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◯009 RE:CYBORG 2012年度96本目◯「現代に蘇ったとしても大衆向けじゃない。」

「この映画の後始末はどうすんのよ。この先の人類は何を思う?そこから逃げたのは良くなかった。」

$『A Little his REDEMPTION.』映画オタクの映画批評~season Ⅶ~-009 RE:CYBORG
日本2012年日本映画日本

監督
神山健治
予告編

あらすじ
2013年2月。上海にある高層ビルが爆破テロにあい、多くの人々が死んでしまう。
それは2013年1月から同時に多発していた連続ビル爆破テロに関連しているように思え、上海でのテロは33番目の被害地だ。
高校生の島村ジョーはその上海でのビル爆破事件に並々ならぬ関心を抱き、ボソボソとつぶやきながら、爆弾を持って出かけるのだった。
同級生のトモエと共にデートのふりをして六本木ヒルズに来た島村ジョー。そこで彼は、謎の声に従い、自爆テロを起こそうとしていた。
しかしそれより早く、米軍による謎のミサイル攻撃に遭遇し、六本木ヒルズ近辺は壊滅し始める。
その最中、サイボーグであるジェロニモとフランソワーズは、サイボーグとしての記憶が封印されたままのジョーの記憶を復活させるべく、荒療治でジェロニモは能力を使い筋肉組織を肥大化させてジョーに襲いかかる。またフランソワーズもまたジョーを信頼して、決死の行動に移る。
なんとか記憶を取り戻し、加速装置を起動させたジョーは、フランソワーズを救出。
そしてサイボーグ部隊を製作したギルモア博士のもとに集まる。
だがジョーは己が、この計画に加担しかけていたことが、ひっかかってしまう…。
各地のサイボーグたちもまた集合がかかる前に所属していた組織から独立し、ギルモアのもとに集まるのだが…。
2012年10月31日鑑賞
レポート
サイボーグ009の新映画版『009RE:CYBORG』見てきました。
原作はデザインしか知らなくて、神山健治の作品はほとんど見てない。
という変な立ち位置の映画好きとして、へぇー「009って現代の技術で映像化されるんだー。皆特殊能力あるし、主役の声『ガンダムダブルオー』の刹那と声一緒(宮野真守)だから見よ!!」ということで、見たのです。前売り買って3Dで見たよ。
どう感想を書けば良いかよくわからないが、第一印象としては、そういう中2みたいなくどくどした話しは卒業したんだよな。というのが本音。
確かに映像、特にサイボーグたちの2012年にリデザインされた外見や特殊能力の演出の数々はとても見ていて気持ちよかった。また3D映画として地味に立体感があって良かった。
だけども全体のプロットがちょっと面倒臭い。
痛快な娯楽作品として楽しみたかった観客としての本音があるのだが、そこは原作が石ノ森章太郎ということもあるわけで、また監督が攻殻機動隊のTVシリーズを作ってきた人となれば、独特の映像演出や、少しずつ物語の核心を玉ねぎの皮を剥くように、中心に行くが、それが結局具体的に何かわからない、いやわかるけどもそれは視聴者の拡大解釈に任そうとするような、嫌にオタク的な読解力と物語構成を好んでいる。
それは物語の始まりからそうで、世界同時多発テロで高層ビルがこの一ヶ月に何棟も破壊され、またそれの犯人に全く繋がりも無く、冒頭にいきなり、主人公のモノローグ。というか詩が導入されて、主人公が夢遊病のようであるなら。もうそれは、どこか一般の観客を突き放し、また009という作品を『攻殻機動隊』という枠組みに当てはめたような、そんな神山009の幕開けになるわけだ。
またその話しの核心も宗教的?カルト的?な思想の果てにつながり、人間が心の中のネガティブさに誘導されているという考え方の方向性もやはりどこか、大衆向けではない。
好きな人は確実に好きな魅力的な話しなのだが、途中で、その解釈を講釈するシーンがあって、それが長々と良い声した人(大川透)が話すのだ。
それ自体で、映画のテンポはかなり悪くなっている。脳みそ的には良いが、結局人間ってのは15文字以上の文章を口頭で説明されても解釈できないようなものなので、高尚さをやはり見る側に押し付けてくる。
だが一応バランスはよく、アクションシーンは非常に見応えたっぷりで、敵なんて『人狼 JIN-ROH』のアーマーのデザインの流用だしね。(笑)
そして戦闘型のサイボーグたちが超大活躍。
しかしやはり高尚なプロットを扱っている為、終盤では、更に面倒臭い展開になる。
しかしその展開自体は良い。
今思えば、パンフレットを熟読して知ったのだが、サイボーグ009とはアメリカとソ連の冷戦が背景にあって、冷戦が終わったから本作のサイボーグたちも27年間休息についていたようじゃないか。
だがその冷戦も核戦争の手前の戦い、そしてまさに本作ではラストで核戦争が始まり損ねる。その件は良い。
だが問題はその後だ。
何故か登場キャラは皆無傷で、天国のようで天国で無いヨーロッパらしき場所で何事もなかったように説明なしで大団円を迎える。
本作では、なんと全く活躍しない00ナンバーも存在して、突如消えて、突如彼らは帰ってくるのだ。また各キャラが見た金色の少女の解説も無いのが、少し頂けない…。それはファンたちの解釈に任すという製作者の意図か、自分も少なからず考えはあるが…。
というわけで、1作目としてのリニューアルサイボーグ009としては、かなり切迫し過ぎて、ややエスタブリッシュショットが不出来とも言うか、色々それっぽい設定はあるんだが、やはりラストが締まらなかったのが強い。
しかもこの後の世界が本当に救いようがないのも事実で、これはちょっと配慮が足りない内容だなぁーと。
もう少し普通の娯楽、もしくは緩い、再誕篇からの本作とかだったら結構良かったと思う。
現代技術の加速装置とか見応えたっぷりだし、全身武器の方もダンディで良かったしさ。
あと本作ってセルアニメ風な3Dアニメ。
実際の所ドリームワークスやピクサーと同じようなものなんだけど、セルアニメを意識してるんだよね。だったらセルアニメでも良いとも思うが。
特にキャラクターが妙に丸くて凄く違和感があった。
あとアニメーションとしてデフォルメせずに生身の人間感を意識するならせめて俳優の顔の表情を取り込む技術、エモーションキャプチャーをつかって、一部の人間感の強いキャラなどは、それを効果的に利用して、圧倒して欲しかった。
まぁーそのツルツル感が違和感あってサイボーグみたいなのかもしれないが。
とりあえずフランソワーズの下着にはドキとして、20代後半の女子が高校生と情事を催すのはテンションがあがった。
フランソワーズってダッチワイフみたい。
得点
7
こういう話しは好きだけど、大人になるにつれて卒業した感あります。電波な感じだよね。
でもアクション演出とか凄く良かったと思います。
パンフは結構読みがいがあったけど1000円は高い。映画料金と変わらんではないか。
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