体は大人、頭脳は幼女。そして人生を再び
★この記事をまとめるとこんな感じ★
はじめに
製作
2023年イギリス・アイルランド・アメリカ映画
エマ・ストーンの怪演、そしてデフォーの怪演
監督
ヨルゴス・ランティモス
・聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア
・ロブスター
・籠の中の乙女
・女王陛下のお気に入り
キャスト
哀れなるものたちがどのような物語か知りたい
ネタバレ あらすじ
2024年1月19日劇場鑑賞
2024年3本目
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概要:賞レース向けの体当たり演技と狂いつつも時代のニーズを満たしたエロい映画
2023年の東京国際映画祭でも
上映していたが会社務めなので
あっさりスルー。
1月26日本公開ですが
そこは『ガンダムSEED FREEDOM』と
バッティングするので
先行上映の1月19日限定上映を
鑑賞しました。
最早毎度映画を作れば
賞レースに関わってくる
鬼才というか狂人の
ヨルゴス・ランティモス監督の作品。
前作の2018年の『女王陛下のお気に入り』
にて出演したエマ・ストーンが
今回も主演として登場し
フランケン・シュタインの花嫁ならぬ
フランケン・シュタインの怪物の娘の
ような作品で前作ではワンシーンで
上半身裸を見せて乳房と乳首を披露したが
今作では下半身のヘアーを豪快に披露。
※多分黒染めしてるよね。
挙句に下ネタを直接的に言いまくる
幼稚で下品な発言の数々やら
性に溺れておっさんとセックスざんまい。
後半では当時の女性の金稼ぎの
一番効率の良い仕事として
娼館でプロのセックスを披露し
中世のSFやら色々披露。
流石にめちゃめちゃエマ・ストーンとSEXしてみたくなる
もうなんかそういうAVにしか
途中見えなくなってきたわけで。
結果的に2023年の映画賞レースに
多数ノミネート。
ゴールデングローブ賞では主演女優賞を受賞。
ベストコメディ部門として作品賞を受賞。
ベネチア国際映画祭でも金獅子賞を受賞と
とても高い評価を得ており
2024年1月20日時点では
北米の映画データベースサイトの
IMDbにて8.4点という超高評価を得ており
TOP250にも139位にランクイン
※鑑賞者数がまだ少ないためちょっと下。
2023年重要映画なのでこの度鑑賞を決めた。

本作は原作がある作品で
1992年に発表されたアラスター・グレイさんの
同盟小説が一応モデルではあるが
監督たちにより大幅に改変されている模様。
悪夢度が尋常じゃないよ!
エマ・ストーン以外にも
人体がめちゃめちゃボロボロな
ウィリアム・デフォー。
謎の金持ちクズ野郎のおじさんで
エマ・ストーンの裸体を嗜み
狂ってしまう
マーク・ラファロも参戦。
ここが凄い:エマ・ストーンの怪演
ポスター類から分かるように
エマ・ストーン推しが凄まじい作品。
脳を胎児と交換された母親という
凄まじいキャラクターを0ベースから
創造し監督と一緒に創造する
エマ・ストーンの挑戦。
初登場には言語もなく
ご飯を食べては吐き出す。
おしっこも漏らす
うまく歩けないなどなど
体の機能こそ成人女性だが
脳みそは未熟。
ある種障害のある人のような存在から
急加速で成長し
運悪くなのか?そもそも論なのか?
性に溺れてしまう女性になってしまい
自慰行為をエマ・ストーンが熱演。
男性とも真具合。
いつだって半裸だし
性器付近の陰毛ももれなく披露。
そして育ての親の天才外科医兼
マッドサイエンティストの影響も
しっかり生きていて
徐々にその片鱗が見えてきて
最終的には女版ゴドウィンになっていく。
しっかりとウィリアム・デフォーの創造した
ゴドウィンに寄せており
演技にて家族や遺伝について体現する。
血のつながりではない継承が
しっかり演技で体現しており
マジで凄い
また個人的に凄いなぁと思ったのが
顔上部の演技力。
特徴的な大きい目や綺麗な額など
あのあたりの動きや表情が本当に
一級で。
純粋無垢の時の柔らかさと
道徳的で哲学に傾倒し
自己がどうあるべきかを常に
思考している終盤パートの
眼の使い方でしっかり
脳みその成長というものを
創造し観客に表現している。
流石に賞レースで女優賞を受賞している
だけある。
一見すれば大胆すぎる
性交渉等を披露する脱ぎっぷりに
目がいってしまうのだが
フランケン・シュタインの花嫁のような
創造された怪物とも言える
女性の再誕と成長を
どう表現するべきかの
彼女なりの最適解がこの映画にはあって
複雑怪奇ですごい。

