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【映画 ファスビンダー監督作】あやつり糸の世界 【55点】

あやつり糸の世界
ドイツ1973年西ドイツ映画ドイツ

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの監督作品でテレビ映画。
前編と後編があり、合わせて205分の超大作。
どちらかといえば、小説をきっちり映画化しているような内容。
内容は、近未来。
仮想世界をPCの中に生み出すことに成功した人々だったが、仮想世界からの侵攻を察知。
しかし現実世界にも主人公の周囲で異常現象が起こり、仮想世界からやってきた男は、現実世界もまた仮想世界であると主張。
それから主人公は、どこかに現実からの監視者がやってくることを考慮し犯人探しを行うが、自分自身もまた消される可能性に怯え狂っていく。
前編は世界の仕組みが発覚するまで。
それを100分もやるわけで、世界のおかしさに異常を感じながらも、現状を生きる姿は、まさに長編小説の半分を読み進めているような感触。
後半からは一気に話が進むので、そういうとこもSF小説っぽい。
まぁ映画とは違うテレビという枠。ラジオの延長線上なわけで、会話が多いのも自然か。
むしろ映画としてみるのは本当にきついものがある。
別に見てなくても会話が中心だから次の会話まで目を閉じてても問題ない。
前半はペースも遅いし、後半は幾分か進むようにはなったが…。
テレビ映画の予算の都合上SF映画と言えど、ぶっ飛んだ世界を表現するわけでもなく、終始会話で終わる。
映画として評価すると、独特な撮り方が印象的で、鏡を使ったショットが多い。
また予算と当時の作風か本当に派手なシーンが少ない。
むしろなぜかラスト銃撃戦が行われ、爆発シーンがある。
急すぎてシュール。
作品の世界観としては、『マトリックス』などの「この世界は現実ではない。」と言う聞き慣れたプロットの始祖。
映画はやや微妙だが、脚本はしっかりしている小説のような内容なので、結構見ていられる。
また私自身ファスビンダーの作品は初めて見るし、ファスビンダー自体よく知らないが、32歳と言う若さで亡くなったドイツの映画監督だが、その監督本数は凄まじい。
掘り下げるまでハマりはしなかったが、脳の片隅に置いておこうと思う。
上映終了後、映画評論家の柳下さんのトークショーを見た。
こういう人だとは思わなかった。
ファスビンダーに似た作家としてフィリップKディックを紹介。
Kディックの作風と確かに似た映画だなと。
メモ得点メモ
物語の面白さと上映時間 4/10
映画の奥深さと世界観とオリジナリティ 7/10
キャラクターの魅力 7/10
監督の映像演出と印象的なシーン、映像を使った話の描き方 6/10
音楽 7/10
俺の趣味 5/10

55
ファスビンダーの作品はどれもプレミアついて購入は厳しいみたいですな。
劇場公開もかなりプレミアなのかもな。
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