★この記事をまとめるとこんな感じ★
製作
2019年日本映画
『G-レコ』の『G』は
ガンダムの『G』になりました。
監督
富野由悠季
・機動戦士Ζガンダム 星を継ぐ者
・ガンダム Gのレコンギスタ
・機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
・機動戦士ガンダム
あらすじ
テレビシリーズ『ガンダム Gのレコンギスタ』の全26話をベースに全5部作に再構成。
本作は第1部だ。
人が宇宙に移住した時代、宇宙世紀。
しかし宇宙に移住した人々は地球に住むことができなくなった低階級の貧困層がほとんどだった。
地球から宇宙に移住した人々を支配する地球と宇宙に住むことで人は進化できると唱える指導者を暗殺し、その支持する人々を先導したザビ家はジオン公国を設立。
地球と宇宙は対立し戦争が始まる。
それから半世紀。
地球連邦軍は既得権の維持に奔走し腐敗が甚だしく、宇宙に住み人々は増え続け、移民者の軍閥化や独立の果てに宇宙戦国時代が起こり、
人類は崩壊の一途を辿り宇宙世紀は終焉。
それから1000年以上が経過したリギルド・センチュリーを人類は迎えた。
彼らは技術進歩に自ら制限をかけることで再び繁栄を始めていた。
地球は食糧難に遭い、階級の低い人間はクンタラとされ、特権階級の食糧になっていた。
またかつての遺物のただ一つのキャピタルタワーという宇宙につながるエレベーターを用い、
宇宙からこの世界ののエネルギー源である『フォトンバッテリー』を配送していた。
そのエレベーターの周辺にある都市キャピタル・テリトリィは、大きく発展し、宗教までもが生まれいた。
一方その北の大陸の大国アメリアは、かつての宇宙世紀の技術のヘルメスの設計図をもとにモビルスーツを作成し、
軍事力を高め、東の大陸にあるゴンドワン10年にも及ぶ戦争状態に陥っていた。
またゴンドワンはキャピタル・ガードと軍事的な協力があった。
そんな中、キャピタル・テリトリィに住むベルリは、エレベーターの守備やメンテを行うキャピタル・ガードの候補生として、
その高い身体能力と学力ゆえに飛び級生として訓練学校に通っていた。
宇宙への演習のために、級友と講師件隊長とエレベーターに乗り宇宙に向かうが、
その中には、先日宇宙からモビルスーツと一緒に飛来した少女のラライア・マンディの姿があった。
そして講習の最中、突如エレベーターをモビルスーツを操る海賊たちが襲撃。
作業用モビルスーツにて演習中だったベルリは、海賊たちとの戦闘に参加。
巧みなセンスによりそのモビルスーツを捉えることに成功した彼ら。
鹵獲した海賊のモビルスーツは先日ラライアと共に飛来したモビルスーツだった。
それに乗る女性パイロットのアイーダは、キャピタル・ガードに捕らえられる。
またベルリはアイーダしか動かすことができなかったモビルスーツを操縦することができた。
そしてアイーダを奪還しようとする海賊部隊。
アイーダに惹かれているベルリは、彼女の安全を守るために、級友たちと彼女が囚われる古城へと向かう。
そしてキャピタル・テリトリィは今後の大陸間戦争を考慮し、キャピタル・アーミーを設立し、
キャピタル・ガードからも一部の人間を引き抜いており、候補生のベルリの友人年上の青年のルイン・リーに声をかけていた。
2019年11月30日劇場鑑賞 2019年92本目
製作中に公開の噂が全くなかったGレコの劇場版がついに公開!しかも短期間で2も公開!
『機動戦士ガンダム』の生みの親、富野由悠季の遺作になるんじゃないか?
