アメリカ産中国映画?
★この記事をまとめるとこんな感じ★
製作
2021年アメリカ映画
地球にもいたんだそういうの
監督
デスティン・ダニエル・クレットン
・ショート・ターム
・黒い司法 0%からの奇跡
キャスト
ネタバレ あらすじ
2021年9月11日
IMAXGTレーザー版鑑賞
2021年6本目
長文なので以下から開いてください。
MCUで非白人映画やったる
RG 1/144 Hi-νガンダムの
ガンプラが欲しくて、
わざわざ都心で
IMAX鑑賞したのですが
見事に売り切れてて
買えませんでした。
ウルトラマンのアメコミ買おうかな
って思って手に取って中身見たら、
絵のタッチがちょっと幼くて
カートゥン寄りだったので
マッチョ系を期待していて
期待外れだったので買いませんでした。
買い物は全部外れでしたが、
映画は当たりでした。
今回はMCUの
フェーズ4の現代を舞台にした
MCU最初の作品
『シャン・チー』の感想を書きます。
映画にはほぼ出てないカナダ出身の
アジア系人種の俳優
シム・リウが主役を務める
シャン・チー。
『アイアンマン』で登場した
テン・リングスという組織の首領
マンダリン?が登場と色々と
ネタ満載の本作。
蓋を開ければ
MCU版『クレイジー・リッチ!』
というか
非白人系で構成された
アジア系ハリウッド映画を
ドル箱映画シリーズの
MCUでやっちゃた挑戦映画。
まぁ悪く言えば『ブラック・パンサー』の中華版
アメリカのサンフランシスコで
暮らしてたショーンの
正体は交際的な犯罪組織のボスの息子。
魔法の力に心を蝕まれた父親の
暴走に巻き込まれた彼は、
シャン・チーに戻り、
妹と親友と一緒に父親の暴走を
止めようとするお話。
なんですが、
注目すべきは原作のストーリーが無さそう?なところ
シャン・チーってなんだ???
1970年代のアメリカの
カンフーブームにて産まれたヒーロー。
特殊な武器は持ってないが、
犯罪組織のリーダーの一面が
あるようです。
ただ体術はとても優れていて、
アイアン・フィストと同格。
Netflixで配信されている
ディフェンダーズの面々のような
ポジションの能力。
地味だ
10年間の長期連載が続いたが、
それ以降はマーベル百科事典の
影に葬られたが、
20年の月日を経て
2000年に脇役として
アース616に再登場。
『マーベルナイツ』なる
超能力のない
武闘派ヒーローチームのレギュラー
として突如参戦。
その後もコミックの人種に色を添える
枠として脇役としてちょこちょこ登場。
そんな地味な脇役が、
無名俳優を登場させMCUで
単体で映画を作るとは!
今後もし
『アベンジャーズ』として
映画化された際は、
どのように登場するのか?
むしろアジア系で無名俳優だから、
色々な作品のポリコレ要素として
登場させるのか?
そして個人的には
本作を製作した背景はポリコレ意識したから
と思っている。
マーベルスタジオの業務戦略。
しかしそこを肉付けした
ケビン・ファイギは、
上手にやり切ったなぁと思う。
ただ今作は興行的には
中国を意識した映画なのかな?
って思うのだが、
『エターナルズ』での
クロエ・ジャオ監督の登用による
反発か?
はたまた主人公がカナダ人で
あることが気に入らなかったのか?
中国での公開は無いようだ。
ある種文化盗用的な部分は
あると思うこのキャラ。
北米の映画データベースサイト
IMDbでは高評だし、
北米に住む中華系アメリカ人には
大受けのようだ。
ケビン・ファイギすっご。
MCUでカンフー映画
MCUは全作楽しく見ているが、
アクション要素も盛り沢山だが、
トリッキーな武闘派は多く
マーシャルアーツ使いがほとんどだが、
カンフー使いはいなかった気がする。
巧みな武器が多いMCUシリーズ。
今作でついに中国のルーツっぽい
カンフーキャラが仲間入り。
多くのジャンル映画をモチーフにして
毎回個性的な単発映画を生み出して
来たのだから、
この選択も大いにありだと思う。
もちろんお得意の超兵器も登場し
カンフーアクションを
アメリカ映画的に
アップデートしている。
文化の盗用も甚だしい気もするが。
その肉付けに
香港で活躍している
トニー・レオンや
ミシェル・ヨーが参戦。
トニー・レオンに至っては
苦悩するヴィランとして、
ほぼ主役級の扱いで、
圧倒的なパワーで映画の魅力を
底上げしている。
そしてトドメのような
デザート感覚で
ミシェル・ヨーというところ。
トニー・レオンは
マーシャルアーツ使いっぽいが、
ミシェル・ヨーは太極拳っぽい。
その太極拳と魔法が合体し、
何やら特殊な力を用いれるようです。
そこで陰とか陽とか
そういう文化的な背景は
全く描かずに
大味にわざとして描いた当たり
色々とマーベル側も気を使って
いるんだろうなぁと思ったが、
個人的にはそこで
なんちゃって設定の肉付けとか
大好きなタイプなので、
そこをスカスカにしてしまったのは
なんかこう微妙。
結局のところ香港カンフー映画とかを
見た方が満足度が高い。
原作を意識しない自由さ
そういうわけで
原作がほぼ無名キャラの映画化。
オリジンもだいぶ変更されており
映画オリジナルって感じか。
しかしふんだんにMCUの要素や
マーベルコミックのオタク要素を
取り込みまくっており、
中盤に登場する闘技場では、
まさかの
『インクレディブル・ハルク』から
ヴィランが登場。
現在ではシールドの管轄下で
生活している模様。
