★この記事をまとめるとこんな感じ★
- 1 製作
- 2 あらすじ
- 3 感想
- 4 ストーリーラインこそは、王道なラブコメ 育った環境の違いの常軌を逸した差。 彼氏はそうでも無いが、その取り巻きとの確執。 諦めないで戦っても立ちはだかる姑、そして豪族としてのルール。 真実の愛が勝つのか?それとも仕来りが勝つのか? いわゆる王道のラブコメ、ハリウッドでも何度かあっただろうシンデレラストーリー。 日本だって火曜の22時、もしくは月曜9時に映像化されたのではないかというトレンディーな王道さ。 しかしそこにあるのは、恋愛以上の2世アメリカ人として、中国系アメリカ人としてのアイデンティティの対立というおくゆかしい題材が描かれていた。 残念映画量産機だった監督の出世作に!! 監督は、『ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー』や『G.I.ジョー バック2リベンジ』など これまでメタスコアで50点以上を出したことがない、なかなかの残念な監督。『G.I.ジョー バック2リベンジ』では赤字にも陥ってる。 そんな彼が本作では製作費に対して高い利益を上げて、批評家にもコメディ映画なのに高評価。 今後の映画監督人生を変える映画になったと言っても過言じゃないし、彼もまたアジア系アメリカ人として、本作の肝を1番理解していたとも思えるし、彼のアイデンティティがあったからこそ本作は成立したとも言える。 必見のシンガポール豪遊バカンス映画 本作は一つのプリンセスストーリー映画としての側面で見ても、 ロケ地が最高。 出てくる服が最高。 金持ちの豪遊ぶりがあり得なくて、現実逃避に最高過ぎ。 金持ちの思考がやばくて最高。 結婚式のシーンが洗練の向こう側の富と美的センスの作品化してて本当にやばい。 島とか綺麗でやばい。 などなどちょっとした息抜きにもなる見たこともない綺麗なものの数々を堪能できる映画としても 有益な映画だってことは忘れてはいけない。 バーチェラ・パーティーするのに輸送貨物船を改造して、貸切変態パーティーをしたり、 教会にバージンロードが大変なことになったり。 結婚披露宴の場所がもの凄かったり。 ラストにはあの有名なホテルの屋上のプールがすごいことになったり。 はたまた序盤から飛行機のファーストクラスという全く見たことのない光景も拝めて、半端ないし、 そこからシンガポールの屋台のうまそうなご飯も出てきて、終始見ていてホクホクする。 アジア映画見るにしても犯罪映画かカンフーしか見ない自分としては、 単純に煌びやかなアジアの観光地というのがすごく魅力的に見えた。 その視点ではハリウッドが本気でシンガポールで映画を撮ってる貴重な映画としても一見の価値のある映画。 ゴールデングローブ賞のコメディ部門にノミネート間違いなし。 まぁ作品賞はノミネートすると思うが、俳優部門で、主演女優、助演女優(2人いてやばいな)はそうだけど主演男優賞も狙えると思う。 なぜなら主演男優のヘンリー・ゴールディングは本作が映画初主演。テレビの旅番組には出ているようだが、初主演で、あの王子様っぷりである、 しかもあの綺麗な英語。イギリス育ちでイギリスとのハーフだからか凄い。 また脚色賞もあり得るのかなと。 2世アジア系アメリカ人のアイデンティティ 本作のメタファーとしては、やはりこれがあるのかなと。 どこの映画サイトやブログでも語り尽くされてる話だが、 2世俳優のレイチェルが、恋人ニックの母と価値観の違いでぶつかり合う嫁姑問題がドラマとして生きてる本作。 しかしそれ以上に、アメリカでは肌の色でアジア人と言われ、アジアに帰れば、肌の黄色いアメリカ人と言われる。 劇中ではそれを「バナナ」としてネタにしている。 自分自身のアイデンティティとはなんだ? 監督自身もそうだし、演じた俳優もぶち当たる感覚をうまく映画内で落とし込んでいる。 それが顕著に出ているのは、終盤の麻雀のシーンや友人のペイク・リンとのやり取りで顕著になる。 そこに現実の人間の葛藤が、全米でも共感を読んだだろうし、センセーショナルなものとしてなっている。 