とか噂されてるガンダム、『Gのレコンギスタ』。
その劇場版がついに公開。
これまでのOVAガンダムシリーズ同様に2週間限定公開で、
速攻ビデオセル化されるから、劇場版という括りはいかがなものか?と思う節もある。。
またこれまでのガンダムシリーズの総集編とは違い、5部作というかなりの長尺。
もともと全26話というガンダムシリーズに比べると短い作品だったのを、
わざわざ5話にまとめるという総集編というかもはや再構築。
テレビ版だと1話22分。
合計572分ぐらいか。
それが1部96分なので、
削られる部分も勿論あると思うけども、ほぼほぼ同じ内容が描かれると思う。
新訳Zガンダムの時のような、2回目のフォウがカットとか、ロザミア要素カットとか、
ロベルトカットとかそういう無理矢理なものを作ることは無さそうなので、ガンダムファンとして安心する。
またすでに5部作全て完成しているのか、2部が公開から3ヶ月後の3月に公開決定しているのも嬉しいが、
今作の反応を反映した修正を施すのが難しくなっているのはちょっともったいない。
このまま来年の11月までコンスタントにやって2021年の1月とかに『閃光のハサウェイ』が公開とかありそうな業務戦略だな。
元気はどっかへ行って、ガンダムの陰鬱さやリアルさが。。。
『Gのレコンギスタ』といえば、富野がガンダムじゃないガンダムを作ろうとして、
ガンダムらしさを排除した作品だったと思うが。
特に違うなぁと思ったのが、世界設定の描写や説明描写は映像的には描かれるがセリフではなく、
また戦争という陰鬱な状況をベルリ少年の無知というか元気というか行動力で、
もろもろの要素をぶっ飛ばして、
なぜか運動していたりと、
あっけらかんとした作品だった。
むしろベルリがいつも笑顔なすごいやつで、
完全にサイコパスだったような気もする。
そりゃルインことマスクさんが殺しにかかるのもわかる。
ドラマより状況に巻き込まれ展開での戦闘。
結果世界情勢がどうなってるのか全くわからない作品で、
なんか勢いのまま終わった感いなめず。
完全に尺が足りなく、富野監督には25話で物語を語るのは無理?と噂されていた。
そんな前回の失敗を活かしてなのか、劇場版。
心情描写や世界観の設定台詞が多数追加
YouTubeで公開されている冒頭3分でもそれは分かる通り、
状況の説明が大幅に追加、
心情描写の追加も多くなった。
その結果、
ベルリ少年がカミーユ化?
個人的に感じたのが、サイコパスな感じのベルリ、明るさと元気で突き抜けてた天才パイロットだったはずが、
劇場版ではすごく悩むし、すごく辛い気持ちになって、そして後悔の連続。
明るく振る舞っていた描写が、無理した気丈な振る舞いに思える、別物なキャラクターへ。
むしろこういったロジックに落とし込むことで、
ベルリ少年が、カミーユのように精神崩壊へとつながるのではないかと思ってしまった。
そういう意味ではベルリの周囲にいる多数の女性が温もりのメタファーと文学的な解釈のできるものになっていたので、
そういう展開もテレビ版ではなかったが、ノレドとの恋愛要素も出てくるのか?
てかそれじゃあ、脱ガンダムからの再度のガンダムじゃねか!
ブラッシュアップ版
テレビ版からカット流用はあるものは、
追加カットも多く、またG-セルフも眼に眼球を追加など、
強化したものも多い。
正直Blu-rayを購入した人にとっては、
この劇場版が『Gのレコンギスタ』の新訳ではない完成品になってしまうなぁと。
TV版が未完成品になるのは辛いなぁ。
わかりづらかった世界観がしっかり描写されてるんだよなぁ
後半になって少しずつ見えてくる世界情勢や、本作の抱える見えない敵と、キャラクターたちの行動の指針。
それが最序盤で丁寧に描き、
ヘルメスの設計図などの様子もしっかり出てきて、
キャピタル・ガードからのキャピタル・アーミーへの変化や、
フォトンバッテリーの要素も全てが、しっかり描ききってる。
その分、すんなりと作品を楽しむことができるようになったなぁ。
いやでもそういうの全てテレビ版の否定になるとも思うんだよな。
※シチュエーションが夕方に変更されてる。
子供向けなのに来てるのは40代
これね。
子供向けとして製作された作品ではあるが、
放映が深夜枠。
本作も子供向けを謳っているけども、
主人公の心理描写や葛藤がモノローグで追加されていたり、世界観の設定が描かれるが、
これがテンポを損なっているし、文脈としてマニアックすぎる側面もあるんだよな。
だから結局ガンダムに回帰してしまったなぁと思うのが、
ちょっと残念だったのと、あとTV版が試作品だったと言われてBlu-ray買ってた身としての辛さ。
それでも今後どんな描写が追加されるのか?
楽しみだなぁ。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 7/10
・音楽 7/10
・上映時間と個人的趣味 7.7/10
78点
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映画感想リンク:◯【70点】劇場版『Gのレコンギスタ V』「死線を越えて」【解説 考察 :って結局TV版の完全版かヨォ!】◯
感想リンク:機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル
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おまけ
Gレコ感想記事リンク一覧
・ガンダム Gのレコンギスタ 特別先行版
・◎【78点】劇場版『Gのレコンギスタ I』「行け! コア・ファイター」【解説 考察 :ガンダムへの回帰】◎
・△【64点】劇場版『Gのレコンギスタ II』「ベルリ 撃進」【解説 考察 :TVシリーズの焼き直し】△
・○【66点】劇場版『Gのレコンギスタ III』「宇宙からの遺産」【解説 考察 :これTV版の完全版ですね。】○
・◎【80点】劇場版『Gのレコンギスタ IV』「激闘に叫ぶ愛」【解説 考察 :怒涛のオリジナル展開】◎
・◯【70点】劇場版『Gのレコンギスタ V』「死線を越えて」【解説 考察 :って結局TV版の完全版かヨォ!】◯
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