「達人たる風格」
2010年香港制作
出演
ドニー・イェン
(孫文の義士団)
サモ・ハン・キンポー
(燃えよドラゴン)
予告編
あらすじ
1作目の『イップ・マン 序章』直後の物語。色々あって中国から香港に逃れてきた詠春拳の使い手イップ(ドニー・イェン)の妻と息子。
香港で武館を開いたのだが、全く門下生が来なかった。金も尽き始め貧乏になっていくイップだった。
そしてある日、ついにイップの元に門下生希望っぽい道場やぶりの若者ウォンがやってくる。イップに挑むウォンだが、イップの前に歯が立たず、仲間を連れてくるがそれでも歯が立たず。ウォンとその仲間達は、イップに弟子入りする。しかし彼らもまた貧乏だった。だがイップは、お金がない奴からは、そこまでお金を徴収せずに、拳法を伝授するのだった。
そんなある日、ウォンはイップの武館を広めるべく宣伝用紙を巷で貼付けていると、それを見つけた洪拳の使い手と一悶着を起こしてしまう。
その話がイップのもとに舞い込み身代金を要求されてしまう。
ウォンを救うべくイップは交渉場所へ。
そこで洪拳の使い手達に襲われるイップだったが、イップの前では皆雑魚だった。
だがそこに洪拳の武館の経営者であり香港の武館の元締めであるホン(サモ・ハン・キンポー)がやってくる。
香港では、武館を開くには武館長との戦いをして、勝ち残った者のみが開くことが許される決まりがあったのだ。
後日、イップはその戦いの場に赴くのだった…。
しかしまだイップの苦労は絶えることは無かった。
2011年11月24日公開
感想
猫パンチの嵐。
新宿武蔵野館で映画を見た際(確か『ゲーマー』だったと思われる。)に予告編で知ったのが、本作『イップ・マン葉問』。
自分でも貼った予告編の内容が楽しめれば、本作を見た方が良いと思われる。あれ正直だいたいのハイライトだと思います。
予告でやっていた通りの猫パンチの嵐が本作の見所と言ってもさほど問題は無いだろう。そういう映画です。
主演は、ドニー・イェンで、自分はこの映画の予告編で知ったけど、先日見た『孫文の義士団』でも同様にすんごいアクションを披露してくれまして、本作では、詠春拳の達人として主人公を演じています。
そもそも本作は『イップ・マン2』だったりするわけでして、前作のだいたいのあらすじをオープニングで紹介してくれますが、それがかなりちんぷんかんぷん。
wikipediaで調べた所、どうやら日本が悪役として登場して、空手VS詠春拳という胸熱過ぎる映画のようです。1も見たい。
なんだか色々と日本軍の策略で友達の命を奪われたりしたりして、中国からイギリスの植民地である香港に流れてきたイップが道場を開く所からお話は始まるわけですね。
ブルース・リーの師匠。
そういえばwikipediaで調べたら完璧にあらすじが全部載っていてね。自分も参考にしてあらすじを書いていたのだけど、この映画って、どこであらすじ終わらせれば良いかわからないね。(笑)
なんだろ。話の中での一番の盛り上がりが定まっていない。
映画の宣伝であるように「ブルース・リーが使っていた詠春拳の師匠は偉大な人物だった。」というわけで、その詠春拳がいかにして凄いかが描かれているわけでして、アクションの技術はピカイチだと思われる。
一応話しはあるが、詠春拳の凄さを体現すべく、設定を与えているだけであって、実際話はそこまで大事でも無いのかもしれないが、それでも無難に映画としてのカタルシスはあったと思います。
映画としてはジェット・リーが出演した『スピリット』という映画に似ていると思いました。
そもそもあんまりアジア圏の映画は知識が少ないのですが、ハイライトである終盤の異種格闘技戦は、似ているのでは?と思いましたが、こっちの方が渋く実話よりかもしれません。イップは死なないし。(笑)
カンフー映画って感想を書くの難しいな。
カンフー映画の素人として、本作はすっごく面白かったと思うんだよね。
映画っぽい「ワター」「アチョー」のような滑稽さと力強さの前に達人たる風格を描いている点が面白いと思えて。
またガチっぽい拳法の達人たちによる力比べという胸が熱いシーンにドニー・イェンよりも歳が行った方々が結構ガチな戦いを見せてくれたり。
カンフー映画のアクション指導として多大な功績を残しているサモ・ハン・キンポー自身も洪拳のマスターとして出演しているのも面白くて、それでいて強いのも胸熱だし。そういった説得力があってカンフーシーンは非常に良かった。
それでも話的にはちょっと滑稽過ぎたと自分は思うんだよね。金が無いはまぁー仕方ないとしてもそういったドラマ面のしがらみがやや映画の突抜を抑えてしまっているような。
最終決戦は異種格闘技になるのは、自分としては面白かったし、拳法がさりげなく卑怯だったり、まぁーイギリス人も最低だったけどね。ちょっと『酔拳2』的面白さがあったとも思うけどね。
でも1でもそうだったけど、『イップ・マン』という映画はデフォルメされた悪役を描く傾向があって、1作目を日本にして2作目をイギリスに置いているとも思えるし、実際そういうのがあったとしても、ちょっとやり過ぎだったとも思える。一応実話らしいのだが、どの面において実話で、何故ラストにブルース・リーが出てきたのか?何が映画の話として重きを置いていたのか?今思うとやや疑問に思える。
だが映画内においてのアクションは凄まじく見応えたっぷりで、とても面白い。ドニー・イェンの時折見せるアクション内に潜む礼儀など一見の価値もあるし、非常に頑張っている映画だった。話よりアクションを評価したい。ネタ映画として良作。
得点
8点
ネタとしても実用的な映画。サモ・ハン・キンポーのアクションも大注目!!
イップ・マン 序章&葉問 Blu-rayツインパック 7258円
衝撃のBlu-rayは1と2セットでないと買えないシステム。単純計算一本3800円計算なので、普通に買わないでしょ。1本2000円が相場の内容だと思われる。
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