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○【76点】イップ・マン 完結【解説 考察 :シリーズの終活はいつものやつ】○

イップ・マン 完結

製作

2019年香港映画

社会派国際
アクション映画完結!

監督

ウィルソン・イップ
・イップ・マン 序章
イップ・マン 葉問
・イップ・マン 継承
・導火線 FLASH POINT

キャスト

ドニー・イェン
・イップ・マン 序章
イップ・マン 葉問
・イップ・マン 継承
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

ダニー・チャン
・カンフーハッスル
・イップ・マン 継承
・少林サッカー

スコット・アドキンス
ドクター・ストレンジ
エクスペンダブルズ2
・アクシデント・マン
・デッドロック 絶対王者ボイカ

あらすじ

1964年香港。
この地で詠春拳の道場を営む
イップ・マン(ドニー・イェン)。
5年前に妻を亡くし、
10代の次男と二人暮らしの彼は、
60歳を前に医師より肺がんの申告を受ける。

残された日々をどう過ごすか、
次男との関係もうまくいっていない中、
彼が学校で暴力事件を起こし退学してしまう。
彼の将来を更に悩むイップ。

同時期、謎の黒人がイップ不在の道場に現れる。
言語が通じない弟子は彼を道場破りと思い、
唐突に戦闘が始まるのだが、
彼はイップの弟子、ブルース・リーの弟子だった。
アメリカに渡ったブルースは、
詠春拳の本を執筆し人気を得た。
そして今度サンフランシスコで行われる
国際空手道大会に出場するので、
その招待状をイップに渡す為にきたのだ。

強引に渡して去った黒人。

イップは当初病のこともあり行かないつもり
であったのだが、将来孤独になる次男の為、
アメリカに彼を留学させることも考え、
息子との関係が悪い中、アメリカに飛び立つ。

サンフランシスコに到着した彼は、
アメリカに移住してた友人に
チャイナタウンのリーダーの
太極拳の達人のワンに、
紹介状を書いてもらうために、
チャイナタウン拳法達人の会合に参加。

しかしそこでイップを待ち受けていたのは、
ワンたちによるイップの弟子ブルースによる、
白人に対する拳法の
安売りにへの報復だった。

ワンはブルース(ダニー・チャン)
の行動を止めることを条件に
紹介状を書くことを提案。
しかしイップはそれを断り、
突如詠春拳VS太極拳の前哨戦が始まる。
後日決闘を押し付けたワン。
イップは他の方法で息子の学校の紹介状を
手にしようとする。

弁護士の紹介状など、いろいろ手を尽くしたが、
うまくいかなかったイップは直接学校に向かう。
だが学校側は巨額の献金がなければ、
紹介状がないと入学できないと断る。

その帰路、校内でアジア人女子生徒に対する、
凄まじい暴力事件を目撃したイップは、
彼女を救う。
アメリカでも戦時中のような
中国人への嫌がらせは行われていた。

彼女を救い、
家まで送る紳士イップ。
だが彼女の父親はワンだった!
紹介状のため娘を利用したと
勘違いしたワンはイップとの決闘を決意、
行き違いの中ワンの挑戦を受けるイップ。
詠春拳と太極拳の決闘が勃発する!!

サンフランシスコの米軍基地では、
ブルースの弟子の1人が、
米兵の訓練に詠春拳を持ち込もうと考えた。
だがレイシストの教官バートン
(スコット・アドキンス)はそれに怒り、
米軍内で浸透している空手こそが
最強であると黒人兵士をぼこぼこにしたり、
彼にも嫌がらせを行なっていた。

2020年7月5日劇場鑑賞 2020年31本目



イップ・マン 完結

2008年に公開された『イップ・マン 序章』。
あれから12年で4作目の本作でシリーズ完結!

ウィルソン・イップとドニー・イェンのタッグで
実在した詠春拳の達人を描いた本シリーズ。
本作は実際の出来事を
もとにしたフィクションで、
もちろんイップはアメリカに渡航し、
ブルース・リーの活躍なんて見てない。

今作はフィクションとしての
映画シリーズの完結として、
イップ・マンという物語の終焉を描いた。

カンフーを正義のために用いてきた男

完結編だから集大成というわけでもなく、
とりあえず不良息子の将来のために、
余命を知ったイップの海外渡航物語。

そこでは愛弟子ブルース・リーも登場し、
見せ場もちゃんとあり、
アメリカで暮らす達人たちも登場し、
結局過去作と同様の展開で、
戦うことになっちゃうイップ・マン。

