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【映画】エンド・オブ・ザ・ワールド 【感想】【ネタバレ有り】

2013年75本目 2013年6月25日Blu-ray自宅鑑賞
「本当に世界が終わる映画。」

エンド・オブ・ザ・ワールド Blu-ray
アメリカ2012年アメリカ映画アメリカ

その一言に尽きる。
この手の映画は、結局隕石がそれたりして、ハッピーエンドが定番だと思うけども、この映画は違う。
ちゃんと隕石が地球にぶつかって映画は終わる。
そんなこと言うとラース・フォントリアーの『メランコリア』と似ているようにも思えるけども、これは違う。
ちなみに2000年のエンド・オブ・ザ・ワールドではない。
エンド・オブ・ザ・ワールド 地球最後の日、恋に落ちるでもない。
似たを通りこして、同じタイトルの映画多すぎ。キングダムハーツのラストのステージとも関係ない。
主役はスティーブ・カレル
デビュー当時は、イカレた役が多かったカレルだけども、『40歳の童貞男』に出演してからは、イカレた役と同じくらい、ダウナーな中年おじさんが、危機に直面する役柄が増えているカレル。
今回も後者。
相変わらずヒロインは綺麗で、地味に愛おしいキャラクターとなっている。
鉄板カレルムービーだ!!
てかカレルの映画にハズレはない。これだけ多くのコメディ映画を見てきたオレが言うのだから、これは信憑性が高いというかオレはただのカレル好きだ!!
あらすじ?
そんな偏った視点でお送りされる今回の記事。
いや面白かったですよ。
他のことをしながら見ていたけど、結局見入ってしまったわけで。
まぁーとにもかくにも高い水準のカレル演じるドッジの平凡感が実に良い。
とりあえず幸せに生きていたと思った矢先に世界終了のお知らせと妻を同時に失う主人公。
元々子供もいない設定からかりそめの幸せを生きていたというのは、そこはかとなく感じられる。
そんな彼が、他の人たちとは違い、いかれることなく、冷静にこれからどうしようと行き詰まる平凡な感じにやはり観客は気持ちを重ねやすい。おれたちの人生終わりだ!!はっちゃけよう!!なんて、そりゃあ思えてもなんもできないのが凡人だったりする。
それを体現したカレルは、はめをはずすことは無いが、何故か昔好きだった人にすべてをかけるという痛い中年ぶり。
ただ、その半ばで映画のヒロインであるキーラ・ナイトレイに出会うわけ。
キーラ・ナイトレイ演じるペニーは、ドッジとは真逆の若くてしかもニート予備軍。音楽を愛するヒッピー系のビッチ。
先に言えば、キーラ・ナイトレイらしくないキャラクターだよね。キーラ・ナイトレイってもっと固いイギリス臭の強い女性だったり、清楚だけどパワフルとかのイメージが強かったり自律した女性像を体現させた役柄が多いように見えるが、今回は、感覚で生きるタイプの女性を演じる。
そんな二人が、ドッジの最愛の人を捜すというロードムービーに巻き込まれて行く。
道中では、世界が終わりなので、はめ外しちゃったり、暴走しちゃったりに巻き込まれ、終盤でようやく最愛の人のところにたどり着くわけだが、そこでドッジが出す「世界の終わりに誰と過ごすか?」という問題に、映画らしい答えを導くわけで、更には、ずっと確執があった父親とドッジは最後の晩餐も行い。
更にペニーに施しを与えるわけ。
そんな平凡中年おやじだったドッジが聖人君主になって行くのが、自分たちもこんな理想的な行動したいなーとか感心し感動させられる。
全ての終わりを悟り、厳かな死を受け入れるドッジの前に、なんとペニーが帰ってくる。
そして映画と世界は終末へ向かう。
ここでの終末は、『メランコリア』のような絶望はない。(いえーい!!終わりだ!!ってのもない。)
あるのは、恐怖とそして最愛の人に出会えたことへの喜びと感謝の気持ちだけ。
そして映画は終わるのだった。
人知を超えた力になす術の無い人類、でも決してバッドエンドではない。スウィートなビターエンドだ。
最初から最後まで凡人を貫くカレルが、人類において一番の宝とも言える愛情を示して幕を閉じる姿には、希望さえ感じさせてくれる。
またこの映画の上手い所は、家政婦のメキシコ人が世界が終わるというのに毎日ドッジの家を掃除しにくる。それに対して腹を立てるドッジだが、「首ですか?」と返答する家政婦に、ドッジは「違うよ。」と言うと笑顔で「じゃあまた今度」というのが、上手い。
むしろ彼女の存在がドッジをずっと地に足をつけさせていたのかもしれない。
得点
80
今年初見の自宅鑑賞の中では上位になる一本。是非見てほしい。
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