お前の母親もマーサか? そこにある嫁姑問題も2人の共通点を見つけて妥協をする『バットマンVSスーパーマン』ではなく、 私たちは愛するものを大事にするために、古い女性の価値観と現代の女性の価値観を共有しなければいけないという、 新しい価値観、つまり彼女の培った逞しさや努力の結晶である経済学的交渉を麻雀のシーンで見事に披露し、 アジア系アメリカ2世としての本質というかルーツを見つける、新たなる道を選択できることを描くのだ。 その辺りもまた本作が単純なシンデレラストーリーとは違う、第二第三の現代のコメディ映画としての次なるステップアップなのかもしれない。 ハングオーバーやジャドアパトー製作のコメディでのブロマンス映画の台頭、ブライズメイズの女性たちの苦悩を描いた女性映画の台頭、 そして『ブラック・パンサー』の黒人讃歌ともとれる内容に近い本作『クレイジー・リッチ!』は画期的で次なるアメリカコメディの1ジャンルになるのかもしれない。 音楽もいい 音楽も微妙に白人かぶれな楽曲と昭和歌謡のような中国系の歌など、やたら下品に聞こえる歌や、『地獄の黙示録』の再現など、 細やかな面白さがあるが、とりわけ終盤のコールド・プレイのイエローの大胆なカバーには驚いた。 これまで肌の色は黄色で、中身は白というネタが出たが、それがここに来て音楽でしかも1番の盛り上がりでくるのは凄いなと思った。 And everything you do, Yeah, they were all yellow. I came along, I wrote a song for you, And all the things you do, And it was called “Yellow”. So then I took my turn, Oh what a thing to have done, And it was all “Yellow.” Your skin, Oh yeah your skin and bones, Turn into something beautiful, You know, you know I love you so, You know I love you so. 君の肌、君の肌と生まれ(骨かも) 素晴らしい君の内面。 あなたはそれを知っている。 私がそれを愛しているのは知っている。 私もあなたを愛している この引用はまさしく肌は黄色で、中身は白。 2世アジア系アメリカ人である彼女を深く愛しているに異訳できるので、すっごい見事な選曲だなって思った。 まさしくこの映画というかニックはそんな彼女だから愛しているということがわかる曲を上手くチョイスしていて感動した。 あとエンドロールは、オークワフィナの曲だったのもよかった。 hisSCORE
製作
2018年アメリカ映画
監督
ジョン・M・チュウ
・G.I.ジョー バック2リベンジ
・ステップ・アップ2:ザ・ストリート
・グランド・イリュージョン 見破られたトリック
・ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー
出演
ミシェル・ヨー
・グリーン・デスティニー
・007 トゥモロー・ネバー・ダイ
オークワフィナ
・ネイバーズ2
・オーシャンズ8
ソノヤ・ミズノ
・エクス・マキナ
・ラ・ラ・ランド
・アナイアレイション -全滅領域
・マニアック
ケン・チョン
・ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い
・ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える
・トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン
・ハングオーバー!!! 最後の反省会
あらすじ
2018年アメリカのニューヨーク。
大学で経済学を教えるレイチェルは教授だ。
彼女は中国からの移民したシングルマザーの母親を持っており、父親は生まれる前に亡くなっている。
逞しく成長したレイチェルはニューヨーカーとしてキャリアもある現代的なアメリカ人女性だ。
