっくでこのメンバーの時期って結構短いらしいじゃないの?
最初からマフィアがいい感じに関わって、いい感じに温めるんだけども、それもまた舞台らしい夢のある空想なわけで、どこか普通の映画と違う、ファンタジーさがある。
それを『ミスティック・リバー』や『チェンジリング』『ミリオンダラー・ベイビー』を監督した男が描くのだから、不思議。
ミュージカル映画ということで、音楽も逸脱。
でもこれまでの映画音楽をイーストウッドが担当してたのに、ここでミュージカル映画やっちゃうのは映画オタとしてはおもしろく感じる。
キャストをブロードウェイから持ってきたんで、歌声全て素晴らしいし、監督のこだわりをひしひし感じるけども、あまりにも華やかで、それでいてミュージカルの映画化で楽しい。
でもだからこそ物語が、なんか面白くない。
作品の背景にある音楽業界の変遷にスポットも当たらず、最後の最後までフランキーヴァリたちにスポットを当てたのは、賛否両論なんだろうな。
でもこの映画はおれのような26歳の映画オタクのための映画ではないと思う。
それは隣で見てたおっさんが、フランキーヴァリの歌声に合わせて首をフリフリ、隣の老夫婦も肩を動かしていた。
そういう人のための映画だなぁーと思った。
おれがどう論じようとこの映画の魅力を自分は語ることはできなんだなぁーと思いました。
得点
物語と上映時間 7/10
映画の奥深さと世界観 7/10
キャラクターの魅力 7/10
監督の映像演出と印象的なシーン、映像を使った話の描き方 7/10
音楽 9/10
俺の趣味 7/10
71点
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