潜水服は蝶の夢を見る
「個人をどこまでも探求した結果。私たちは彼になり。彼の気持ちになり。彼の人生は崩壊した。そして私たちは再生した。そして私たちには、潜水服はない。簡単に舞うことができる。そしてこの魂を表現出来るのは、私だけ。」
2007年仏米
STORY
目が覚めると声が出なかった。体が動かなかった。医師達は何か言っている。
どうなってるんだ。
医師達は、赤ちゃんを扱うみたいに、私に接した。私は、植物人間になったのだ。
私は…この前まで、富も名声も手にしていたのに…。
私の人生は崩壊した。
私の体は潜水服になったのだ…。
…死にたい
感想
ヤバい。始まって20分ぐらいからずっと泣いてしまった。こんなに個人のみを追いかけた映画初めてです。
撮り方に何一つ客観さが無くて、なんと彼の左目からの視界のみで映像を撮ってる。それが効いてか、いつの間にか、彼そのものに見てる側はなっちまう。だから彼の感じた絶望。希望。全てが直で自分にくる。すごい映画。
リアルマルコヴィッチの穴を体験してるような映画。
ただ、そのせいか、見てると最初酔うし、まばたきも再現されてる為気持ち悪くなる。個人をどこまでも追求してるが、この映画のすごいとこは、彼の妄想や思い出も映像化されてる。それがまた悲しかったり、微笑ましかったり。何気にエターナルサンシャインの要素も組み込まれてる。音楽もかなり奇抜でU2なども用いられていてヤバい。そして映画の構成もまた素晴らしい。ラストのシーンやエンディングの映像。彼はこんなにも崩れたのに、彼は再生した。(もちろん号泣)ゆだれが垂れるのを自分でもふけない彼に出来て、自分に出来ないことがあるのだろうか?この映画は本当に素晴らしい。2連続で見ようとしたぐらい。(笑)これは奇跡なんか?それとも示された道なのか?この映画を見たら、確実に人生観変わるわな。つうか本当にどこまでも自伝を完璧に自伝として作ってくれました。本当にどの演出も個人の中にいるような感覚。
得点
10点
こんなに泣いたのは、シンドラーのリスト以来。
しかも哀れみではなく、喜びや悲しみの涙。
この演出力に脱帽だし、俳優の力にも脱帽だし、脚色にも脱帽。撮影もすごい。すごい映画でした。
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