★この記事をまとめるとこんな感じ★
製作
1993年アメリカ映画
監督
スティーブン・スピルバーグ
・レイダース/失われたアーク《聖櫃》
・E.T.
・プライベート・ライアン
・ブリッジ・オブ・スパイ
出演
リーアム・ニーソン
・THE GREY 凍える太陽
・特攻野郎Aチーム THE MOVIE
・愛についてのキンゼイ・レポート
・96時間
ベン・キングズレー
・ガンジー
・アイアンマン3
・セクシー・ビースト
・ヒューゴの不思議な発明
レイフ・ファインズ
・ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2
・ナイロビの蜂
・グランド・ブダペスト・ホテル
あらすじ
第二次世界大戦中、ドイツ軍の侵攻により占領されたポーランドの都市クラクフ。
ポーランドのユダヤ人はドイツ軍のナチス党員により、迫害を受け、ゲットーとしてクラクフに住まわされていた。
そこへナチス党員のドイツ人実業家のオスカー・シンドラー(リーアム・ニーソン)がやってくる。
彼は、ユダヤ人を低賃金で雇い、工場を運営して大金を稼ぐ算段だ。
中でも有能なユダヤ人の会計士のイザック(ベン・キングスレー)を工場の責任者として雇い、自分はナチスの将校たちに取り入り、
事業を拡大していく。
しかしイザックは経営する傍、弱って碌に働けないユダヤ人を率先して雇い入れ、シンドラーが反対すると、協力を止めるというのだ。
自身の金儲けのため、イザックの願いを聞き入れてきたシンドラー。
しかし情勢はユダヤ人にとってどんどん悪くなっていく。
ゲットーも解体され、強制収容所に人々が送られる。
シンドラーの工場はこれでは運営できない。
新たに赴任してきた将校のアーモン(レイフ・ファインズ)は、ユダヤ人を冷酷無慈悲に殺し、
シンドラーの部下だった人々は虐げられていく。
あまりにも惨たらしい状況に心を痛め始めたシンドラーは、収容所近郊に自身の工場を移し、イザックを中心に再度工場を運営するが、
そこには、次に殺されるかもしれない弱ったイザックの友人たちが率先して集められ、シンドラーもそれを協力する。
大金を稼ぐためにユダヤ人を利用していたシンドラーだが、いつしか利益の出ない工場へとなっていき、
シンドラー自身も違う目的のために、奔走を始めてしまうのだった。
2017年11月10日Hulu 2017年自宅鑑賞121本目
感想
吹き替え版で再鑑賞。
第二次世界大戦中のヨーロッパのユダヤ人たちの虐殺の風景を描いた一本。
そこに現れたシンドラーさん。
実在するドイツ人でナチスでありながら、自身の利益のために、
差別で低コストになったユダヤ人を自社の工場で登用して、
ナチスの上官たちを取り込み、大儲けした人の実話をもとにした映画。
主題の始まる前から、詐欺師的な才能があり、
かなり破天荒な部分があったが、
ユダヤ人を雇用していくうちに戦争の異常さの犠牲になるユダヤ人に同情をしていき、利益よりも彼らの命を救うために行動をしてしまうという、
等身大の英雄の物語。
ユダヤに対する残虐っぷりが生々しく、女性男性の全裸は当然、
虐殺風景も容赦なく描く。
特に収容所のボスとして派遣されたゲートさん(レイフ・ファインズ)がかなりの異常者。
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中間管理職として、惨殺を行うわけだが、精神を病んでしまっているのか?
それとも彼自身人を殺すことに快楽を得ているのか?
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(ちょっとした笑える不謹慎な要素もあるところが、映画を重苦しくしなさすぎる。スピルバーグの観客への配慮があって素晴らしい)
その複雑な内面にもちゃんと歩み寄り、戦争の異常さをより濃く描いている。
スピルバーグは柔らかくて温かみのある映像を描きながらも急に残酷に描く。
それらが同時に存在する点に、圧倒される。
また無味無臭を感じさせるユダヤ人のゲットーの日々や強制収容所での囚人と化してしまった姿を白黒で描くのは英断過ぎ。
赤い服の演出は、そこまでこなかった。
3時間という超尺ながら、シンドラーのプレイボーイぷりとナチュラルな英雄ぷりがストーリーテラーとして有能で、
爽快だが残虐描写もいい感じに大差があり見応えがあって見ていられる。
反戦映画でもあるが、歴史の伝記映画としての価値も高く。
一生に一度観るべき映画だなと改めて思った。
ラストのシンドラーの言葉が泣ける。
まじで名言。
映画全体で命の重みと、戦争の惨さ、ヒトラー率いるナチスの非道さとその影響下での人間の恐ろしき変化。
はたまた人間自体の醜悪さ、そして等身大の人間の心の変化と英雄への変貌と、ずっと晴れない心。
彼自身、結局のところナチスに荷担していて有罪人であるんだよな。
のちのちユダヤ人団体が彼に感謝して、彼の生活を養うらしいけど。
それでも劇中でここまで経営者として立派だった彼が、この後いくら起業しても全然うまくいかないのは、
少なからず自己の欲よりもどこか人間の命に重きを置き過ぎて、他人優先の自己破滅型の人間になってしまったのかもしれない。
このカフスを将校に渡せば、後一人救えたかもしれない。
何度見ても必見映画だなと実感する。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 10/10
・映像のアプローチ 9/10
・映画の美術面 9/10
・キャラクターの魅力 9.5/10
・音楽 9/10
・上映時間と個人的趣味 9/10
93点
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