「日本人でここまで縦横無尽に映画が作れるとは恵まれているなぁー。内容はちょっと酷いと思えたが。」
2011年日本制作
監督
青山真治
(サッド ヴァケイション、EUREKA)
出演
三浦春馬
(君に届け)
小西真奈美
(行きずりの街)
榮倉奈々
(余命1ヶ月の花嫁)
宇梶剛士
予告編
あらすじ
大学生の光司(三浦春馬)は写真の勉強をしていてカメラマンになる為に写真を撮っていた。
家族写真を専攻しようと思っていた彼は、日中は公園で写真を撮るのが日課だった。
だがある日、彼はある男にその行為を見られてしまい、不審者と間違われてしまう。
話をし和解したのだが、その男は逆に彼に、先ほど撮っていたある女性と息子の写真を撮りメールすることを依頼する。
多額の報酬を宣告され、仕方なく引き受けた光司だった。
光司は、夜はバーでアルバイトをしていた。
その店の常連の義姉の美穂(小西真奈美)と幼なじみの富永(榮倉奈々)。
富永は、無類のゾンビ映画好きで、言動も少しいびつだった。
今日のことを報告する光司だった。
翌日、光司はその男から連絡を受け、母親と子供が行く公園で写真を撮るのだった。
そして光司の家に富永がやってくる。富永は、光司の親友の元彼女だった。
光司には、ヒロは見ることが出来るが、富永には見ることができないのだった…。
2011年6月23日鑑賞
感想
日本映画界では賞も頂いている有名な監督、青島真治さんの4年ぶりの映画作品。
勿論、監督、脚本は彼です。
筆者は、こんな感想書き始めているのに、この監督の作品はこれが初めてという、これから始まる文章が読むに耐え得るかは保証できません。
原作が存在することも見る前も感想書いている最中も気づかなかったわけで、もうとことん論外な筆者であります。
まぁーでも無知であることも大事であるとたまには思いたい。正直本作は驚愕の映画だと思うし。
まずは、タイトルの割に衝撃的な内容であること!!
東京公園とか、あの予告編だとかで、
青年が、ある母親を写真に撮り続けていたら、その人に恋をしてしまい…。
的なちょっと変態な映画かと思いきや、もっとぐちゃぐちゃな内容でした。
その東京公園とは、同時に、富永の悲恋に巻き込まれるのと、義理の姉との関係というのが合わさって、めちゃめちゃな映画です。
見に来た映画と見た映画が違うという珍しい映画です。
とりあえず、内容の異様さにびっくりですが、その内容自体が有りか無しかと言えば、とても頭を抱えることになりそうです。
まず、その親子を追いかける下りも、なんか微妙。結局妙なコネタが混ぜ込まれたりあとは、幼なじみのパートの内容の個性が強過ぎて、もうかすんでいるというか…。
バランス取れていない感はマックスです。
その親子が光司の人生に関係あるかと言えば、無関係で…それはそれでの別の物語に主役の光司が巻き込まれているだけで、まぁー内容はあるけど…正直卑怯というか…。
そして問題の幼なじみ。
これのインパクトがすごい。
ええっと、なんだろう。かまいたちの夜な形式だった、(笑)
軽快な音楽がなっていたら、急に事件が起きて、ホラーになるような。(苦笑)
なんていうか、これは言わない方が良いのかもしれないけど、とりあえず、光司のキャラがもっと異常なキャラになるわけです。
光司に霊感があったとは、見る前に思うはずがない。
そもそもこの光司がいまいち異質で、そもそも大学生という設定ながら、学生のがやがや感が微塵も感じられず、気がつけば、悲恋した幼なじみと一つ屋根の下、黙々とおでんを食べながら、ケーキを食べたりと、なんだかいまいちつかみ所が無く、ぼーっとして受け答えも中身がなくて、エヴァンゲリオンの碇シンジを彷彿させる。