彼女にはニックという1年以上付き合っている彼氏がいる。
彼はちょっとケチだが、レイチェルと常に意気投合している。
そんな彼が親友の結婚式でシンガポールに里帰り。
ニックはレイチェルを母親に紹介したいと思っているのだ。
しかしそんなニックの生まれはシンガポールの豪族だった。
それも皆が考える以上の最高の金持ち。中国からお金を持って何も無いシンガポールに渡り、土地を開発し、発展させ、現代のシンガポールを生み出しと言われる、生粋の金持ちで、最早貴族や王族と同格の金持ちだった。
そんなことを知らないレイチェル。ニックと付き合っていることだけでも実はニュースになる程で、ニックが帰国する頃には、
それは既に身内に知り渡っていた。
そんなレイチェルをニックの母のエレノア(ミシェル・ヨー)は強く否定する。
この家庭を維持するために、多大なる貢献をしてきたエレノアは全てを家族に捧げ、家族の発展を常に考えている。
シングルマザーの一人娘として、逞しく育ってきた彼女にはこの家族を支えることはできないと判断し、ニックの為にも拒絶する。
レイチェルは、ニックの親族が有り得ないほど金持ちであって、価値観が違いすぎることに戸惑い、また辛辣な嫌がらせにもあうが、
元来の逞しさでシンガポールに住む大学時代の友人のペイク・リン(オークワフィナ)の力を借りながら立ち向かっていくが。。
2018年9月30日劇場鑑賞99本目
感想
アジアンズハリウッドの金字塔となる1本
2007年の世界金融危機でアメリカ映画は資金難の為、低度の低い映画製作増えてしまった。
2010年代には大作映画は鳴りを潜め、インディペンデント映画の台頭。
90年代の大爆発のある大スペクタクルは、00年代の終わりと共にお別れ状態。
そんなハリウッド映画を救ったのは、アジアのお金。特に中国からの出資によりハリウッド映画は製作は続いたが、
何かの配慮か?はたまた中国の経済での成功を狙ってか、中国人の俳優などをゲスト出演させてシナリオの質を下げる映画も乱発していくようになった。
しかしアジア系のみのハリウッド映画というのは作られてこなかった。
そして本作『クレイジ・リッチ!』が正しく、アジア系の人種のみで映画が構成された歴史的な映画になった。
むしろ遅すぎるとも言える。
なんせ原作が出たのが2013年で最高潮にアジアにお金があったから。
そして2008年のアカデミー賞候補の『グラン・トリノ』でもアジア系に言及されて、このアメリカは最早白人の土地じゃなくなるかもしれない趣旨が描かれる中、
アメリカの一部となっているアジア系には全然フォーカスされない現状の中の金字塔となる作品が本作になるのではないかと思う。
主人公は移民2世。母親のアメリカでの事業の成功により裕福ながらもシングルマザーに育てられた為、逞しく育ち、アメリカの大学で経済学を教えるほどの有能さ。
2世というとちょっと『マスター・オブ・ゼロ』のインド系移民2世を彷彿するが、あんなボンボンとは違う。
アメリカの荒波を勝ち残ってきた生粋のニューヨーカーでキャリアウーマン。
そんな彼女が立ち向かうのが、古来金のある人が更なる財を生み出し、国一つを反映させてきたという設定のある豪族。
これまでシンプルな家族で育った彼女が、一気に豪族の親族が巡る玉の輿問題に立ち向かう。
というハリウッドで活躍するアジア系アメリカ人もしくはアジア系の俳優たちのみで織り成す王道格差社会ラブコメ。
ストーリーラインこそは、王道なラブコメ
育った環境の違いの常軌を逸した差。
彼氏はそうでも無いが、その取り巻きとの確執。
諦めないで戦っても立ちはだかる姑、そして豪族としてのルール。
真実の愛が勝つのか?それとも仕来りが勝つのか?
いわゆる王道のラブコメ、ハリウッドでも何度かあっただろうシンデレラストーリー。
日本だって火曜の22時、もしくは月曜9時に映像化されたのではないかというトレンディーな王道さ。
しかしそこにあるのは、恋愛以上の2世アメリカ人として、中国系アメリカ人としてのアイデンティティの対立というおくゆかしい題材が描かれていた。
残念映画量産機だった監督の出世作に!!
