◎【79点】爆弾【感想:佐藤二朗の怪演がすげぇ、グロい東京爆破サスペンス】◎

『爆弾』感想:一言でいうと

2025年公開の日本映画『爆弾』をNetflixで鑑賞しました。この記事では、映画『爆弾』の感想をネタバレありで書いています。点数は79点。佐藤二朗さん演じるスズキタゴサクの怪演、取調室での会話劇、東京連続爆破事件の嫌なリアリティがかなり強烈な作品でした。

良かった点は、とにかく佐藤二朗さんがすごいこと。ほぼ主役と言っていい存在感で、警察も観客もまとめて嫌なゲームに巻き込んでいく感じが見事でした。一方で、気になった点は終盤の収束がやや呆気なく感じたことと、スズキタゴサクの動機や背景に少し消化不良が残るところです。

また、PG12指定ではありますが、爆発後の流血や人体損壊を思わせる描写はかなりきつめ。グロ描写が苦手な人や、子どもと一緒に見る場合は注意した方がいい作品です。面白いけど、見終わった後に「現実でこんなの起きたら嫌すぎる」と思うタイプの映画でした。

製作

2025年日本映画

佐藤二朗がすげぇ

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キャスト

キャスト一覧
佐藤二朗
・はるヲうるひと
・memo
・あんのこと
・変な家

山田裕貴
・海賊戦隊ゴーカイジャー
ゴジラ-1.0
・HiGH&LOW THE MOVIE
・万引き家族

染谷将太
ヒミズ
・嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
寄生獣

2026年6月5日Netflix自宅鑑賞
2026年18本目

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概要:東京連続爆破事件とスズキタゴサクの取調室ゲーム

2025年に劇場公開された話題作『爆弾』をNetflixで自宅鑑賞しました。
いつもなら適当に再生すると途中で止めてしまうこともあるのですが、本作は先が気になって一気に見切ってしまいました。

本作は2022年4月に刊行された犯罪小説『爆弾』の映画化作品。
著者は呉勝浩さん。2015年頃から活躍するミステリー小説の賞レースも多数ノミネート・受賞をしている人。これまで映像化とは縁がなかったが、今作は初の映像化。
ちなみに『爆弾』は『このミステリーがすごい!』にて1位を受賞している。
2024年7月には小説の続編が刊行。おそらく映画化も後々されるだろう。

監督は『帝一の國』『キャラクター』などを手がけた永井聡さん。CM出身らしいテンポ感と、漫画原作・サスペンス作品で培った見せ方が本作にも活きているように感じました。

主演は一応、スーパー戦隊シリーズ出身の実力派の若手俳優の山田裕貴さん。しかし登場もやや遅く、本格的な活躍は後半から終盤にかけてなので実質、犯人役とも言える狂言回しのスズキタゴサク(仮称)を演じる佐藤二朗さんがほぼ主役ですね。

内容としては、佐藤二朗が演じる職業不詳のスズキタゴサクが酒に酔って暴力事件を起こし、逮捕されるのだが、それは彼の緻密な犯罪計画の始まりに過ぎず、東京全土に設置された爆弾テロショーを警察の取り調べ室で警察官達を翻弄しながら巻き起こすという犯罪スリラー。この犯罪ショーの舞台裏にはかつて自殺した刑事の存在が関わっているという話。
やはり特徴的なのは、スズキタゴサクを演じる佐藤二朗の怪演が凄まじい。

『爆弾』はグロい?PG12でも流血・人体損壊描写に注意

今作邦画のヒット作ということでそこまで警戒していなかったですが、爆発後の被害描写はグロ描写ありで驚きました。冒頭の秋葉原のシーンはビルの一階が吹っ飛んでいるのに人的被害は抑えめで、「人が血みどろにならないライン」を作っているのかと思ったら、次の後楽園方面の爆発では1人死亡と出血シーンと生々しい傷が描かれていて、え??って思ったんですけど、そこから徐々にグロ描写のアクセルを上げていきまして、代々木公園のホームレスを狙った無差別シーンにて夥しい出血をした人が多数登場で、極みは部屋の一室で、半裸の男の人の死体が爆発する肉片描写にそれを直撃した警官の足が切断。しっかりピューと血が出る始末で驚きました。PG12指定ですが、あの描写はR18やR15級なので小学生以下には見せちゃいけない描写だなぁと思いました。その後も駅での爆発で線路に人が散乱など衝撃的な映像も多数。
グロい展開と不気味な取調室での接写の多い会話劇で、高校生以上はぐっとくる作品だなぁとは思うのですが、ちょっと注意喚起すべき作風だなぁって思いました。

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小学生の時に見た『踊る大捜査線』を思い出すトラウマ級のグロさ。※表現もこっちの方がえぐかった

