もし自分が中学生だったら、この映画を見た翌日、友達全員に勧めたね。
『マトリックス』で世に名を知らしめたウシャウスキー姉弟の2015年監督作品。
正直、『マトリックス』以降、興行成績や批評家の評価共になんとも言えない、微妙な存在だが、
自分たちの作りたいものを作りたいように作ることができる、誰もが憧れるポジションにいる奴らだ。
今作では、地球は実は、宇宙人の植民地だったというお話。
貧乏ヒロインが実は、その宇宙人の女王の生まれ変わりで、女王を殺した息子である現、王様に狙われるというなかなかきついお話。
やや子供じみている。
そのヒロインのナイト役には、最近気鋭の活躍をしているチャニング・テイタム。
DNAに狼の力を入れられた最強の宇宙兵士。
ちなみに主人公兼ヒロインはミラ・クニス。
お前、何歳だよ!!って感じだけども、もしウシャウスキーたちからオファー来たらどんなにひどい脚本でも彼らのイメージの一部になりたいとか思っちゃうと思う。
映画としては、なかなかひどい作品ではある。
シカゴを舞台に空中で戦闘機バトルや、宇宙を舞台に囚われのヒロインを救うとか、今まで数多く映像化されてきたような内容の焼き回しに、非常に子供じみたSFな脚本。
大人になった自分としては、この映画からは、悪いところばかり目についてしまう。
だが、もし自分が中学生や小学生だったら、先入観や経験を持たないまま本作を純粋に見ることができたなら、それはそれで非常に楽しい映画体験になったと思う。
王道作品だからね。
また色々なSF映画オマージュが随所にあるのも特徴的。
『オブリビオン』みたいだね。
終盤の舞台は、スターウォーズエピソード2のクラウドシティーみたいな絶景。
戦闘機シーンもスターウォーズみたい。戦艦のシーンは多種族で『スタートレック』みたい。
あと途中で未来世紀ブラジルのようなテリー・ギリアムのような世界観に映画がシフトするんだが、そこに本物のテリー・ギリアムが出てて、びっくり!!
ビジュアル面では『マイティー・ソー』の神々の世界にもにている。
あと結婚式のビジュアルはゲーム『FFX』ぽかった。
むしろオリジナル要素が誰得な空中スケートか。これをテイタムがやるからまた笑える。
全体的にオリジナル要素がなく、さらに一歩間違えればテレビゲームのような映像。
脚本も子供っぽくて、雰囲気も締まっていない。
だが映画愛は確かに存在して、見ていて笑える。
ひどい映画かもしれないが、嫌いになれないし、見て後悔はしていない。
ウシャウスキー監督は継続的に映画撮って欲しい。格闘アクションとCGを駆使して、『リベリオン』みたいな映画作って欲しい。
前作の『クラウドアトラス』よりも印象に残る映像がないのもざんねんだ。
テイタムの良さも引き出せていない。
ショーン・ビーンは手堅く裏切ったのに。笑
今のとこSF映画愛の表現が上手いのは、ダンカン・ジョーンズとニール・ブロムカンプですね。
得点
物語の面白さと上映時間 4/10
映画の奥深さと世界観とオリジナリティ 3/10
キャラクターの魅力 510
監督の映像演出と印象的なシーン、映像を使った話の描き方 5/10
音楽 7/10
俺の趣味 6/10
48点
酷ではあるが、こんなもんだったな。
でも全く嫌いじゃない。自分の映画の経験値が高いのがいけない。
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