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◎トゥルー・グリット 2010年度152本目◎

「コーウェン兄弟らしからぬ、普通の物語映画に仕上がっててビックリした。」

$A Little his REDEMPTION.~season Ⅵ~-トゥルー・グリッド

アメリカ2010年アメリカ制作アメリカ
製作
スティーブン・スピルバーグ
(ヒアアフター)
監督
ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
(ノーカントリー)
出演
ジェフ・ブリッジス
(トロン:レガシー)
マット・デイモン
(インフォーマント!)
ジョシュ・ブローリン
(ノーカントリー)

馬STORY馬
アメリカの有名小説の映画化。(以前別の監督が同原作で映画化したこともある。リメイクというわけではない。)
時代は19世紀、1878年のアメリカ西部開拓時代中期ぐらいにあたる。機関車は開通しているし、町もそれなりに発展している。(日本は明治時代ぐらい。)
舞台はフォートスミスという、発展した西部の中では田舎の方の奥地。悪者が多くこの町に来て、追っ手から逃げる町だった。
その町にやってきたマティは、父を殺された少女だった。勝ち気な彼女は、父の復讐の為に、警官を雇い彼を捕まえることを画策していた。
マティは問題があるが腕利きの警官コグバーン(ジェフ・ブリッジス)に依頼をするが彼は依頼を断るのだが、しつこい頼みに引き受ける。
だがコグバーンは彼女をおいて捜索しに行くが、彼女は無茶をして彼を追いかけるのだった。
追いつくとそこには、マティの父親を殺した犯人を別の容疑で追っていたテキサスレンジャーのラビーフ(マット・デイモン)もいた。彼とマティは一悶着あって、そこまで仲が良くない。
だが結果的に三人で旅することになるのだが、コグバーンとラビーフは仲違いをして捜索二日目で、別れることになってしまう。先行きが不安な旅だが、マティは父への復讐に燃えていた。
2011年3月22日鑑賞
馬感想馬
コーウェン兄弟の最新作にあたる本作は(日本では同時期に「シリアスマン」が公開されてます。)、アカデミー賞に作品賞や、主演賞など数多くノミネートされた作品で、全米でも大ヒットを記録した作品です。
アカデミー賞は無冠に終わりましたが、評価自体は高いようです。
先に個人的な感想を言えば、コーウェン兄弟らしくない普通の映画でした。
正直言えば、そこまで楽しめなかったのです。(苦笑)
やはり見る前提で荒野コーウェン兄弟と言えば、ノーカントリーが前提にあって、やっぱりシガーのような絶大な悪だとか、不条理な物語展開だとか、過酷な荒野とかを想像して、少女が地獄を見るような毒の効いた彼ららしい西部劇を期待してしまったのです。
ですが蓋を開けると、主演がマティという無名の俳優の少女で、そんな彼女がパワフルに振る舞って、復讐という大人の階段を登って…。という映画になっておりまして、そこまで圧倒的なパワーがある映画ではなかった。
またジェフ・ブリッジスがクレイジー・ハートに続いて、のんだくれの役という、クレイジー・ハートの焼き直しのような、むしろまんまクレイジー・ハートだったりして、驚きが無い。それじゃーアカデミー賞の主演男優賞なんて奪えるもなく、ダークホースになることも出来なかった形かな。
でーしかも多分だけど、本作は徹底的に原作を意識した彼らには珍しい、リスペクトレベルの高い映画になっていて、新境地には達していたと思う。
特に雰囲気の作り込みは逸脱で、徹底した時代感を出したり当時の空気感などの出来はずば抜けて高い。
普通の映画としてとてもよく出来ている!!
だが正直見る側は、もっと意地悪な映画が見たい!!というのが本音だったと思う。
だがそれでも銃撃戦のシーンなどの臨場感は相変わらず最高値で、当時のライフルでの戦いを描いた雪山の狙撃のシーンは素晴らしいと思う。
ただそこからがちょっとだれたりして、また主役が少女のため、自分的にはちょっとだるさが高かった。
一緒に見ていた彼女曰く、彼女の奔放さががたまらなく見事でとても共感が持てるとのこと。
そういった、冒険に憧れる少女の気持ちを実に繊細に描きながら、終盤ではコーウェンらしい衝撃的で不条理な展開へ急速落下してしまうのも良いとこだ。
そうそう。この映画終盤はかなり、コーウェン兄弟っぽくて最高なんだよね。いや。まじ酷い考え方だけどね。(笑)
本当の勇気というのをその部分がちゃんと描けているというか。(笑)
物語の顛末もコーエーンぽくて良いんだよね。
ただ小説を意識したせいか、展開が酷いし、物語の広がりが狭い。
てか尺が短過ぎる!!
3時間ぐらい、いや2時間半ぐらい濃厚な荒野と追跡劇が見たかったにも関わらず、本作は2時間で終了で、挙げ句、物語自体が随分と小規模で、全体的に物足りない感も強い。
西部劇ものの映画って自分結構長い映画見ることが多かったから、もっと世界観を掘り下げたり、西部を冒険しているような描写が数多く見たかったし、そういうコーエン兄弟の映画も期待していたけど、そういう意味でもノーカントリーとは大部違ったな。
あとは、マット・デイモンがとりあえずウケる。彼はチャーミングで良い俳優だと思います。
これからも彼の活躍には期待したいです。
登場人物が少ないのと、物語にひねりが無く淡々と進むのも、コーエン兄弟らしくなかったなぁー。
メモ得点メモ
8
もしかしたらアメリカの西部開拓時代の歴史に詳しくないと楽しめなかったりするのかもしれません。
そういう意味では日本人には不向きかも。痛快でも無いしね。リアルにこだわった感も強いですし、ジェフ・ブリッジスはクレイジー・ハートだし。(笑)
でも出来は良いと思うし、映像はすごかったし、決してつまらない映画ではなく、期待値の割に普通の映画でがっかりしただけです。
ですのでそれなりにオススメです。

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