佐藤二朗の怪演がすごい|スズキタゴサクがほぼ主役だった

職業不詳の謎の黒幕のおっさん、スズキタゴサクを演じる佐藤二朗さん。佐藤二朗さんは2010年代から福田雄一監督とのコラボレーションに成功し、2015年以降活躍の場を広げている個性派俳優。個性が強過ぎて福田雄一監督とのコラボはコメディ担当の印象が強い彼が、今作では刑事に対して、精神状態に異常があることを装い、事件の重要参考人として、警察、東京都民、そして映画館の観客に地獄の体験を与えてくれる。今作の演技は高く評価され、第49回日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞をはじめ、ブルーリボン賞、キネマ旬報ベスト・テンなどでも助演男優賞を受賞しています。個人的には助演というより、ほぼ主演だったのではないかと思うほどでした。

his0809
劇場型犯罪で警察や市民を翻弄する存在として、『ダークナイト』のジョーカーを演じたヒース・レジャーを思い出すレベル。主演俳優を完全に喰っていたと思います。

このスズキタゴサクという人物は、もちろん原作小説の強さもあると思います。ただ、ここまで薄気味悪く造形した監督と佐藤二朗さんの凄さも大きい。若手刑事の等々力=染谷将太、ベテラン捜査官の清宮=渡部篤郎、天才若手捜査官の類家=山田裕貴(主役)という3人の捜査官の取り調べというか犯罪ゲームのゲームマスターとして、それぞれキャラの違う駆け引きを行う。最初から霊感で犯罪が予知できるという嘘をつき、彼ら以外にも嘘で唆し、行動を操ったり、わざと怒らせる不快感を感じさせる言動の数々、バックボーンとしては元ホームレスという設定以外は描かれず、短髪無精髭と10円ハゲ、そしてろくに磨いていなさそうな歯、怪物のようにわけのわからない言動で爆弾設置場所のヒントを与える目的不明の行動、そして計画的に実行される動画作戦。用意周到すぎる犯罪計画、言動や対象を予期したかのような手のひらで転がすような行動。
エリート警察官という絶対的な高学歴と公務員としてのヒエラルキーの高い存在に対する、最底辺のホームレスの常軌を逸した言動の数々、いわゆる失うものが何もない無敵の人で最近増えている恐ろしいテーマでもある。劇中としても爆弾という肉体的な損傷をさせる行為だけにとどまらず、人の心も壊そうとして存在しない爆弾を爆発させるような恐ろしい行為に導こうとするその狂言回しを見事に体現した佐藤二朗さんが本当に本当にすごかった。佐藤二朗さんへの見る目が変わる。

結末の感想:終盤は呆気ないが、スズキタゴサクの不気味さは残る

前半の渡辺篤郎やその周囲の刑事達を喰い、警察官達が負傷したりと見応えたっぷりな地獄のテロショーを謎かけを交えながら繰り広げるスズキタゴサク。いわゆる佐藤二朗さんの怪演から目が離せないし、これがどう収束するのか?という期待感で一気に見てしまったわけ。映画的には取調室での密室劇でどうしても接写が多い、配信映画向きな絵作りも佐藤二朗さんのキモさが際立ち、過剰な不気味な雰囲気も魅力的に感じさせてくれる。
しかし中盤からは、警察側も地道な捜査で事件解決のヒントや真相に辿り着くことで、実はスズキタゴサクの計画は、別の人の計画を利用した乗っ取りであったことが解き明かされてしまうわけ。
その部分の話としての魅力はあるものの、細部を考えると、「スズキタゴサクは、爆弾の構造や仕組みをどうやって理解したのか?」という疑問は残りました。応用だったとしても、彼にもそれ相応の知識が必要だったのでは?と思ってしまいます。彼の背景はあくまでも謎のホームレスなのでわからなく消化不良。
またこの事件が自殺した精神破綻した刑事の遺族による社会への報復と失敗からなり、巻き込まれたスズキタゴサクがホームレスから狂気の犯罪者として何者かになろうとするわけだが、なぜスズキタゴサクは、遺族の女性に優しくしたのか???彼女に好意を抱いていたのか?それとも利用しただけなのか??などなど心の機微の矛盾などもある中、自分を含めた大量殺戮を警察署で起こさなかった理由の不明瞭さ、そこには人の心として助けようとした女性を救うことにしたのか?それともあくまでも自分の生のためなのか?終盤の真相を類家が想像し、明らかにしていく流れは、物語が異様なほどあっさり収束していくように感じました。そこに物足りなさがありました。

思えば本作には、どこか『ダークナイト』的な善と悪の駆け引きがあります。ただ『ダークナイト』は、ジョーカーとの対決後にトゥーフェイスというイレギュラーな存在が悪へ落ちることで、さらに物語が深くなっていました。対して『爆弾』は、そこまでのエピローグがなく、わりと綺麗に完結してしまった印象です。
しかも2024年の大ヒット作の『ラストマイル』と同じく「最後の爆弾」は心の爆弾かも??みたいな同じオチで終わらせてしまったことは、惜しさを感じる。

