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◎【80点】プライベート・ライアン【解説 考察 :普通の人の戦争】◎

プライベート・ライアン

製作

1998年アメリカ映画

監督

スティーブン・スピルバーグ
・レイダース/失われたアーク《聖櫃》
E.T.
シンドラーのリスト
ブリッジ・オブ・スパイ

出演

トム・ハンクス
・キャスト・アウェイ
フォレスト・ガンプ/一期一会
・ビッグ
・ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書

ヴィン・ディーゼル
・トリプルX:再起動
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
ワイルド・スピード SKY MISSION
ワイルド・スピード

ポール・ジアマッティ
サイドウェイ
・シンデレラマン
ストレイト・アウタ・コンプトン
・アメリカン・スプレンダー

マット・デイモン
オデッセイ
・ディパーテッド
・リプリー
グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち

あらすじ

1944年6月6日フランスのオマハ・ビーチ近郊。
ドイツにより占領されたフランスに上陸作戦を決行するアメリカ軍。
その中には、ミラー大尉(トム・ハンクス)がいた。
ミラー大尉はドイツ軍の猛攻を潜り抜け、起死回生に成功し、防衛を打ち崩し、オマハ・ビーチを奪還することに成功した。

この作戦で多くのアメリカ兵士たちが命を散らしていた。
そしてその中には、ライアン一家の4兄弟の内、3人がなくなるという多大なる悲劇が起きていた。
それを知ったアメリカ軍のお偉方は、最後の生き残りのライアンを救う為に、オマハ・ビーチで生き残った兵士たちに任務を課す。
現地で選ばれたのはミラー大尉だった。
ミラー大尉は、激戦をくぐり抜けた仲間であるホーヴァス軍曹、ライベン一等兵、ジャクソン二等兵、カパーゾ二等兵、ウェイド衛生兵、そして現地での非戦闘員であったアパムを通訳として連れて行く。
ミラーたちは、次死ぬのが自分かもしれない状況の中で、空挺部隊で着陸予定地点からだいぶ離れた場所にいるライアン二等兵を救うという矛盾した任務を全うするために、
少数で最前線へと進んでいく。

2007年9月自宅鑑賞(映画オタクが選んだ映画を見る編71)
2018年11月8日自宅UHD鑑賞113本目



普通の人が戦争に赴く恐怖

2007年に見て以来、10年経ったので再鑑賞しました。
せっかくなのでUHDで鑑賞しようと思い、海外からebayを使ってスチールブックを輸入。もちろん日本語字幕付だよ。

スピルバーグ御大将とトム・ハンクスおじさんの戦争映画。
映画的価値で言えば、やはり冒頭20分のノルマンディー上陸作戦。
オハマ・ビーチでの地獄の絵面を手持ちカメラで臨場感たっぷりに描き、観客を第二次世界大戦の地獄に引きずり込む思想が冒頭からクライマックス。
この普通の人が戦場に来てしまったという統率の取れなさや、それぞれの死や戦場との向かい方を丁寧にバリエーションを持って描いているところが、
とても秀逸だなと思うのです。

またこの普通の人が戦争に来たというのは、どこか他の戦争映画とは違う、戦争のプロ化してしまうアメリカ兵とは違い、
歴戦を越えてきたけど根本は普通の人感が、垣間見られる作風なのは、やはりトム・ハンクスを主役に据えているからだと思う。
だからこそこの映画不条理なただの二等兵を救うために前線に行く彼らの異常さがより際立ち、
また戦争の無情感も感じさせる。

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スピルバーグのゴア性の高さ

なんだかんだパニック映画出身だからかグロテスクなことを平気で映画にぶっこんで来て、突き抜けていくのがスピルバーグのいつものテクニック。

今作でもゆるいトーンの会話があると思えば、冒頭でのゴア要素満載の人体欠損の数々や無情な人々の死。
火炎放射器が火を吹けば、ヘッドショットあり、終盤での戦いではうっかり爆死するアメリカ兵などは人体が木っ端微塵。

