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SRサイタマノラッパー 2010年度72本目

「自主制作映画というか、映画学生いや、個人で作る映画ってこんなものなんだよ。そして今作はめっちゃ頑張っているという奇跡。」

$果てしない未来へ~seasonⅤ~-SRサイタマのラッパー

日本2008年日本制作日本
予告

ヘッドフォンSTORYヘッドフォン
埼玉の田舎の方に住むラッパーに憧れるニートの物語。
ラップパーフォーマンスグループSHOGUNのメンバーになったIKKUはニートだが、自分たちの曲をライブで披露するのが夢だった。他のメンバーの中で彼と仲の良いおっぱいパブの店員のTOMと二人で日夜ライブのことを考えていた。そんな彼らを待っていたのは、閑散とした現実だけだったのだ。
そんな中東京に出てAVに出たIKKUの高校の同級生が地元にいるのが発覚し、メンバーはテンションが上がるが、IKKUは複雑だった。その複雑さが露呈してしまい、またも自身の現状の厳しさを感じるのだった…。
2010年8月16日鑑賞
ヘッドフォン感想ヘッドフォン
知る人は知る、一時期話題になった日本映画。
その中身は、2000年代末期の日本の現状を殺伐と描いた、青春映画だ。
主人公がニートという、斬新過ぎる設定。そんな彼の夢がラッパーというまたも斬新。そして舞台はCD屋も無い田舎というもう「フィクションじゃねー現実なんだ。」8マイルの主題歌「ルーズユアセルフ」への日本からのアンサーのような映画。
自分かなり8マイルが好きなんですよね。あのなんとも言えない負け犬の生活感とか、ラストの夢への挑戦と仕事に帰って行くラビットの後ろ姿が本当にロックだと思うんですよ。
ロックを鳴らしてるのは、アーティストじゃないんですよ。中年のサラリーマンなんですよ本当は。哀愁と責任の取り具合。そういう姿が一番儚いロックなんですよね。
そんな儚さがぎゅっと詰め込まれたのが本作「SRサイタマノラッパー」田舎のニートのあるあるネタが山ほど詰まって、行き場の無い感情だらけの展開。
現実なんて実際こんなものだよと、そんな感じでだらだらと続いて行くわけです。
どちらかと言うとコメディ要素が強いわけですが、着眼点は社会派な感じで、若者への危機感とかぐんぐんあります。
まぁー本作に比べると日本映画の全てが偽物でしかないと思わせる程、本作はちっぽけで現実っぽい。
そんな主人公が最後につかもうともがく物が、成功でも夢でも大金でもない。
ただ自分の心を2センチだけ満たす存在の友達。
それに対するアプローチが「主人公渾身のフリースタイルでのラップ」というのがまたまたこの映画らしくこの映画でしか出来ない、素晴らしい描き方だと思いました。
え?ここで終わりなのって思ったけど、だからこそよりちっぽけで、それでいて現実的だなと。物思いにふけられるのです。
内容の優秀さ以外に注目して欲しいのが、本作の映像。
完全にデジカメですね。既存の映画とは一線を欠く、しょっぱさ。つまるところの普通のカメラで、上手いこと構図とかを考えながら、撮った感じが何とも味わい深い。またその構図自体も大部優れているのがまた面白い。
もし映画というもを個人で作ろうと奮闘した人ならこの映画の挑戦の向こう側を思うことも出来ると思う。すっごく頑張ったと思う。そのだささが映画自体の整合性を更に向上させていて、映画の独特さを上手く上げている。
メモ得点メモ
8点
だからと言って面白いとは、一概に言えないのがこの手の映画の宿命ですが、どこまでも頑張っているという面ではとことん熱い映画です。
だからこそ是非見て欲しい。そんなくだらない映画です。

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