監督は、『ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー』や『G.I.ジョー バック2リベンジ』など
これまでメタスコアで50点以上を出したことがない、なかなかの残念な監督。『G.I.ジョー バック2リベンジ』では赤字にも陥ってる。
そんな彼が本作では製作費に対して高い利益を上げて、批評家にもコメディ映画なのに高評価。
今後の映画監督人生を変える映画になったと言っても過言じゃないし、彼もまたアジア系アメリカ人として、本作の肝を1番理解していたとも思えるし、彼のアイデンティティがあったからこそ本作は成立したとも言える。
必見のシンガポール豪遊バカンス映画
本作は一つのプリンセスストーリー映画としての側面で見ても、
ロケ地が最高。
出てくる服が最高。
金持ちの豪遊ぶりがあり得なくて、現実逃避に最高過ぎ。
金持ちの思考がやばくて最高。
結婚式のシーンが洗練の向こう側の富と美的センスの作品化してて本当にやばい。
島とか綺麗でやばい。
などなどちょっとした息抜きにもなる見たこともない綺麗なものの数々を堪能できる映画としても
有益な映画だってことは忘れてはいけない。
バーチェラ・パーティーするのに輸送貨物船を改造して、貸切変態パーティーをしたり、
教会にバージンロードが大変なことになったり。
結婚披露宴の場所がもの凄かったり。
ラストにはあの有名なホテルの屋上のプールがすごいことになったり。
はたまた序盤から飛行機のファーストクラスという全く見たことのない光景も拝めて、半端ないし、
そこからシンガポールの屋台のうまそうなご飯も出てきて、終始見ていてホクホクする。
アジア映画見るにしても犯罪映画かカンフーしか見ない自分としては、
単純に煌びやかなアジアの観光地というのがすごく魅力的に見えた。
その視点ではハリウッドが本気でシンガポールで映画を撮ってる貴重な映画としても一見の価値のある映画。
ゴールデングローブ賞のコメディ部門にノミネート間違いなし。
まぁ作品賞はノミネートすると思うが、俳優部門で、主演女優、助演女優(2人いてやばいな)はそうだけど主演男優賞も狙えると思う。
なぜなら主演男優のヘンリー・ゴールディングは本作が映画初主演。テレビの旅番組には出ているようだが、初主演で、あの王子様っぷりである、
しかもあの綺麗な英語。イギリス育ちでイギリスとのハーフだからか凄い。
また脚色賞もあり得るのかなと。
2世アジア系アメリカ人のアイデンティティ
本作のメタファーとしては、やはりこれがあるのかなと。
どこの映画サイトやブログでも語り尽くされてる話だが、
2世俳優のレイチェルが、恋人ニックの母と価値観の違いでぶつかり合う嫁姑問題がドラマとして生きてる本作。
しかしそれ以上に、アメリカでは肌の色でアジア人と言われ、アジアに帰れば、肌の黄色いアメリカ人と言われる。
劇中ではそれを「バナナ」としてネタにしている。
自分自身のアイデンティティとはなんだ?
監督自身もそうだし、演じた俳優もぶち当たる感覚をうまく映画内で落とし込んでいる。
それが顕著に出ているのは、終盤の麻雀のシーンや友人のペイク・リンとのやり取りで顕著になる。
そこに現実の人間の葛藤が、全米でも共感を読んだだろうし、センセーショナルなものとしてなっている。
お前の母親もマーサか?
そこにある嫁姑問題も2人の共通点を見つけて妥協をする『バットマンVSスーパーマン』ではなく、
私たちは愛するものを大事にするために、古い女性の価値観と現代の女性の価値観を共有しなければいけないという、
新しい価値観、つまり彼女の培った逞しさや努力の結晶である経済学的交渉を麻雀のシーンで見事に披露し、
アジア系アメリカ2世としての本質というかルーツを見つける、新たなる道を選択できることを描くのだ。
その辺りもまた本作が単純なシンデレラストーリーとは違う、第二第三の現代のコメディ映画としての次なるステップアップなのかもしれない。
ハングオーバーやジャドアパトー製作のコメディでのブロマンス映画の台頭、ブライズメイズの女性たちの苦悩を描いた女性映画の台頭、
そして『ブラック・パンサー』の黒人讃歌ともとれる内容に近い本作『クレイジー・リッチ!』は画期的で次なるアメリカコメディの1ジャンルになるのかもしれない。
音楽もいい
音楽も微妙に白人かぶれな楽曲と昭和歌謡のような中国系の歌など、やたら下品に聞こえる歌や、『地獄の黙示録』の再現など、
細やかな面白さがあるが、とりわけ終盤のコールド・プレイのイエローの大胆なカバーには驚いた。
これまで肌の色は黄色で、中身は白というネタが出たが、それがここに来て音楽でしかも1番の盛り上がりでくるのは凄いなと思った。
And everything you do,
Yeah, they were all yellow.
I came along,
I wrote a song for you,
And all the things you do,
And it was called “Yellow”.
So then I took my turn,
Oh what a thing to have done,
And it was all “Yellow.”
Your skin,
Oh yeah your skin and bones,
Turn into something beautiful,
You know, you know I love you so,
You know I love you so.
