「フランケンシュタインと怪物は別人だと知ってたかい?」
1935年米
story
フランケンシュタイン博士は、殺人者の死体を使い、人間を生み出す。だがそれは、子供を殺してしまい、その地域に住む人々はそれを怪物と呼び、怪物は、小屋と共に火の中に消える。
だが、その物語にはまだ続きがあったのだった。
死んだと思われていた、フランケン博士は一命をとりとめ、妻と共に、余生を過ごそうとするが、彼の昔の研究仲間が、彼の元を訪ねにきたのだった。そのプレトリアスもまた人間を自分の手で生み出そうとする邪悪な人間であった。フランケンは彼に協力を頼まれるが、彼の恐ろしさに断るのだった。
そして同じ頃、死んだはずの怪物はまだ生きていたのだった。
彼に怯える住民は彼を倒そうとするが、皆返り討ちにあってしまう。
逃げる怪物は、音楽につられ、山小屋に逃げ込むと…。
2010年度7月1日鑑賞
感想
恋人から借りて、見たのだが、この映画凄いなぁー。
時代は1935年というわけで、勿論白黒。
そして驚いたことに怪物がフランケンシュタインでは無く、彼を作った人間がフランケンシュタイン。
そして1も知らないまま、続編を見るわけだが…。
とりあえず、全体的な印象から言うと、本作は続編として、とてもよく出来ている。
前作が古典的なモンスター映画だったとしたら、本作は、そのモンスターに視点を起きながらも、どこまでも視野を広げ、人間の強欲さや、怪物の人間的感情など、さまざまな要素をふんだんに描いている。
怪物と目が見えないじいさんとの交流はとても面白い。
ただ本作は時代的にも撮影技術にやや難が有るため、今程滑らかな映像構成とは言い難い。
ただ、編集面の映像のぶつけ合いがなかなか斬新で、個人的には、モンタージュ理論的な自分の内面で映画を面白く受け止められる点が近代の映画には無い要素で、面白いし、ある種の芸術性も感じられて良い。
それだけで無く、本作が凄いと思うのは、美術面での暴走具合。
勿論、怪物のビュジュアルからして本作が内包してる、シニカルさは表現されてるが、フランケンシュタイン博士の対極として登場してくるプレトリアスの生み出すものもまた、ぶっ飛んでる。
独創的でありながらも、映画自体は実にまとまっているのが本作の凄いところだ。
また終盤の映画のセットが、時代を感じさせない程大掛かりで見事。
また芸術的思想の編集が、とてもシーンを緊迫させ、とても見事。
それでいてラストもまた映画の閉めにはふさわしいガジェットです。
得点
9点
近代映画の忘れてしまったものありますよ。
古い映画の見事さにお手上げです。
【いつも読んでくれてありがとうございます。またお越し下さい。】
by | 2010/07/05 06:04
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