「チンコのデカさだけで映画は引っ張って行ける!!」
1997年アメリカ制作
監督
ポール・トーマス・アンダーソン
(ゼア・ウィル・ビー・ブラッド、マグノリア )
出演
マーク・ウォールバーグ
(ザ・ファイター、デート&ナイト、ハプニング、ディパーテッド)
ジュリアン・ムーア
(ラブアゲイン、キッズ・オールライト、シングルマン、トゥモロー・ワールド)
ウィリアム・H・メイシー
(マグノリア、ファーゴ、団塊ボーイズ)
ジョン・C・ライリー
(僕の大切な人と、そのクソガキ、俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-)
ドン・チードル
(オーシャンズ11、ソードフィッシュ、ホテル・ルワンダ)
フィリップ・シーモア・ホフマン
(マネーボール、脳内ニューヨーク、パイレーツ・ロック、カポーティ、ダウト-あるカトリック学校で-)
アルフレッド・モリーナ
(スパイダーマン2、17歳の肖像)
あらすじ
1970年代アメリカ西海岸での物語。
エディ・アダムス(マーク・ウォルバーグ)は高校を中退しており、アルコール依存症の母親と父親のもとで暮らしていた、彼はナイトクラブの皿洗いをして働いていた。
ある日のこと、そのナイトクラブに来ていたポルノ映画の監督ジャック・ホーナーは、エディに何かを感じた。
ジャックは、オーディションとしてナイトクラブで働くローラーガールとエディを性交させた。
そこでジャックは、エディの超巨大なペニスを見て、成功を確信するのだった!!
エディは自らを”ダーク・ディグラー”(暗黒のチンコ野郎)となり、デビュー作から大ヒット、彼はポルノ業界の大スターへと突き進むのだった!!
しかし時代が進むに連れて、ポルノ業界も方向性が変わり始めてしまい、エディもまたコカインをするようになってしまい、エディとジャックは仲違いをしてしまうのだった…。
2012年1月17日鑑賞
あらすじ
実在したポルノ映画スター『ジョン・ホームズ』の半自伝的映画。
彼女が見たいと言っていたので、またもやTSUTAYAの発掘良品で堂々と枠を飾っていたので、速攻レンタル!!しかし彼女は既にitunesで購入していたのだった。(そういえば、前に言っていたな。)
監督は、『ゼアー・ウィル・ビー・ブラッド』や『マグノリア』で有名な変態傑作映画の鬼才ポール・トーマス・アンダーソン。
1997年に製作された実在した22cmものペニスを所持する伝説のポルノスター(勿論HIVで死去している)ジョン・ホームズ(トム・クルーズの嫁のケイティ・ホームズの親戚)の人生から着想を得た、もろに彼の自伝的内容をポルノ業界の成功と衰退と、主人公であるマーク・ウォルバーグ演じるエディの成功と衰退を描いた意欲的な長編大作。
また実際にジョン・ホームズが関わったとされる『ワンダーランド殺人事件』にも本作は映画内のスパイスとして終盤に描かれている。
正直最初は、ありきたりとも思えるギャング映画的な要素に、最高に楽しめたとは言え、微量の辟易をしたものだが、本作を調べて行くうちに、それが実話であることを知ると流石に傾けた首をまっすぐに戻して、拍手と賛辞を送るしか無いなと舌鼓をうってしまうわけだ。
その実話的要素とどこかギャング映画風なエンターテイメント的面白さ、例えるなら『グッドフェローズ』のような疾走感。
そこに合わさるポルノ映画という華やかな成功と時代独特の豪華なセットや浮かれ具合そしてエロス。
更にそこに、ポール・トーマス・アンダーソン監督の変態さがおり混ざれば、この映画が傑作であることは、もう判ってもらえるだろう。
暗黒のチンコを持つ男。
劇中で17歳程の男を演じたマーク・ウォルバーグは、デビューに際して芸名を考える。
「オレの名前は今日から『ダーク・ディグラー』だ。」