君の肌、君の肌と生まれ(骨かも)
素晴らしい君の内面。
あなたはそれを知っている。
私がそれを愛しているのは知っている。
私もあなたを愛している
この引用はまさしく肌は黄色で、中身は白。
2世アジア系アメリカ人である彼女を深く愛しているに異訳できるので、すっごい見事な選曲だなって思った。
まさしくこの映画というかニックはそんな彼女だから愛しているということがわかる曲を上手くチョイスしていて感動した。
あとエンドロールは、オークワフィナの曲だったのもよかった。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8.5/10
・映像のアプローチ 7.5/10
・映画の美術面 9/10
・キャラクターの魅力 8/10
・音楽 9/10
・上映時間と個人的趣味 8.4/10
87点
他にも出演俳優たちが個性的ですごくよかった。
ケン・チョンが『ハングオーバー』並みのクレイジーおじさんでよかったし。
オークフィナの衣装や役柄全てがよかった。
衣装も色々状況で選んでて面白かった。
でも主演のレイチェルがなんだかんだそこまで美人じゃないんだよな。(それだからイエローのネタが最高に上がるが)
あとニックが小島よしおに似てて、小島よしお海外で行けるのでは?とかレイチェルやっぱりキンタロウに似てるなぁとか。
そんなことよりソノヤ・ミズノが同じ日本人で凄い服の着こなしと凄いクレイジーな役ハマってて、本当にすごいと思った。
あとなんだかんだ嫁姑問題以上に豪族の嫁問題って簡単じゃないと思うんだよな。
原作とは違う話のようだけど、正直恐ろしいのが、この映画にニックのお父さんは仕事で不在という、
なんか父性が欠如しているところ。
成金ボンボンの息子たちが酷いってのはなんかニュースとかで聞いたが、それとは違う、スーパー仕事人間の父親との対立という
修羅場はまだまだ続きそうなのが、非常に引っかかった。
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彼氏はそうでも無いが、その取り巻きとの確執。
諦めないで戦っても立ちはだかる姑、そして豪族としてのルール。
真実の愛が勝つのか?それとも仕来りが勝つのか?
いわゆる王道のラブコメ、ハリウッドでも何度かあっただろうシンデレラストーリー。
日本だって火曜の22時、もしくは月曜9時に映像化されたのではないかというトレンディーな王道さ。
監督は、『ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー』や『G.I.ジョー バック2リベンジ』など
これまでメタスコアで50点以上を出したことがない、なかなかの残念な監督。『G.I.ジョー バック2リベンジ』では赤字にも陥ってる。
そんな彼が本作では製作費に対して高い利益を上げて、批評家にもコメディ映画なのに高評価。
今後の映画監督人生を変える映画になったと言っても過言じゃないし、彼もまたアジア系アメリカ人として、本作の肝を1番理解していたとも思えるし、彼のアイデンティティがあったからこそ本作は成立したとも言える。
必見のシンガポール豪遊バカンス映画
本作は一つのプリンセスストーリー映画としての側面で見ても、
ロケ地が最高。
出てくる服が最高。
金持ちの豪遊ぶりがあり得なくて、現実逃避に最高過ぎ。
金持ちの思考がやばくて最高。
結婚式のシーンが洗練の向こう側の富と美的センスの作品化してて本当にやばい。
島とか綺麗でやばい。
などなどちょっとした息抜きにもなる見たこともない綺麗なものの数々を堪能できる映画としても
有益な映画だってことは忘れてはいけない。
バーチェラ・パーティーするのに輸送貨物船を改造して、貸切変態パーティーをしたり、
教会にバージンロードが大変なことになったり。
結婚披露宴の場所がもの凄かったり。
ラストにはあの有名なホテルの屋上のプールがすごいことになったり。
はたまた序盤から飛行機のファーストクラスという全く見たことのない光景も拝めて、半端ないし、
そこからシンガポールの屋台のうまそうなご飯も出てきて、終始見ていてホクホクする。
アジア映画見るにしても犯罪映画かカンフーしか見ない自分としては、
単純に煌びやかなアジアの観光地というのがすごく魅力的に見えた。
その視点ではハリウッドが本気でシンガポールで映画を撮ってる貴重な映画としても一見の価値のある映画。
ゴールデングローブ賞のコメディ部門にノミネート間違いなし。
まぁ作品賞はノミネートすると思うが、俳優部門で、主演女優、助演女優(2人いてやばいな)はそうだけど主演男優賞も狙えると思う。
なぜなら主演男優のヘンリー・ゴールディングは本作が映画初主演。テレビの旅番組には出ているようだが、初主演で、あの王子様っぷりである、
しかもあの綺麗な英語。イギリス育ちでイギリスとのハーフだからか凄い。
また脚色賞もあり得るのかなと。
2世アジア系アメリカ人のアイデンティティ
本作のメタファーとしては、やはりこれがあるのかなと。
どこの映画サイトやブログでも語り尽くされてる話だが、
2世俳優のレイチェルが、恋人ニックの母と価値観の違いでぶつかり合う嫁姑問題がドラマとして生きてる本作。
しかしそれ以上に、アメリカでは肌の色でアジア人と言われ、アジアに帰れば、肌の黄色いアメリカ人と言われる。
劇中ではそれを「バナナ」としてネタにしている。
自分自身のアイデンティティとはなんだ?