いつものイップ・マンなのには、
完結編としての
嬉しさと物足りなさが共存。

しかしどの作品でもイップさんの戦う理由が、
力の誇示するという
ストリート・ファイト的な要素ではなく、
避けることのできない、
正義のために戦って、
ものすごくかっこいい。

また今作では最終盤での戦いの時、
圧倒的な実力者に対して、
拳法が本来殺人拳であることを思い出させる
急所への攻撃の数々と、
決着後の高揚感のない、
殺人行為の虚無という無情な空気が、
ただただ悲しかった。

その後の

静かに終焉へと進み、
あくまでも人間として余生をどう過ごすか、
選択し、そして最後の葬式の一連が
終活映画として逸脱でした。

史実ではないが、
拳法で第二次世界大戦終結から
ひたすら中国人に対する差別意識と
戦い続けたイップ・マンの寿命での終焉。
人の差別意識は今もなくならない。
どの拳法が上か下かという面も変わらない。
それぞれの良さを認められない人間の狭量、
その価値観との戦いに立ち向かった

『イップ・マン』シリーズは
カンフー映画というジャンル要素に対して、
社会派で国際要素を持ち込んだ無二の作品だった。

空手VS詠春拳

本作では再度イップ・マンの前に空手使いが
立ちはだかる。

1作目で日本占領に伴い、
日本兵の嫌がらせに立ち向かったイップ・マン。
最終的には空手使いとの武道家としての
決戦が描かれた。

2作目ではイギリス占領下の香港の為、
ボクシングとの戦いが描かれた。

3作目でも香港の為、
ボグシングとの戦いもあるが、
最終的には同門同士の戦いで、
最高潮の盛り上がり。

そして4作目では、
渡米したイップ・マンを待ち受けたのは
米軍内部で浸透した空手文化が、
再度イップ・マンに立ちはだかる。

根本的には、
白人至上主義のレイシスト、
移民差別がイップ・マンの怒りの火を灯す。
しかし空手使い、
此奴がなかなかの猛者だった。

詠春拳を米軍に広めようとしたが、
空手こそ最強!という
ありがたい悪役設定の教官がいて、
そいつがめちゃめちゃ強い!

というか体格的、
パワー特化なムキムキな米軍にとって、
直線的で物理特化な攻撃パターンの
空手はとても友好的なのではないか?
と思ったわけで。

そりゃ米兵には向いているのでは?
と思わざる終えないほどの
スコット・アドキンスの体格映え。
ひどいくらいの鬼軍曹レイシストだったのは
笑けてくるのだが。
この俳優さん過去に
『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』で
ライアン・レイノルズのダブルだったのか。
だから顔面とかがライアン・レイノルズに
似ていて、クソ悪役ぶりにちょっと笑けた。

そんな彼に詠春拳は強いゾォ!
と説いても流石に。。。
というのもあるが、
いやそれよりも体格ごとに向いてる格闘技も
ありそうだなぁと。
ロバート・ダウニー・Jr.は
詠春拳習ってたんだっけ?
その辺りに多角性が最後描かれても
よかったなぁとか思ったり。

どこか中国人の立場を高めたいという、
卑屈な思考が全体を漂うのが、
本シリーズのプロパガンダ要素が
あるのがいやだな。

また空手が沖縄というか日本発祥なので、
どこか日本に対しての憎しみもあるのかなと。

ドニーさんの達人感やば

まぁそんなことよりも詠春拳を使う
ドニー・イェンはすごいなぁ。
どのカンフー映画を見ても思うけども、
達人は全員達人にしか見えないのがすごい。
俳優でしかないのになぁ。
太極拳の達人のウー・ユエもそれにしか
見えないし、途中で
ストリート・ファイターでこのムーブ見た!
って思ってしまったもんなぁ。
カンフー映画ってやっぱり面白い、

ブルース・リーに痺れる

今作はif要素の強く、
ブルース・リーとイップ・マンが共演。

アメリカでの空手大会の後に、
空手使いからの挑戦上に
ブルース・リーが受けて立つ!
雑魚を倒した後の
ボスの自己主張がめちゃめちゃ笑えた。
しかしその後の、
空手使いからのヌンチャク披露からの
ブルース・リーに渡った後の圧倒的強さ。

ブルース・リーの映画は1本しか
見たことないが、
これを見たら見たくなってしまうなぁ。

貴重な骨太カンフー映画シリーズが
完結してしまった。
次なるカンフー映画を待ち望む。

hisSCORE

・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 7/10
・映像のアプローチ 8.5/10
・映画の美術面 7.7/10
・キャラクターの魅力 7.6/10
・音楽 7/10
・上映時間と個人的趣味 7.5/10

76点

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