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◯寄生獣 「悪くない。むしろ良い!!」67点◯

「ミギーがエモーショナル。」

寄生獣
日の丸2014年日本映画日の丸

久しぶりに深津絵里見た。
なんか2011年以降めっきり見てないなぁーと思ったら、まさかのコミックの映画化で、しかも寄生された人間(パラサイト)として登場。
本作は、『永遠の0』『スタンド・バイ・ミー ドラえもん』につづく、2014年大活躍の映画監督、山崎貴さんの作品。
主演は、園子温監督の『ヒミズ』で国際的な賞を受賞し、一気に映画マニアたちの知名度を高めた染谷将太。(それ以前に子役として、活躍していた。)
ヒロインとして、橋本愛
他のパラサイトとして若手で勢いのある東出、また余貴美子や北村一輝なども登場。
上映時間は2時間未満ということで、近年の日本映画にしてはかなり良心的な作品。
原作漫画をカットし、複数のキャラを一つにまとめたりと論点をずらすことなく、集約化された脚本!!

原作は88年から95年まで連載された青年向け漫画。
当時の大衆文化を意識してか、キャラクターデザインは不良漫画に近く、キャラクター造形もお気楽なキャラだ。
また現在放映中のアニメ版では、現代の大衆文化を意識してか、主人公は少し内気な青年へとなっており、運動などが苦手そうな気弱さがある。またアニメ版だと時代が違うので、パソコンなども登場する。
それで映画版はというと、主人公の造形は、原作の明るい青年。
ただ全体的に独り言が多く、いざって時にビビるヘタレな感じになっている。
また設定の違いとして
・寄生獣が空からではなく海からやってくる。
・新一の家族は母親しかおらず、父親は亡くなっている
・その為、旅行の展開はカットされ、あるキャラとの複合の展開になる。(宇田もカット)
・最初からパラサイトがコミニティーを作っている。
・Aが学校で暴れる展開がなくなり、島田のとこまで飛ぶ。
・加奈の要素はカット。
などなど、これは個人的な感想だが、原作を読んでいて、話がなかなか進まないなぁと思っていた、加奈の要素などをいい感じにオミットしてくれていて、テンポがいい。
余談だが、原作の方は、長期間放映するアニメのような大筋以外の小話なども盛り込まれている印象があったので、いい。
空からでなく、海から…
これについては、原作と意味合いが変わってくると思う。
空からだと宇宙生物というか、神の意志のようなもので、人類を減らす必要があるということを感じる。
しかし海からだと、地球の地殻から、地球の意志で人間を減らす必要があるという感じになるのではないかな?と思った。これって大幅に違うと思う。
また空からなら風などが原因でランダムに寄生できる。新一のもとにきても違和感ない。
海からだと沿岸部が中心になるのでは?という絶対的なおかしさ。
パラサイトのコミニティーなど少々違和感を感じるが、尺短縮化されてた。
もっと初期のパラサイトってただの異常殺人鬼な感じが強いと思うのだが…。
ちゃんとゴア表現あり!
マイルドだが、ゴア表現は原作同様にあり、特に島田の暴走のシーンでは、ヒロインの友達が真っ二つで、抱き上げたまま胴体ゴロンとかなり衝撃的、終盤では、学生のばらばら死体などもちゃんと登場。
特に東出の島田がいい感じで、妙な笑い方などが逸脱。
原作、アニメと違い、寄生された人は目でわかるのが特徴的だったが、今作は喋り方などで違いを見せている。
むしろ三池が撮ったらどうなっていたか、すごく気になる!!
もっとゴア表現が爆発していたのだろうか?!
キャスト陣も良かった。
深津絵里の異質な感じも良かったし、あんまり見ない役でもなんか印象的。
東出も良かったし、余貴美子も良かった。
染谷将太はちょっと微妙か。
やや中盤までがボケを連発、しかも一人芝居というハードな展開で、やり過ぎ感もあった。
橋本愛が俳優としてよく分からない立ち位置で、いいのか悪いのかよくわからん。
あとこの二人の恋愛関係の成り立ちが原作同様薄い。映画だとデートもないし。
でも染谷将太の俳優としての味わいがあって、そこが魅力的だった。
君、新一くんだよね?要素の欠如
これは見ててやや不満だった。
原作だと不自然なほどに何度も繰り返される台詞。
右手に寄生されたことにより、トラブルに見舞われ徐々に人間性から寄生生物へと変貌していく様を印象的に描いた台詞だと思う。
これが序盤から後半まではなく、後半からようやくそこに焦点を合わせる。
映画的に華やかなみぎーの描きや寄生生物との交流や戦いなどのスリリングで、ミステリアスなエンタメ要素に集中するあまり、原作の大事にしている、人間らしさとは何か?という哲学要素が薄まってしまっている。
ただないわけでなく、薄くなっている後半の方でようやくって感じ。いやミギーに命救われてからか。徐々に狂ってくる、失っていく自分というものが、寄生獣の魅力な気がしてね。ここは大事してくれた方が好みだった。極端になってしまったんだよね。
その変化が演技から通してというよりは展開を通してって感じだったのも気になる所。
ミギーは元気いっぱい
というのが印象。
やはりここはエンタメ要素部分だからか、ミギーは元気いっぱいだった。
形態が刃物のような色合いにならないのはちょっと不満だった。
原作の大幅な編集は良かった。ただ映画として描写不足も気になる。
全体的にはそこまで絶望的に悪い部分もなく、楽しく見れた!

映画だから、舞台が必要。ラーメン屋だったり、裏路地だったり、水族館だったり。
そういうこともまぁあるだろうね。
どこをどうすればいいかとかは分からないが、とりあえず自分はアニメがよくできてると思う。
実写映画としてやはりできないこと、ダメになってしまうとこはいっぱいある。
特に日本とアメリカでは映画の予算、撮影場所などで雲泥の差がある。
それでも邦画の大衆向け映画としては、久しぶりに楽しめた。
『るろ剣』で痛い目を見たんだよ。
あと気になるのは、監督の山崎貴の個性がいつも見えない。この監督ってどこをどうする監督なんだ。
それでもゴア表現もちゃんとあったし、悪い監督ではないんだろう。
SF監督なんだろうが、本作にはその要素も薄く、違う監督だったらどうなったか気になる。
メモ得点メモ
物語の面白さと上映時間 7/10
映画の奥深さと世界観とオリジナリティ 7.5/10
キャラクターの魅力 8/10
監督の映像演出と印象的なシーン、映像を使った話の描き方 5/10
音楽 6/10
俺の趣味 7/10

67
後編が、2015年のゴールデンウィークなのは遠すぎる。
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新装版 寄生獣(1) (KCデラックス アフタヌーン)
岩明 均
講談社 (2014-08-08)

原作は一冊500円で全10巻。5000円で全部読める。
ちなみに5巻までが丁度映画の終わりと同じくらい。

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