監督自身もそうだし、演じた俳優もぶち当たる感覚をうまく映画内で落とし込んでいる。
それが顕著に出ているのは、終盤の麻雀のシーンや友人のペイク・リンとのやり取りで顕著になる。
そこに現実の人間の葛藤が、全米でも共感を読んだだろうし、センセーショナルなものとしてなっている。
お前の母親もマーサか?
そこにある嫁姑問題も2人の共通点を見つけて妥協をする『バットマンVSスーパーマン』ではなく、
私たちは愛するものを大事にするために、古い女性の価値観と現代の女性の価値観を共有しなければいけないという、
新しい価値観、つまり彼女の培った逞しさや努力の結晶である経済学的交渉を麻雀のシーンで見事に披露し、
アジア系アメリカ2世としての本質というかルーツを見つける、新たなる道を選択できることを描くのだ。
その辺りもまた本作が単純なシンデレラストーリーとは違う、第二第三の現代のコメディ映画としての次なるステップアップなのかもしれない。
ハングオーバーやジャドアパトー製作のコメディでのブロマンス映画の台頭、ブライズメイズの女性たちの苦悩を描いた女性映画の台頭、
そして『ブラック・パンサー』の黒人讃歌ともとれる内容に近い本作『クレイジー・リッチ!』は画期的で次なるアメリカコメディの1ジャンルになるのかもしれない。
音楽もいい
音楽も微妙に白人かぶれな楽曲と昭和歌謡のような中国系の歌など、やたら下品に聞こえる歌や、『地獄の黙示録』の再現など、
細やかな面白さがあるが、とりわけ終盤のコールド・プレイのイエローの大胆なカバーには驚いた。
これまで肌の色は黄色で、中身は白というネタが出たが、それがここに来て音楽でしかも1番の盛り上がりでくるのは凄いなと思った。
And everything you do,
Yeah, they were all yellow.
I came along,
I wrote a song for you,
And all the things you do,
And it was called “Yellow”.
So then I took my turn,
Oh what a thing to have done,
And it was all “Yellow.”
Your skin,
Oh yeah your skin and bones,
Turn into something beautiful,
You know, you know I love you so,
You know I love you so.
君の肌、君の肌と生まれ(骨かも)
素晴らしい君の内面。
あなたはそれを知っている。
私がそれを愛しているのは知っている。
私もあなたを愛している
この引用はまさしく肌は黄色で、中身は白。
2世アジア系アメリカ人である彼女を深く愛しているに異訳できるので、すっごい見事な選曲だなって思った。
まさしくこの映画というかニックはそんな彼女だから愛しているということがわかる曲を上手くチョイスしていて感動した。
あとエンドロールは、オークワフィナの曲だったのもよかった。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8.5/10
・映像のアプローチ 7.5/10
・映画の美術面 9/10
・キャラクターの魅力 8/10
・音楽 9/10
・上映時間と個人的趣味 8.4/10
87点
他にも出演俳優たちが個性的ですごくよかった。
ケン・チョンが『ハングオーバー』並みのクレイジーおじさんでよかったし。
オークフィナの衣装や役柄全てがよかった。
衣装も色々状況で選んでて面白かった。
でも主演のレイチェルがなんだかんだそこまで美人じゃないんだよな。(それだからイエローのネタが最高に上がるが)
あとニックが小島よしおに似てて、小島よしお海外で行けるのでは?とかレイチェルやっぱりキンタロウに似てるなぁとか。
そんなことよりソノヤ・ミズノが同じ日本人で凄い服の着こなしと凄いクレイジーな役ハマってて、本当にすごいと思った。
あとなんだかんだ嫁姑問題以上に豪族の嫁問題って簡単じゃないと思うんだよな。
原作とは違う話のようだけど、正直恐ろしいのが、この映画にニックのお父さんは仕事で不在という、
なんか父性が欠如しているところ。
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