その子供っぽさの突抜具合が最上級で、それでいて登場するキャラクター全てが『cool』というのだから面白い。
しかし映画内では勿論、チンコは一切出てくることは無い。しかしキャラクター全てが彼の黄金銃を垣間見ると「ワンダフォー」や「ファンタスティック」とつぶやくのだ。
そのちんことは一体どんなものなか?正直言えば、この映画はその黄金銃とは一体どんなものなのか?という興味だけでも2時間半楽しめるわけだが、勿論映画のラストで『レイジングブル』の如く伝説のチンコをモザイク越しに見る事が出来る。
大笑いは確定である。
そんな西海岸と70年代と80年代の好景気を描いた本作。
太陽光に照らされるプールサイドには、コカインを常習する若者たち。
しかし監督であるジャック・ホーナーは、最高のポルノ映画を生み出すべく日夜努力を続けており、映画業界の裏側にも少なからず迫っている。
結果的に調子のこいたエディとジャックは対立する。(まぁー本当にありがちなんだけど。)
しかし時代の変化と共にビデオ業界の勃興が起きてしまい、ポルノ映画の質が落ちてしまうというジャックにとって悲劇の展開が起きてしまい、ギャング映画らしい衰退が感じられる。
そういう時代背景の取り入れ方もやっぱり良い感じです。
また薬物に突っ走り過ぎたエディは、ついには犯罪に手を染めることになってしまい、ポール・トーマス・アンダーソンらしい緊迫しながらも滑稽なアクションシーンが終盤に待っている。
最高だ。
だが、それがちょっと定石過ぎて、捻りが無さ過ぎたのではないか?とも思えるのだ、実際にそれが起きたとなると、まぁー仕方ないと思う。作り話ではなく、本当の出来事なのだ。
そして最後に再び手を組むジャックとエディの姿はかなり感動的だ。
終わってほしくない映画だった。
俳優陣は、全員頑張っている。
脱ぎっぷりと言えば、やはりジュリアン・ムーア。
彼女は最初から脱ぎまくる女優だったのね。近年では『キッズ・オール・ライト』が印象的だったけど、老いた方が魅力的かな。
ヘザー・グラハムさんもローラーガールとして出演して魅力的に脱ぎます。
それ以外は無名かな?
またエディの友人としてのジョン・C・ライリーが印象的で、勿論フィリップ・シーモア・ホフマンの最高の変態ぶりや、ドン・チードルの役柄自体も好印象。
そういった脇役たちの素晴らしいキャラ立ちぶりが、やっぱり見事な映画だし。
1シーン1シーンが衝撃的で、急激なバイオレンスがポール・トーマス・アンダーソンらしくて気もちいい。
ウィリアム・H・メイシーとかも映画全体の折り返し地点としてやはり定石通り重要な事態を起こしてくれて良かったし、それが終盤でも美術の一つとして使われているのが心地よかった。
また忘れてはいけないのがスパイダーマン2で同じみのアルフレッド・モリーナさん。
彼こそがポール・トーマス・アンダーソンらしいメーター振り切ったキャラとして終盤にちょこっと出演。頭がおかしなギャング、最高に楽しいキャラクターです。
またエディの母親の振り切り具合は、まさに『ゼアー・ウィル・ビー・ブラッド』の主人公そのものあの怪獣ぶりはここから始まったのか!!
そういうわけで、非常に面白かった本作。正直、園子温監督と方向性が似ているし、作品のテイストも似ていると思うんだけど、残念だけどポール・トーマス・アンダーソンの方が優れていると思います。いやそこはアメリカの資金力とかの関係かしら?
とりあえずすごく面白い映画でした!!
しかし母親に見ているのがばれたくない映画ですね!!
得点
9点
ちょっとありがちな構成かもしれませんが、実話なんでセーフです。
★通販の紹介★
1997年アメリカ制作
ブギーナイツ [DVD]991円
DVDしか出てないのね!!
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