同じアジア系のウォンも参戦。
親友のケイティは
コメディ兼ヒロインという絶妙な
ポジションで
無名のシム・リーや
大御所トニー・レオンと
うまく立ち回り、
映画の接着剤として
大いに活躍し、
今まで感じ得なかった
女性としての魅力も
感じられました。
後半のファンタジー感
前半と後半で映画のタイプが
ガラッと変わる。
前半はシャン・チー立志編
というような
シャン・チーが
スーパーマーシャルアーツ使いに覚醒
敵との肉弾戦の連続、
マカオでの闇闘技場でも
アクションを披露というわけ。
後半になると
父の野望が描かれ、
舞台は自然とファンタジーが
共存する『ブラック・パンサー』の
オルタナ的展開。
『ブラック・パンサー』の終盤の
内乱を彷彿させる絶妙なしょぼさに
超常現象の怪物要素も交わり
異色ファンタジー映画になっていく。
いや地球に
ドラゴンとか狛犬みたいな獅子
だったりユニコーンみたいなやつ
普通にいるんかい!という
とんでも世界が繰り広げられ、
宇宙ならなんだかわかるが、
急にそういうのやられてもなぁ。
って思ったり、
まぁ『Dr.ストレンジ』でも
魔術師は別次元からの敵を
抑えているという要素もあったし。
終盤の怪物のディテールとか
いまいち見えてこなかったので
UHD購入時にじっくり見るが、
全然好きになれなかった。
シャン・チーが使うドラゴンも
なんだかなぁ。
そしてウェンウーの顛末も
なんか物寂しかった。
もしもシャン・チーが父親を支えていたら
妻を殺され
復讐と共に腕輪を再び装着し、
犯罪組織を再始動させた
ウェンウー。
シャン・チーが脱走
してしまったわけですが。
さりげなく父として監視下に置き
計画実行と共に妹と一緒に
呼び戻したわけ。
でもすでに精神を腕輪の魔力と
ター・ローに眠る悪の親玉で悪魔の
ドウェラー・イン・ダークネスに
操られてしまい暴走。
もしもシャン・チーが
しっかり任務後父の元へ
帰っていれば、
父がシャン・チーの中に
自分の愛する妻の姿を見つけ、
暴走しなかったのではないか?
むしろインフィニティ・ウォーにも
参戦し、平和の守護者に
なったのではないか?
そう思ってしまうとこは結構あって、
父の痛みを理解してても
父を殺そうとしてしまう
シャン・チーだったり、
父に暴言を吐いて
ボコられるシャン・チーだったりと
ダメなとこも多いシャン・チー。
でもそのどう生きていけば
わからない父の偉大さを
超えられない。
子の痛みというのは、
どうやらアメリカの移民2世に
共通する悩みのようで、
むしろその等身大さが、
本作のシャン・チーの
良さというのもあるのではないか?
と思う節もあるのですがね。
それにしても腕輪が
アイアンマンスーツばりに万能。
空も飛べるし、
中距離でも衝撃波出して戦えるし、
溜め攻撃でキャノン砲みたいなのも
生身で出せるわけで。
なかなかの強者ですよ
シャン・チーさん。
ただ軟弱者なので
仲間とかが傷ついたり
人質に取られたら
クッソ面倒くさいと思われ。
妹の髪の毛が黒でよかった。
カラフルなの原宿ぐらいでしか
見かけんとおものよ。
副都心とかにはいないと思われ。
衝撃のテン・リングスネタ
噂では聞いていたのですが、
ベン・キングスレーが
『アイアンマン3』以来の再登板。
いや驚いた。
これがまた強烈なキャラクターで、
しかも脳がバグって
しまっているようで、
コメディキャラではあるが、
やばめ。
テン・リングスはホワイト企業か?
ウェンウーさん
愛に目覚めたことで
悲劇に苛まれた可哀想な悪人ですが、
再スタートしたテン・リングスは
意外にも
ホワイト企業なのではないか?
と思ってしまったり。
冒頭のター・ローの竹林の件で
部下見捨ててましたが、
あれは再出発前ということで、
再出発後は
部下にも独自性を持たせて、
レーザーフィストなる
ださめの片腕の西欧人を採用。
特注の義手というか武器を
あてがっている。
そして車の塗装などは
ダサくてもOK。
車出勤可能で
てっきり基地で巣篭もりかと思いきや
出勤形態が存在する組織のよう。
そして長年重用している部下というか
指導係は現在でもしっかり
右腕として活躍し。
武器も最高級の非殺傷武器を支給。
また現場でも臨機応変な判断が
できる存在も育成されていて
悪役とは思えない組織を
作ってて逆に面白かった。
殺す予定だった
自分の偽物は面白い人だったので
幽閉に変更し
気が向いたらシェイクスピアを
演じさせるという
やや独裁者気味だが、
面倒見のいい人感が異常。
トニー・レオンの
大人の哀愁感のある色気が
相乗効果出ていますよね。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 6/10
・映像のアプローチ 7/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 7.5/10
・音楽 6.5/10
・上映時間と個人的趣味 7/10
69点
脚本のベースストーリーが
特に終盤周りが弱かった印象。
シャン・チーってより
ウェンウーの映画っぽい部分あったり
テン・リングスのシャン・チーの
活躍が皆無だったりと
物足りなさもある。
カラオケネタや
オークワフィナの絡みのシーンは
全体的に良かったし、
これからの2人の関係の変化が
あればそれはそれで面白いと思った。
終盤のゲストで
マーク・ラファロ参戦等
今後が気になる展開も多い。