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◎【ネタバレ】ハドソン川の奇跡「IMAXさえも使いこなすイーストウッド」【85点】◎

「無敵のイーストウッド」

アメリカ2016年アメリカ映画作品アメリカ
監督
クリント・イーストウッド
(『グラン・トリノ』『ミリオンダラー・ベイビー』『許されざる者』)
出演
トム・ハンクス
(『ダ・ヴィンチ・コード』『フォレスト・ガンプ/一期一会』『プライベート・ライアン』『グリーンマイル』)
アーロン・エッカート
(『ダークナイト』『エンド・オブ・ホワイトハウス』『世界侵略: ロサンゼルス決戦』『サンキュー・スモーキング』)
ローラ・リニー
(『トゥルーマン・ショウ』『ミスティック・リバー』『エミリー・ローズ』)
アンナ・ガン
(『ブレイキング・バッド』)
本当にイーストウッドが監督してんのかよ?

2016年のイーストウッド監督の映画監督作品。
86歳での監督作品だよ。本当にいつ死んでもおかしくないぐらいの高齢だよ。
そんな人が監督しているのかよ!てかすげぇよ。
だって普通に面白かったもん。
地味な人間ドラマにまとまった映画かな?
と思いきやそんなことなかった!!
本作は、2009年1月のアメリカ、ニューヨークで起きた航空事故であり奇跡を元にした作品。
ニューヨークから出発した飛行機が、鳥の衝突の影響でエンジンが停止。
機長の判断で、近隣の空港に戻ることなく、ニューヨーク州とニュージャージー州の間を流れるハドソン川に不時着した。
しかしこの不時着は、本当に正しかったのか?
事故調査委員会はフライト・データ・レコーダーの記録を元に調査の過程で、エンジンはまだ致命的な故障をしておらず、空港に戻ることが可能であったと発覚。
機長であるサリー(トム・ハンクス)の判断は、乗客を危険に晒し、さらには川に不時着させたことにより機体を破壊する莫大な金額のかかる過失であった可能性が浮上。
しかし不時着をしたサリーと同席した副操縦士のジェフリー(アーロン・エッカート)は自分たちの判断こそ最善であったことを信じていた。
二人の操縦士は間違っていたのか、あの奇跡は過失だったのか?
トム・ハンクスの良きビジネスマン映画再び!!
『ブリッズ・オブ・スパイ』に続く、トム・ハンクスが男として夫として父として、そして働く男、ビジネスマンとして正義をなす一本。
またも普通の男でありながら、職務を全うしただけで、奇跡を起こすという最高の映画が爆誕。
今、トム・ハンクスが熱い!とか言いたくなっちゃうぐらい、昔からトム・ハンクスが好きな人は嬉しい一作。
しかも前作がスピルバーグで、今作がイーストウッド。
巨匠二人が、職務を全うする男の素晴らしさを描き、普段奴隷のように働く、我々おっさん達に、仕事をする喜びを教えてくれる。最高だ。ありがとう老人。
映画の構成がうまい!そして見せ方もうまい!端的に部分部分の切れ味を高めて、上質な映画作品になっている!!
予告や宣伝だけ見れば、どう考えても本作が地味な美談の映画化と想定してしまうが、
作品はそれを裏切ってくれる。
監督は本作をどう映画化することが正しいかを知っていたかのように、本作の内包するアクション要素を極限まで引き出し、映画の撮り方、構成の仕方で、美談を非常にスリリングにし、パニック映画として恐怖を与えてくれて、またアクション映画のようなダイナミックでそれでいてマンパワーを非常にカッコよく見せてくれる。
ある意味ではNYをたたえており、911以降の悲しみの満ちたNYに喜びをもたらせた。
映画では、あの不時着事故をなんども描く、あの恐怖の日を、更には微かな追加点と一部始終、より詳細な状況描写と徐々に、最後の最後では、克明すぎる映像化に、不時着の恐怖を体感するぐらいスリリングになっていて、すごかった。
また不時着後のNYの警備隊の人々やフェリーなどの映像が非常に迫力満点。
水しぶきが飛んでくるような迫力が映されている。
そういう細かな演出の積み重ねが、本作を美談から一流の上質な映画作品に料理されており、最高。
IMAXカメラでの撮影がより映画を魅力的に!
本当に86歳の監督作品かと、何度聞いても疑ってしまう。
86歳がIMAXカメラ映画を撮るってすごすぎる。
本作はIMAXカメラで撮影された作品で、通常のスクリーンサイズと違ってよりでかい!!ちなみに本作はIMAXシアターならそのままのサイズで鑑賞できるが、通常のシアターだとカットされてしまう。
もちろん筆者はIMAXシアターで見た。本作はそれにふさわしい素晴らしくパワフルな映画だった。もしIMAXで干渉しなかったら、こんなにパワフルだと思わなかったかもしれない。それぐらいIMAXは効果的に映画を変えていた!!
アーロン・エッカートはアカデミー賞を狙えるのでは?
本作を見終わって、トム・ハンクスも最高だったけど、副操縦士を演じたアーロン・エッカートも最高だった。
やはり最後のフライトレコーダーの確認のシーンでのやり取りとその後の会話のシーンのあの笑顔は、とても演技には思えなかった。
アカデミー賞から遠い時期の作品なので厳しいと思うけど、入ったら嬉しい。
メモ得点メモ
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど  8.5/10
・映像のアプローチ 8.5/10
・映画の美術面 7/10
・キャラクターの魅力 9/10
・音楽 8/10
・上映時間と個人的趣味 9/10
85点
いつもこういう映画を見ると『奇跡体験アンビリーバボ』の方が面白いんじゃないかな?とか思うけど、今作は絶対こっちの方が面白いと思えた。
やはりそれは映画の構成だったり、映像だったり、そういう映画だからできるアプローチを高めたからだと思うし、そういうとこも考慮してイーストウッドの圧倒的な経験が
映画を重厚にして上質でラグジュアリーなものにしたんだなって思う。
今年のベスト候補に入れたい一本。
相変わらずトム・ハンクス好きだ。仕事を誇りと思う姿は憧れるし、そういう風に仕事に思い入れを持てるようになりたい…

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