そのドSの振り幅は、今作のキャストほぼ皆殺しという怒涛の展開へとも結びつけて、衝撃的な映画として最高に際立っている。
序盤からまだ若手だったウィアー・ファミリーのトリプルエックスことヴィン・ディーゼルをカッコ悪く殺害、後半に入ったあたりでまた1人、
終盤ではかなりのエグさで退場させていく、その英断が唯一無二の戦争映画としてスピルバーグ御大将の何違わない。

重火器はマニア向け

武器関係が超マニアックだが、終盤にかけての戦車やら自走砲などなどあまり見慣れない兵器が多数登場で、
実際結構マニアックなんだなぁと。
塹壕に隠れたら戦車がつっこんでくるというシークエンスは大波に飲まれるような恐ろしさありますね。

色んな戦争描写でバリエーションを見せる

冒頭の上陸作戦の地獄絵図が一番すごい気がするが、その後も合間合間に戦闘シーンがある。
戦争映画の醍醐味だが、他の映画と違う部分もあるような。
常に大規模な戦闘をしているわけではなく、移動中に巻き込まれて、
籠城スナイパーとのスナイプ合戦、

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敵の中継地への小規模な奇襲、偵察している戦車への襲撃、
そして最後の市街地での敵精鋭部隊との待ち伏せ作戦の防衛戦からの敗走とバリエーションが豊富。
むしろ戦争映画としては、物足りなさもあるのかな?って今更ながらに思う。
最初と最後は戦争映画的な重火器類のオンパレード。

でも総合的には戦争映画的なカタルシスは控えめ?

ドラマよりも寄せ集めの人間たちの悲劇から見る戦争の闇

キャラクターとしては、トム・ハンクスと仲間たちという要素しかなくて、そこに新兵に近いアパムがかき乱すような部分もあるが、
人間ドラマはなくて、終盤でアパムが役立たずで戦争の無情さを際立たせるアイテムにはなっているけども総合的に見るとどうだったのか?

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ただただ戦争という場所に来た普通の人たちが傷ついていき、死んでしまう。
戦争の異常さから反戦的な側面を感じさせる。
また中盤で出てくるドイツ兵を不思議な立ち回りをさせる。
キャッチアンドリリースした人に仲間たちが奪われる。
その不条理さが戦争であり映画としても高い独自性を感じさせる。

変わっていく戦争と戦争映画

近年でいうとイラク戦争での戦争として成り立たない戦争と急に始まるテロリズム的な戦争という、
戦争が国から個人の思想に飛び火している。
本作はまだ911が起きていない世界での映画であり、戦争として定型のある戦争映画だったなと10年経った今では思う。
この後テレビドラマで『バンド・オブ・ブラザーズ』をスピルバーグとトム・ハンクスは製作。
そこでは戦争映画の醍醐味的な多くの人の死と太刀打ち不可能な重火器や長期戦など、生々しさと面白さが共存する伝説の海外ドラマ。
それを見てからこれを見るとやや拍子抜けな部分もあるが、今作は今作で、3時間の尺で色んなことを詰め込み、ヴィン・ディーゼルやポール・ジアマッティ、マット・デイモン、そしてブライアン・クランストンもさりげなく出ていて、出世作としても重要な映画であるし、

スピルバーグのベスト映画の一つだなと思う。

ここから着想を得ただろうたくさんの一人称視点の戦争を描いたテレビゲームもあるし、エポックメイキングしていると思う。

彼を救ったら血に汚れた自分たちでも胸を張って家族に会えるのではないか?
その大志を抱いた彼らの顛末があまりにも虚しい。

徹頭徹尾兵士たちを英雄ではなく、普通の人、むしろ人殺したちのように無情に描くのが、不思議。
犠牲者であり加害者である彼らの姿に戦争映画としての高揚以上に過ちを感じる。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 7/10
・映像のアプローチ 9/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 7/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 8.5/10

80点

4k ultra hdについては、俺の家のテレビが2Kということであまり堪能できず。
冬に買うことを考えてるからその時にまた見直そうかな?アメリカ版の方が安いよ。

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「そんなライアン二等兵(プライベート・ライアン)を救うという任務だけにオレ達の命をかけるだけの価値はあるのですか?」

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