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◯機動戦士ガンダムUC/episode 1 ユニコーンの日 ◯ 66点

「ボーイミーツガールで戦争が始まる。」

2010年日本作品OVA

あらすじ

宇宙に住む人々と地球に住む人々は対立関係にあり、人類は人型兵器の開発に成功。戦争の規模は宇宙を股に掛けるふさわしい規模になり人口の半数を奪う程になっていた。
度重なる地球と宇宙の戦い。
地球に小惑星を落とそうとしたシャア(初代ガンダムから登場する宇宙で革命起こそうとして暗殺された人の息子)の阻止をしてから3年が経ち平和慣れした宇宙の片隅の物語。
宇宙世紀元年にサイアムは、テロ行為に参加していた。だが依頼もとに裏切られたサイアムは母船が破壊され宇宙を漂流するが、そこでラプラスの箱というものを手に入れる。
そしてそれから90年が経つ。サイアムはその箱のおかげで、潤沢な資金を手にし財団を設立していた。サイアムには死期が迫っておりこの箱を、世界的に劣勢の軍事組織であるジオン軍の残党に送ることを発案し、それを孫であるカーディアスにその計画を託すのであった。
その頃取引先に向かうジオンの残党軍である、袖付きは、連邦軍の追跡を退けていたがその船の中には、密航者の謎の少女がいた。彼女はこの取引を止めさせる為にいるのだった。
同じ頃、取引先のコロニー(宇宙で人が暮らす場所)カーディアスが運営する軍事産業学校の生徒であるバナージは、惰性的な生活に苦しんでいた。自分の居場所を求める彼は、偶然宇宙の彼方に白い流星を見る。それはユニコーンのようだった。
そしてバナージは、町の上空に人間が落下しているのを発見する。その人を救出に成功するバナージ。それは袖付きの船に密航していた少女だった。彼女は自分をオードリーと名乗り「戦争」を止めに来たと言い放つ。その言葉に、ズシンと来たバナージは、彼女と行動を共にする…。
2011年1月30日DVD鑑賞(2010年度134本目)
2011年12月6日DVD鑑賞(2011年度113本目 家にあるDVDを見よう編その1)
2013年1月30日DVD鑑賞
2018年8月19日Blu-ray鑑賞 2018年82本目

感想

大の富野ファンだったという小説家の福井晴敏により執筆した『ガンダムUC(ユニコーン)』が映像化。しかも公式にガンダム史の一つになったのだから恐ろしい。元々はガンダム作品の小説版を書いていたようだが、そこから派生してオリジナル作品になるとは…。
小説から映像化というのは、ガンダム史上初になるのかな?挙げ句にその小説家が、もともと軍事ものの小説を真面目に書いていて、それなりに著名というある意味夢の企画である。
まぁーもともと亡国のイージスとかは、どう見てもガンダムな話だったしね。
自分は映像見た後、対応した小説を読むスタイルにしているので、本作の小説版も読んでます。
ちなみにこの作品を見るのは6回目ぐらい。ただ小説読んでからだと初めてかな。
とりあえず、小説の内容は大部削除されてるね。特に冒頭。
冒頭読むのに大部労力を使ったけど、本作ではその冒頭が恐ろしく短い。
自分的にはそれが良かった。
ちなみに書いたあらすじがだいたい小説1巻の内容にあたるかもしれない。(苦笑)
さて豆情報はこれぐらいで。
本作の一番驚きのところは、連邦軍の描写がほとんど無いと言えるとこ。連邦軍の主要キャストは一切喋らなかったはず。
それが正直、サイレント映画の心意気を感じさせてくれて、逆に良い方向になっていると思う。
ある意味がっかりポイントかもしれないけど、映像だけで楽しますという心意気は大事なことです。