性の対象ではあるが?
そんなに簡単にさせてもらえるなら
自分もさせていただけないか?という
まじでわけわかんな欲求。
AVかポルノ映画を見て頭が汚染された感じある
エマ・ストーンは決してそういう
役者を目指していないと思うが。
こんなにも露骨に全てを露わにされると
ファンとして狂う。
エロ漫画眺めてる感じある。
あまりにも偶像が過ぎる。
よく考えれば35歳の彼女。
美は必ず衰える
40代になる前に体全体の美しさを
保てる今に自分の自身の肉体全体で
映画に打ち込んだとも
言えるのではないか。
マタニティフォトならぬ
彼女のフィルモグラフィーとして
今作が最初で最後の全裸で挑む
一作になったのかな?
また歩く際の不思議な歩き方は
歩くというのがまだできないと言うのは
なんかわかるがあのガニ股は
臨月でうまく歩けなくて
骨盤が歪んでしまっているという
ことを表現しているのかもなぁと思った。
流石に天才外科医でもそこは
修復できなかったんだなぁ。
ここが凄い:ウィレム・デフォーがなんだかんだすごい
エマ・ストーンに食われてるという
感じもするんだが
そもそものウィレム・デフォーが
やっぱり凄いわけです。
キャラクター造形としても
やはりすごいわけだが
元々は息子として父親に寵愛されながらも
父親に実験体として切り刻まれ
人間とは言い切れない虐待を
受けていたのだが
それでも父を愛しており
父の仕事を引き継ぐ。
興味本位で生み出したベラに対しても
限り無い愛情を注ぎ
父として娘の成長や彼女の自由意志の成長の
為にリスクマックスの世界に彼女を
飛び立たせる。
娘を所有する欲だけではなく
娘に広がる未来を支えることを決める。
怪物の生みの親も確かに怪物だが
愛情のある存在。
そんなキャラクターを
デフォーらしい難しい言動の弁を振るいつつ
体全体が特殊メイクでめためたにも
関わらず確かに愛情深い存在として
造形している。

自分も娘を持つ父親として
無駄にゴドウィンに感情移入してしまった
ところはあるわけで。
ここが凄い:悪夢のようなスチームパンクのヨーロッパ
19世紀のイギリスを舞台にした
作品ではあるが
ゴドウィンは謎のサイボーグ風の
馬車に乗ったりと
時代が狂いまくっている。
空には一風変わった飛行船。
独特な船のデザインなど。
デューンの初期案のような
素晴らしい色彩とデザインで
19世紀のヨーロッパが描かれ
その一つ一つの狂ったSFの未来感が
凄まじくスチームパンク。
これはベラという女性を通しての
歪んだ実像であり
彼女が観る冒険のデザインであるとも
言えるわけですが
今作というか監督の持つ
底知れぬ悪意が大爆発し
それでいて調和している
この映画の悪夢のような本編が
より悪夢のように際立っている。
凄い。
映画として:女性の自立としての社会のニーズ
監督の歪んだ観点で
しっかりと社会に対して
女性も男性以上に人生を楽しんで
それでいて考えて生きることの
大切さをこの映画を通して
描いているのはいうまでもない。
自殺した女性が生まれ変わる
彼女の子供として彼女としてまた
やり直す。
死ぬというにはやはり理由があり
その選択の理由は映画の最後に
対峙することになる。
女性が男性の所有物であり
命さえも簡単に握られており
絶望して死んだ彼女が
ゴドウィンという怪物により
全てが許され
そしてそれを勝ち取りに行く。
異端者として忌み嫌われるという
社会の常識も無視し
彼女は言いたいことを言う。
男性以上にセックスを楽しむ。
世界を変えられるかもしれないと
世界の悲劇に立ち向かう。
お金を稼いで自分の人生を勝ち取る
それでも男性に搾取こそされてるが
男性に対して母性や女性のぬくもりで
戦う。
そして最後は父の言葉や
学んだ哲学や知識で
自分の生きたいと思う道を
切り開いていく。
根底にあるの父の財力や教えなどが
あると思うが
価値観的に男性優位の社会で
父、金持ちの遊び人、支配者と闘い
優男と親友との共存を見つける。
『女王陛下のお気に入り』では
醜悪な女性コメディを描き
賞レースに絡んだが
今回は女性の人生について
世界の未来について
どういう世界を女性が出にできるのか?
歪んだ視点ながらも
短的な主張の数々と視点の変化など
確かなカタルシスを見た人にもたらす。
考察:魂は肉体に宿るのか?脳に潜むのか?
見ていて絶妙だなぁと思った。
ベラとして生まれ変わったわけですが
その脳みそは本来の子供のもので
ありながらも
趣向については母に近いものだった。
身体的に快楽に弱いと言うのは
男性により性感帯を大幅に開発されて
しまっていたと言うこともあるなぁ。
それが本来の旦那さんだったのか?
それとも違う人だったのか?
彼女が身投げした原因は
サイコパスの旦那の支配に
あったと思うが
またその旦那を狂わせたのが
彼女の性欲であるというのが
描かれていたが
それ以外にも冒険心だとかもまた
淑女的ではないと否定的にし
全てを性に結びつけているという
短絡的な思考。
しかし妊娠というもので
子供を父親から遠ざけたかったのか?
子供がそもそも間男との子供だったのか?
全くもって難しい。
それとも妊娠に気がついていなかったのか?
そんな彼女が生まれ変わりつつも
性に目覚めて原動力として行動するのは
肉体に宿る記憶?魂なのか?
そんな彼女が成長することにより
父の影響にて読書に目覚め
哲学に傾倒する。
それは彼女の母が求めたのか?
それとも父を教えにより目覚めたのか?
このあたりの絶妙なキャラクター造形が
トニー・マクナマラが見事。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 8.7/10
・映像のアプローチ 7.6/10
・映画の美術面 9/10
・キャラクターの魅力 8.3/10
・音楽 8.7/10
・上映時間と個人的趣味 7/10
80点
衣装もすごいんだろうけど
ほぼ肩に丸いのついて
乳首がギリギリ見える謎衣装で
マニアック過ぎる。
音楽もすごい印象的な
コンテンポラリーな感じでしたが
賛否両論感ある。
オチは個人的には
まさかゴドウィン転生?
とか思ったけど
死を体験することを待ち望む彼に
それは罰だったんだなぁと思い
あのヤギエンドはなかなか
痛快でした。

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