現実で起きたら怖すぎる:東京爆破テロの嫌なリアリティ

今作は東京を舞台にした恐ろしい連続爆弾テロ事件。実際にホームレスが無差別に殺され、幼稚園児達もターゲットにされた恐ろしい展開。新聞配達員が無差別に殺される可能性もありましたが、それは阻止されます。しかし、山手線沿線の駅ホームの自動販売機が大量に爆発し、多くの人が死傷するヤバい展開になります。
ペットボトルサイズの爆弾という考えただけで恐ろしい時限爆弾が一斉に爆発して、社会そのものを破壊する。マスコミやネットの人々に復讐するにしてもあまりにも酷く、その被害者の規模は全く明かされないという作風。
こんなことがもし真似されたらと思うとすっごく怖い。妙に現実感のある犯罪としてよくできている一方で、現実と地続きに感じられすぎる怖さもありました。
まぁあの謎のシェアハウスの出所とか、長男は母親をどうする気だったのか?など作品として整合性の取れないアンバランスなところはあるものの、最初から最後まで刺激的で面白かったが、本当に怖い作品だったなぁって思う。

原作小説の続編には『法廷占拠 爆弾2』があり、スズキタゴサクの裁判中に新たな事件が起きる内容のようです。映画版『爆弾』を見た後だと、スズキタゴサクという人物がさらにどう扱われるのかはかなり気になります。

hisSCORE

・脚本のユニークさ、濃さ、テーマ性 8/10
・映像のアプローチ 7.6/10
・映画の美術面 7.8/10
・キャラクターの魅力 9/10
・音楽 6/10
・上映時間と個人的趣味 8/10

79点

グロ描写だけじゃなく精液の描写など色々見ててきつい部分があるが、たまにはこういうのもいいな!って人にはおすすめ。
阿佐ヶ谷駅を知ってる自分からするとどう見ても高田馬場駅だったので笑えた。まぁ実際に高田馬場駅も爆発する設定のようですが。
映画的な広角の絵作りが弱く感じたのが残念に感じた。
エンディング曲が作品の空気と合っていないように感じて驚きました。
やはりなぜスズキタゴサクはわざと警察機構とゲームをしようとしたのかがよくわからん。精神異常を装うことで死刑を免れることを想定し、メディアでも自分の存在を取り上げられ稀代の犯罪者かつ謎の存在として歴史に名を残そうとしたのか?

とりあえずネットミームにもなった動画の佐藤二朗さんも凄まじかったなぁ。

一方で、伊藤沙莉さん側の捜索パートや会話劇は、もう少し短くしてもよかった気がします。その分、スズキタゴサクや終盤の真相に尺を使ってほしかったです。

ネタバレ あらすじ

ネタバレあらすじ
2020年代の日本の首都、東京都の新宿近郊の中野区にて深夜22時ごろ1人の初老の男性が酒屋で酒に酔って自販機を殴打し店員にも暴力を振るい警察に捕まった。
身分証のない彼(佐藤二朗)は自らをスズキタゴサクと名乗り、霊感があると尋問する刑事の等々力(染谷将太)に告げる。彼は秋葉原にて爆弾が爆発することを予言し見事に的中する。警察は彼を重要参考人として勾留し取り調べを始める。警視庁から捜査官の清宮と類家(山田裕貴)が派遣され等々力と交代。スズキは霊感で次の爆弾の爆発を予測し、ついに1人死んでしまうのであった。
捜査官たちの動揺を手に取るように読み取り、スズキはヒントのような言葉遊びで清宮たちを翻弄する。時間が経つにつれて、さらに爆弾は東京都内で爆発し、多くの負傷者が発生。激昂する清宮と交代して、若手エリート捜査官の類家がスズキに挑む。スズキのやり口に対して食えない口調で会話をする類家は、ついにスズキの計画の真実に近づいていく。

最後に:ご訪問ありがとうございます

あとがき
閲覧いただきありがとうございます。本ブログは筆者の鑑賞記録保管を目的としたブログです。本ブログ記事を読むことで私が味わった娯楽作品のカタルシスを追体験できるかもしれません。ですがこの記事を読むことで追体験するのではなく映画を鑑賞して自分自身でカタルシスを味わってください。私以上の発見と出会うことができるのではないかと思います。本日はご訪問いただきありがとうございます。

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30代後半のおっさんです。妻と娘と暮らしながら、映画館で注目作を観たり、家でUHDを見たり、PS5でゲームしたりしています。 このブログでは、映画・アニメ・ゲーム・ガンダム作品を中心に、点数つきの感想やネタバレあり考察を備忘録として書いています。 好きなものはガンダム、洋画、洋楽、バットマン。初めて来た方は、映画おすすめまとめ、ガンダム作品レビュー、Rick and Morty感想まとめからどうぞ。