原作小説との違い

またこれは小説読んでから気がついたのですが、連邦軍のMSの動きがぎこちないのが印象的。
これは小説内では、平和ボケしてろくに軍事演習もしていないパイロットたちが、なりふり構わずに戦っちゃ行けない場所で錯乱して戦うという部分を上手く映像に込めたというわけです。
こういったのが小説読んでからだと細かに描かれていて、すっごく驚き。
多くの要素を1シーンにとても詰め込んでて、なかなかよく出来た作品だと思いますよ。
問題は前半がガンダム登場しないので物足りないのと、ガンダムが登場したら作品が終わってしまう怒濤の第一話。(苦笑)
挙げ句に続きは半年先となるのでこれはなかなかの拷問。
個人的に良かったのがバナージのキャラクター。
無口なキャラだった主人公が一時だけ感情を爆発させるシーンがあるんですが、異常なテンションで、それがガンダムらしいなぁーと実感。
あと今回はセリフが少ないけど、小説原作だからか大部堅いセリフが多いのも印象的。
大人のガンダムというのを実感させてくれる。
キャラクターデザインが初代ガンダムで担当した人なので、妙に古くさいのだが、それこそがガンダムの原点であって、近年の腐女子狙いのキャラデザとは違い、渋くて良い。
漢のガンダムが帰ってきた!!
そういう印象の受ける、熱い作品だ。

2回目の感想の追記

ガンダムユニコーンも映像化されて早くも4本目。購入した4作目のBlu-rayを視聴し、また1から見ようと思い、再度の鑑賞に至ったわけですが、小説も『重力の井戸の底で』まで読了したわけでして、当初より作品に対する視点も変わった中での鑑賞というのもなかなか乙なものです。
とりあえず、『ユニコーン』は良作だなぁーと。
本作は持っている『ユニコーン』シリーズの中で唯一のDVDなのですよ。凄く惜しい。色が若干淡いのが切ないぜ。パッケージの大きさも違うしさ。

映像化折り返し地点からの再度の検証。

今思うと、この時点での主人公であるバナージのキャラがかなり違った印象を受ける。
4巻の時点でもまだ自分の立ち位置が明確でなく、どうして良いかもわからない状況ですが、この時点では、完全に空虚な少年でして、特に目が死んでる
つまりまだ主人公としての役割を果たしていないわけで、あの独特な熱がないわけです。
そもそもまだ1巻ですしね、作品としての方向性も明確ではなかったわけで、そこからのボーイ・ミーツ・ガールですよ。
その運命のボーイ・ミーツ・ガールにより本来の宿命に引っ張られてしまうバナージはガンダムの世界に取り込まれてしまうわけです。
彼を巻き込みたくない事情がある登場人物の数々ですが、結局バナージは…。

名言の数々

本作の特徴は名言が結構あることだと思う。
連邦軍に突撃する不利な状況にあるジオン軍の兵士が
「地球に魂をつながれた犬共が」
と言って突撃するシーンがあるわけですが、その思想とかマジでガンダムだなぁーと感嘆。
またさりげなくバックボーンに連邦軍側は、しばらく実戦をしていなかったという戦争への詰めの甘さというのがあって、そういうのがあって、連邦軍のロボット達の戦い方ややぎこちなく、むしろ悪者にも見えたりするんだよね。そういう小説で描かれている設定を裏設定としてかなり導入している伏がかなり多いのが、このユニコーンシリーズの特徴で、そこが緻密で良いとも言えるが、逆に見ている側に想像力を委ね過ぎてるとも思えるんだよね。
また戦闘が始まってからのBGMの精度が異様に高くて凄く興奮するよね。
そして無作為に死んで行く人たちの姿が安易に「戦争の始まり」を予見させるわけですよ。

動き出した運命

ボーイ・ミーツ・ガンダム。
オードリーを救いたい一心でバナージは偶然ガンダムに出会ってしまうわけです。これは最早主人公としての呪い。
そこでカーディアスというガンダムの開発者に会うのですがそこで意味深な会話を繰り広げるわけです。
「内なる可能性を以て人の人たる力と優しさを世界に示す」
「人間だけが神を持つ今を超える可能性という内なる神を」
「自らを律し尊厳を取り戻さなければ」
「共に行くには、世界の重みを受ける覚悟が…」
この会話の果てにバナージは主人公になったわけです。
そして最後の最後でガンダムが起動し、ガンダムの力が発動し、1巻は終わりというわけです。

