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◯ディクテーター 身元不明でニューヨーク 2012年度75本目◯「今回は突撃しない?」

「この映画を一言で表すなら「アラディーン」」

$『A Little his REDEMPTION.』映画オタクの映画批評~season Ⅶ~-ディクテーター 身元不明でニューヨーク
アメリカ2012年アメリカ制作アメリカ

監督
ラリー・チャールズ
(『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』『ブルーノ』」)
出演
サシャ・バロン・コーエン
(『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』『ブルーノ 』『ヒューゴの不思議な発明』『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 』)
ベン・キングズレー
(『ヒューゴの不思議な発明』『ガンジー 』)
ジョン・C・ライリー
(『ウォーク・ハード ロックへの階段』『おとなのけんか』、『ブギーナイツ』『僕の大切な人と、そのクソガキ』『俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-』)
予告編

あらすじ
長い間、北アフリカにあるワディア共和国は、軍隊の最高司令官のアラディーン(サシャ・バロン・コーエン)によって法律などが決められていた。
アラディーンは生まれたときからずっと独裁者で、核を保有したり、気に入らないやつをすぐ死刑にしたり、独裁国家の個性を全て包括したような男だ。よく暗殺もされそうになっている。
そんなワディア共和国を国連は、危険であると考えミサイル爆撃を行うことを決定した。
それを回避するには、アメリカのニューヨークに来て国連議会に出席するしかなかった。
仕方なくニューヨークに来たアラディーンだが、来て早々誘拐されて暗殺されそうになってしまう。辛くも逃げ延びた彼を待っていたのは、自分の影武者が自分に成り代わっており、アラディーンの叔父のタミル(ベン・キングスレー)によって仕組まれた計画だった。タミルはワディアを独裁政治から解放して、自国の石油を売り多額の金銭を手に入れようとしていたのだった。
どうにか元の状況に戻りたいアラディーンだが、今の彼は象徴の髭も失い、ただのわがままの変人でしかない。しかしその屈強な精神とおぞましい服装のアラディーンを政治活動家でグリーンショップのオーナーのゾーイは彼が悪い政治の影響でこのようになったと判断し、アラディーンを保護することにする。しかしアラディーンは、とことん独裁者ぶりを披露するのだが、ゾーイの店が国連の会議に出店する情報を得て、元部下だったナダルと協力して、ゾーイに取り入るのだが…。
2012年9月9日鑑賞
感想
サシャ・バロン・コーエンの世界風刺コメディー映画第4弾。
日本だと三作目の公開かな?ちとあやふや。
日本では『ボラット』がすごく有名だったと思うし、ゴールデングローブ賞のコメディ部門を受賞して話題になって、公開している時見に行って、こんなに映画館で笑うなんて。って思ったな。
それでも笑えるのにやっていることはすごくインテリ傾向にあってね。それをサシャ・バロン・コーエンがわざと体を張って、すげぇー変な人格のキャラクターを生み出して突撃して、何も知らない一般人とか著名人の本音を引き出して笑いに昇華させる体裁がとても印象的。
まぁーそれでも『ボラット』(ボラットはカザフスタンのジャーナリストとなってアメリカに取材に行って、アメリカの常識は異常?という疑念を抱かせる風刺が熱い。)はかなり良かったものの『ブルーノ』という今度は、ゲイのファッション評論家を演じた作品に至っては、論点を絞ること無くいたるところに突撃した結果、愛せない映画になってしまっている。
そんな中今作『ディクテータ』で演じるのは架空の独裁国家の王様?大統領?なのだ。
彼が結果的にアメリカに来て、また騒動を起こすというちょっと『ボラット』を彷彿させるのだが、前情報無く映画を見るとこれや意外、今作は突撃ものではなく、脚本のあるコメディ映画におさまっている。
これは予想外だった。サシャ・バロン・コーエンといえば、突撃!!という印象だったのだが、普通のコメディ映画なのだ。
まさに架空の国家ワディアを独裁し(むしろ独裁アルアルを濃縮還元してネタにしている。)、また助演にも普通の映画俳優のベン・キングスレーまでもいる。(笑)
そしてその後もかなりぶっとんだ異色な展開ではあるものの、普通に劇映画として、独裁者のアラディーンが資本主義の人間と触れ合い、恋に落ちてアラディーンが自分の行いに少しだけ妥協点を見つけるという、至って普通のお話におさめている。
むしろ映画的には予定調和ではあるので、斬新なストーリーは無かったが、やはりサシャ・バロン・コーエンの作り出したキャラクターをよく劇映画におさめることができたなぁーと関心する。
監督自身、ずっと突撃ドキュメンタリー映画を生み出してきた異色の映画監督で『ブルーノ』後には宗教を題材にした映画を風刺したドキュメンタリー映画を生み出している。(実はそれ見ていた。)
その監督なのに普通にコメディ映画撮れているだからなんだかウケる。
しかしそもそもなんで突撃ものにしなかったかと言えば、サシャ・バロン・コーエンはもはやFBIやらCIAの注目の存在らしく、これ以上の社会的風刺活動は命の危険がつきまとうというか…。
良かった点としては、独裁者を馬鹿にしているように見えて、アラディーンの人間的手腕はさりげなく高く描いているのがウケる。目的の為に、ゾーイのショップを繁盛させてしまう独裁者っぷりは小気味良いし、上手い内容だと思えた。
またコネタの数々もさることながら、普通に俳優が活躍する映画というのも妙に真新しく感じるし、期待を裏切らないちんこ描写も唐突にあって、手堅いサシャ・バロン・コーエンの映画だ。
メモ得点メモ
7
突撃実録ものを期待したせいか少し肩透かし。
しかしここまでぶっ飛んだ異色のやり過ぎお下劣コメディでありながら最後の独裁者としての演説のアメリカ批判は、素晴らしい風刺になっており、とても清々しい。この映画がどう社会に影響するかはアメリカに住んでいないのでわからないが、流石サシャ・バロン・コーエン主演映画だなぁーと思った。
チャップリンの『独裁者』にやはり関連があるんだと思うけれど、そこは勉強不足でわからなかった。あとパンフ買わなかった。うっかり。
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カメオ出演の数々はちゃんと俳優陣に承諾させたのだろうか?
いやサシャ・バロン・コーエンと共演する程エキサイティングなことはないから、みんな協力的か?しかしシュワルツェネッガーのあの顔。(笑)

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