まぁーその物語的には、その光司が一歩進むという形式で物語は終わるのだが、それがぐちゃぐちゃし過ぎでとも思うし、うーん。まぁー3つの物語に3つの結論が出来たとは思うけどねー。別にそれが欲しかったわけでもないし、付いて行けない感もあったり、わざわざ大金を出してつかむ程もなく、その物足りなさが、学生映画風でもあるようで…。
終盤に光司と姉の関係が描かれるのも少しなんか異質で唐突だったような気もするし、いまいち切迫感もなく。まぁー終盤のあのカメラ越しで姉を見つめる光司の行動は変態性が高く、少し興奮したけど。
その3つを通して、本作が東京公園になるわけですが、これだけだと全く何故そうなるかは不明ですが、なんと本編の中で、このタイトルの理由が解説されるという驚きの要素もあります。
とりあえず卑怯でして、東京の公園って人間みたいだろ。こう人間ってまわりの人間がいるからこそ、人間でいられるわけで、東京だってその人間がいるから東京であるみたいで、その公園ってつまりその人間が集まる場所で…etc的なことをある謎のキャラが突発的に解説しだすのです。
困った困った。
しかも原作ありきで、あんな展開あるってなるとこれはもう、不出来というか、映画なのにその手法を使うのは、映像作品として不適格とも思える。
しかもすっごく上映時間が長く感じたし、この映画終わらないんじゃないかな?って思ったぐらい不安になったよ。その原因は長回しの多用が原因で、映画自体のテンポを著しく妨げてしまっているけど、連続性の高さが得られるけど、その長回し内で描かれるのが、コネタを盛り込んだ会話ばかりで、映画としての動作は数少なく、映画的には動きの少ない方向が強く、それが特に幼なじみパートで盛り込まれていて、本作の問題性の高い要素である幼なじみパートがより一層本作を困惑させ、また上映時間を長くさせてくれている。むしろ原作通りにすれば、まだ普通の「東京公園」になっていると思うのだが。
まぁーでも俳優は頑張ったと思うし、映像は良く出来てるし、映像の構図などは見事です。
ですが、長回しのせいでテンポ悪いし、突発的な展開もあって、困惑することもある。
むしろこんな映画作れる時点で凄い!!
流石にこの映画作れないと思うよ。許されないと思うよ普通。
でも俳優さんも頑張っているしね。なんか良かったよ。そこは。
ただ本当にこの映画に必要と思えないものがいっぱいあるし、そもそもあのゾンビ映画じたい必要かが一番の論点だね。光司の親友の要素とかまじ気違いだし。富永のキャラももうぶっ飛び過ぎ。
一番良かったの宇梶さんです。
宇梶さんのオカマっぷりが最高でした。名演でしたよ。あの三途の川を渡るのを再現するクロールの動作とか面白かったなぁー。元暴走族が今ではオカマですよ!!素晴らしい!!君の欲望は素晴らしいよ!!
と、監督やりたい放題な謎の映画です。多分評価もされず話題にもならず、土曜の深夜にTV東京などでこっそりやるでしょう。
とりあえずね、難度高いし、一般の人向けとは到底思えません。
映画は撮れてますが、やりたい放題で、挙げ句に主題の解説もあったりと、衝撃要素もあるし、長いし、困るし、まさか東京公園っていう映画でゾンビ映画見せられるとは到底思いませんでした!!
きっと原作と本作は完全に別物で、また東京公園という映画では本作は厳密には当てはまらなくなってしまっているけど、本編の中で、この映画自体は公園のようなものだと言及している所為で、本作は東京公園として成り立っているのですが、それこそまさに酷い手法だと今まさに言及したい。
非常にずるい映画だ。
得点
4点
こんな映画作れるのが凄い!!むしろうらやましい!!
会話シーンの脱線レベルがすごいぜ!!学生時代にこんな会話の内容が多い脚本書いたなぁー。こんな風になるんだねー。俺才能無かったわ!!なんか見てよかった!!オススメは全くしません!!
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