思い出、愛着、記憶
★この記事をまとめるとこんな感じ★
はじめに:ご訪問ありがとうございます
製作
2025年ノルウェー映画
分かり合えなくても魂で繋がる家族の真意
監督
ヨアキム・トリアー
・オスロ、8月31日
・テルマ
・わたしは最悪。
キャスト
ネタバレ あらすじ
2026年3月1日劇場鑑賞
2026年4本目
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概要:『わたしは最悪。』の監督の新作が私的に面白かった
◎家族の確執ものが好きな人には刺さる
2021年の映画『わたしは最悪。』の監督ヨアキム・トリアー、脚本のエスキル・フォクト、ヨアキム・トリアーのコンビ、主演のレナーテ・レインスヴェが再び結集した映画、『センチメンタル・バリュー』を鑑賞しました。
著名な賞レースでは、カンヌ国際映画祭で準優勝とも言えるグランプリを獲得。ゴールデングローブ賞では助演男優賞を受賞。
著名な賞レースでは、カンヌ国際映画祭で準優勝とも言えるグランプリを獲得。ゴールデングローブ賞では助演男優賞を受賞。
今作では監督の過去作に出た俳優陣が集結だけにとどまらず、アメリカ映画界で活躍するステラン・スカルスガルドとエル・ファニングも参加し、客層の間口を広げている。
内容は映画監督と舞台制作者の父と娘の確執が描かれる作品。
◎映画内映画みたいな構造が好きな人にはかなり面白い
映画ファンの大好きな“映画監督”というキャラクターがいるだけで楽しい
往年のアカデミー賞受賞監督のような立ち位置の父だが、その後15年以上作品を撮ってないという妙な大御所ネタがあるものの、その本質は捨てた家族への愛着に囚われているという事実だった。そもそも捨てたかったのか?捨てるしかなかったのか?監督自身が自分の人生を切り売りすることで表現者の苦しみを形成するタイプとも言えそうなキャラクターの想像が秀逸。主人公である娘もまた父と瓜二つの思想を持ちながらも、父への反抗と怒りにより映画とは違う舞台の道で生きるものの、本質的な人間性が遺伝しているので、わかりあえるきっかけさえ見つかれば2人は分かり合えるという幸せの道程が映画内で啓示されているのも上手いが、それを結ぶのが劇中でずっと調整役だった、結婚して子供がいる妹役というのが上手いし、そのやりとりのエモさが素晴らしく、号泣。
私自身気の強い4歳の娘とたびたび意見が合わず喧嘩になるが、やはり元を辿ると自分の性格にそっくりだなぁと思うところが強い。きっと娘も私に反抗しながらも私と同じ道に進んでしまうのではないか?そしてそんな娘のことを理解できるであろうけどその資格を与えてくれないだろうけどいつかわかりあえるのではないか?というこの啓示について、そうだよ俺もわかりあえなくても俺自身がわがままでも娘を愛しているんだと無駄に号泣してしまった。
そして仲介役の妹が何故か妻のように思えてどこまでも身勝手に私的に本作を楽しんだ。ありがとうございます。
映画として肉付けのうまさを感じたなぁと思う。
気が利いてる:エル・ファニングの塩梅
監督の作品傾向でこれまでの作品はヨーロッパ系の俳優で統一していたが今作はエル・ファニングが参加。助演の父もアメリカで活躍するスウェーデン出身のステラン・スカルスガルドだし、アメリカ受けという部分も考慮された絶妙な企画。
そのエル・ファニング演じる役が、映画界で若手として複数の作品に出演し高い支持を得ている俳優なのだが、映画の評価とは別物で、映画出演に対して懐疑的になり始めてしまったというサブストーリーにしては個性的で面白い。そんな彼女がコッポラとかジュゼッペ・トルナトーレのような監督の作品をたまたま映画祭で鑑賞して、そのまま監督と意気投合して、自分の映画製作、演技の可能性のために彼と全力でコラボレートするのだけども、その映画でキャラクターを演じているうちに監督の真意が見えてきてしまうという。確実にキャラクターとしても成長が見て取れる面白さ。劇中内で脚本のイメージもしっかり組んでるし製作指揮の監督の意図も組んでその上で、想像してキャラクターの人生を再現しようとしているんだけども、彼女の結末としてこの映画の持つ意味も理解してしまい、降板を願うというわけですが、映画としてはどこまでも娘と父、息子と母、姉と妹というどこまでも地味で重たい家族の物語に映画製作という入れ子構造を持ち込み華やかな若手ブロンド女優のエル・ファニングを登場させしかもどこまでも誠実なキャラクターで映画に違った味わいを出して面白さを引き立てるというどこまでも優れたチョイスに俯瞰して感動したのでした。
面白い:キャラクターそれぞれの肉付けのリアリティー
見ていてふと主要キャラじゃないところに視点を当てると、それもそれで面白かった。
妹も妹で過去に父の映画製作に抜擢されて高い評価を得たものの、そこから映画のキャリアは進まず、逆に渡米したと思える父に残されたトラウマを忘れられず、戻ってきた身勝手な父が自分の築いた家族である息子をまた自分のように映画製作に参加させる行為に怒りが積み重なるし、その父の考える母との悲しみを探るというめちゃめちゃ深い役柄で素晴らしいわけですが、個人的に良かったなぁと思ったのがその彼女の夫が面白い。
いい感じに養父との関係性が悪い、荷物を渡されて顔も見られない。父がいない時に姉と妹(妻)が会話をしている時は、また厄介な会話してるなぁという顔、他人の大きな問題には口を出してはいけないのはわかるけど口を出したいけど関わると悪口言われるからいやだというその感覚が絶妙に出てるの上手いなぁって。
その他で主人公の姉が劇団員の妻持ちと不倫してるわけだが、その彼が離婚間近となって、最近演技もなんかなぁと考えてた主人公がワンチャン結婚で幸せになれるかもと期待の視線を向けてその会話をした時のやんわり断る感じの間男の感じも妙にカラッとした天気ながら残酷で良かったです。
結局精神病んで全部投げ出しちゃう姉(根底がやっぱり父親似なのが熱い)が妹が父との和解を進める為に訪問した際に、妹の話無視して、一番制作者として馬鹿にしてそうな女子がワラワラ出てくる海外ドラマを見てる挙句、強制終了される展開がツボでした。
役者として蔑んでそうだけど普通に海外ドラマ見て気晴らしするんだお前という矛盾感こそ人間の本質な感じがしてたまらないです。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 9.4/10
・映像のアプローチ 8.4/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 9/10
・音楽 7.8/10
・上映時間と個人的趣味 9/10
88点
映像や音楽は良いが、そこが突出まではしなかった
脚本とキャラクターの強さに比べると、演出面はやや堅実寄り
全体的にしっとりとポジティブな映画で自分の人生にも勝手に希望を感じてよかった。
サブストーリーで自分がほっといた撮影監督が足悪くしてるのめっちゃ切ないけどそれでも自分のやりたいことを成し遂げる為にもう一度彼と仕事をする終盤がこの映画の本質たる『愛着のあるもの』を体現してて最高でした。
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