「00年代の俳優が活躍する骨太なウェスタン・ムービー!!
2007年アメリカ制作
監督
ジェームズ・マンゴールド
(ナイト&デイ)
出演
クリスチャン・ベール
(ザ・ファイター、リベリオン)
ラッセル・クロウ
(L.A.コンフィデンシャル、アメリカン・ギャングスター)
ローガン・ラーマン
(GAMER)
ベン・フォスター
(30デイズ・ナイト)
ルーク・ウィルソン
(ロイヤルテネンバウムス)
予告
STORY
1957年の映画「決断の3時10分」のリメイク作品。
1865年のアメリカの南部の西側の方での物語。そこで牧場主をやっているダン(クリスチャン・ベール)は、ある嫌がらせに悩ませられていた。毎晩彼は牧場から出て行けとチンピラどもに牧場を襲われるのだった。怯える家族に寡黙なダン。
翌日ダンは、街の有力者に牧場の嫌がらせに対して交渉に行くため、息子たちと共に街へ向かうが、その道中に駅馬車強盗に遭遇する隠れるダンたち。
無法者のベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)率いる強盗団は、首尾良く、駅馬車のボディーガードとして雇われた物たちを葬り去り、金品を得るのだった。
その一部始終を目撃したダンは、ウェイドに見つかるが、ウェイドは彼を解放したのだった。
残されたダンたちは、唯一の生き残りのボディーガードを保護し病院に連れて行くため街へと向かうのだった。
街で保安官たちをだましたウェイドたち強盗団は取り分を配分し、各々去って行く。
ダンは街に着き、有力者に牧場のことを交渉するが、それははねのけられてしまうのだった。
途方に暮れるダンは酒場に行くと、女と楽しんでいたウェイドを見つけ、彼を捕らえることに成功する。そして保安官たちは彼を絞首刑にする為に、違う街へ護送し3時10分のユマ行きへの電車に乗せることになるのだが、強盗団はウェイドのピンチを察知し、ウェイド救出作戦を考える。
護送する保安官たちは、このことを甘く見ていた。またダンは彼の護送を自ら名乗り出て、それをもとに街の有力者に借りてる借金を返そうとする。
だがウェイドは不敵な笑みを含んでいた。こんな保安官たちじゃ護送なんてできやしないと思っていた。
保安官は無事に彼を連行できるのだろうか?そしてダンはウェイドに微妙な目線を送っているダンには他に狙いがあるのだろうか?←これはおれの見てる最中の気持ち。
2011年4月12日鑑賞
感想
ラッセル・クロウとクリスチャン・ベールの共演作品。
正直この二人イメージだと両方とも野獣っぽく、撮影前とかとてもぎすぎすしてそうだけど、どうなんだろうか?
監督は、ジェームズ・マンゴールド、近作だとトム・クルーズのコメディ映画のナイト&デイの監督。
原題は電車の出発時刻、邦題の「決断」とは、正直かかってないのですがね。
まぁーそういう突っ込みは好かれないので置いといて。
とりあえず、演技面でかなり評価の高い、映画俳優二人が共演した西部劇というのがだいたの概要ですが、映画的にも個人的にはなかなかのツボでした。
正直映画のテイストは残念ながら、ありきたりなスリラー映画と同じなのです。
護送することになった人たちが一人ずつ命を落としていく。
という本当にどっかで見たスプラッター映画と同じという衝撃。
ただ舞台が西部開拓時代ということで、独特な世界観が全面に出ていて、死に方もそういう意味で特殊で個性的でありきたりではないのですが、やっぱりそういうスリラーと何処か似通っていて、少し肩すかしだったのだけど、終盤がかなりすごいことになっていた!!
言ってしまえば、そのスリラー映画は、主演二人を二人だけにする為のお膳立てのようなもので、この二人の終盤の行動は度肝を抜く、演技面での特にラッセル・クロウの内面の複雑さがものすごいことになっていて、とても良かったし印象的で映画自体の価値をドン!!と上げている。
また本作の特徴として個人的に思ったのが、主人公が何を考えているのが全くわからないこと。
一応主人公は牧場主であるダン(クリスチャン・ベール)なのですが、彼は寡黙で冷静で、何を考えているかよくわからない。その上悪党であるウェイド(ラッセル・クロウ)はおしゃべりで切れ者で教養もあり寛容。とても魅力的過ぎるので、正直主人公としてはウェイドであるのではと誤解をしてしまい。
また終始目的が不明なダンはある意味不可解でそれでいてウェイドに何かしらの目線を送り、また友情が描かれていくかと思うとそれは全くなく、あくまでもダンはウェイドを取り締まることを挫かないのです。
そもそもダンの目的は、冒頭で描かれた牧場の安全、家族の安全を欲している。
と自分は思っていたのです、だから本作は豪華俳優共演で西部劇とあるため、どこかかっこいいアクションを思い描き、終盤では二人が手を取り合い街の有力者を倒すという少しお決まりな映画になるのではないか?いつそういう風な展開に持っていこうとするのか?ダンの目配せはそういう意味ではないのか?と思いながらダンの動向を伺いながら見ていたのですが、その予想はもっと渋く、荒野に生きる人間の魂、いやプライドというものに覆され、より素晴らしい物語と昇華されてました。(笑)
正直言えば、随分と異色な話です。ただ正直かなり崇高な話でして、ラッセル・クロウは良い味出していたと思います。
とりあえずダンの考え方にとても感銘を受けました。しかも彼が義足だったりとね。
さて主演の二人のことばっかり言ってますが、正直、脇を固める俳優陣も素晴らしい演技を披露しています。
特にウェイドの率いる強盗団の副リーダー役のベン・フォスターはとても良かったです。
ウェイドに心酔し、彼の為に奮闘する彼とその顛末は彼がここまで役をものしていたから、よりエモーショナルになったんだと思います。
ダンの息子役のパーシー・ジャクソンことバズ・ラーマンも良かったです。名優たちに負けることなく自分の役を全うし、印象的でした。
また2時間弱でよくここまでの要素を盛り込めたなと思います。
隣町に行くまでにたくさんのイベントが数多くあるにも関わらず、すべてに盛り上がりや驚きがあり、終始頑張った作品になっていたと思います。
00年代という時代にここまで貫禄だけで、新規の俳優たちをそろわせて西部劇を完成させるとは、なかなか凄いことではないかと思います。
見てよかったです。
得点
9点
西部で生きるといことはとてもたくましいことなんだと実感。やっぱりクリスチャン・ベールとラッセル・クロウの映画は外れがないのかもしれません。彼らの映画は逐一チェックしたいと思います。
あと本作は日本公開は2009年の夏ってかなり遅い公開だったと思うね。全米公開が07年だし、もっと早く公開すればもっと知名度も高くなったと思うけど。
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