完全なプロローグ

というように本作は、ガンダムが起動するまでというかなり絶妙な所でエンディングを迎え、主人公とヒロインぐらいしか台詞も無く、ライバル的存在はお目見え、もしくは台詞もないというかなりのプロローグ的立ち位置が強い作品となっています。
またジオン側のキャラクターは多く描かれますが、連邦側は全く描かれず意図さえよくわからないわけです。謎ばかり掲示されたようで、読み解くヒントはかなり多かったですが、それでも想像力が必要なわけで、もしかしたらきついかもしれないです。
しかし真っ当に考えて、本作の主人公であるバナージの個性をシリーズ的に見ても少年性を大事にしたと考えれば、結構楽しめる内容だったと思いますよ。
ボーイ・ミーツ・ガール
ボーイ・ミーツ・ガンダム
まぁーでも戦闘シーンの無言さがちょっと気になったり、コロニーで無下に死んで行く人々や、連邦軍の戦争を知らない人たちの困惑ぶりが描かれたらもっと面白かったと思う。
見る側にややある程度の能力を求めた作品だったかもしれませんね。
でもかなり高水準え濃密な1時間の賞味だったと思います。これからも同一の質を維持するのだから凄いんだよな。

3回目の感想

新作のガンダムユニコーン宇宙と地球が3月に公開ということもあって、ついついまた見たくなってしまって流してしまった。
もう結構書いているので、もう書くことも無いが、とりあえず好きな一本。
ただMS戦はあるもののプロローグ感が強く、主役機体のユニコーンが最後だけ出てくる程度で、活躍も少ない。
またシーンの工夫もパイロット版とあってまだまだ少ない。シリーズ全体を通しても面白さは低く、回を追うごとに面白さが低くなる感じになる。
しかし出来自体はとても良い。山場が人間ドラマとプロローグとあって、この程度の評価が妥当かと。キャラクターもほとんど出てきていないのでまぁー仕方ない。とりあえずこれDVD版なわけで、Blu-rayをそろそろ買いたい。

4回目の感想

ブログを再開して1発目がガンダムというのもなかなかのガンオタっぷりだなって思う。
いつの間にか本作のBlu-rayも購入しているわけですが、なかなか再鑑賞はせず。
しかし2018年11月に、ユニコーンシリーズに続く最新劇場映画で『ガンダムナラティブ』が公開される。
せっかくなので久しぶりにシリーズ再鑑賞をしよう!!
と言うわけで、一気に身始めました。

初めて見てから8年。(え。そんなに経ったの?)
あれからガンダムを取り巻く環境もだいぶ変わったなぁ。
もう平成も終わるけど現代のガンダムのスタンダードがこのユニコーンガンダムと言っても過言ではないような。
お台場のガンダムがユニコーンガンダムになってしまい、そこに訪れる海外の人たちの数々。
ユニコーンは海外展開にも成功したようで、平成ガンダムとしてスタンダードだったSEED、そしてアナザーガンダムの歴史。
それを懐古厨とも言える本作の大ヒットのおかげで、『ガンダムNT(ナラティブ)』が公開決定し、更にその後もユニコーンガンダム2、そして小説とゲームのみの登場だった『閃光のハサウェイ』のやっとの映像化。
そのまま宇宙世紀シリーズとしてF91までの空白の時代を描くようで、
今作のヒットは、サンライズの新しい方針を生み出した。
宇宙世紀はアナザーガンダムよりも金が稼げる!!
少年のガンダムファンが社会に出て、疲れ果てた心を最高画質で作られたガンダムを見て癒す。
男らしいキャラやゴリゴリの渋い歴史を感じさせるMSたちが動くだけで涙し、壊れれば涙を拭う。
その1人が自分であることは言うまでもないが、
「ああ俺が死んでもガンダム続くんだろなぁ。」
と無限に続く宇宙世紀や増え続けるガンダム、語り継がれる戦争、それを見きれないことがただただ悔しく思って見たりする。
まぁそれは映画もそうなんだけどね。。。。

そんなどうでもいいことはさておき、本作の概要としては、キャラ少なすぎ、台詞少なすぎ。
でもずっと眠らせてたような名車の数々がちょっとハイセンスになって出てくるってだけで、本当におっさんガンオタホイホイ。
まぁ要するに
ボーイ・ミーツ・ガールで歴史が動く

本当にそれに尽きる。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 5/10
・映像のアプローチ 8/10
・映画の美術面 7/10
・キャラクターの魅力 6/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 7/10

his0809
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66点

ガンダムUCシリーズ感想リンク一覧

◯機動戦士ガンダムUC/episode 1 ユニコーンの日 ◯ 66点
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