★この記事をまとめるとこんな感じ★
製作
2014年ドイツ・アメリカ・イギリス映画
監督
ウェス・アンダーソン
・ファンタスティック Mr.FOX
・犬ヶ島
・ムーンライズ・キングダム
・天才マックスの世界
出演
レイフ・ファインズ
・ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2
・ナイロビの蜂
・シンドラーのリスト
トニー・レヴォロリ
・DOPE/ドープ!!
・スパイダーマン:ホームカミング
・フィフス・ウェイブ
シアーシャ・ローナン
・レディ・バード
・ブルックリン
・ハンナ
・ラブリーボーン
・つぐない
トム・ウィルキンソン
・フィクサー
・イン・ザ・ベッドルーム
・フル・モンティ
ジュード・ロウ
・リプリー
・スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー
・クローサー
ウィレム・デフォー
・スパイダーマン
・シャドウ・オブ・ヴァンパイア
・フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法
・ジョン・ウィック
エドワード・ノートン
・アメリカン・ヒストリーX
・真実の行方
・ファイト・クラブ
・バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
エイドリアン・ブロディ
・戦場のピアニスト
・ミッドナイト・イン・パリ
・デタッチメント 優しい無関心
・プレデターズ
マチュー・アマルリック
・潜水服は蝶の夢を見る
・007 慰めの報酬
・ミュンヘン
ジェフ・ゴールドブラム
・ジュラシック・パーク
・インデペンデンス・デイ
・ザ・フライ
ハーヴェイ・カイテル
・レザボア・ドッグス
・バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト
・パルプ・フィクション
ジェイソン・シュワルツマン
・天才マックスの世界
・ダージリン急行
・ムーンライズ・キングダム
・スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団
レア・セドゥ
・アデル、ブルーは熱い色
・007 スペクター
・ロブスター
ティルダ・スウィントン
・少年は残酷な弓を射る
・ドクター・ストレンジ
・スノーピアサー
・フィクサー
オーウェン・ウィルソン
・ミッドナイト・イン・パリ
・ウェディング・クラッシャーズ
・ザ・ロイヤル・テネンバウムズ
・アンソニーのハッピー・モーテル
・ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して
あらすじ
現代1人の女性が墓の前で「グランド・ブダペスト・ホテル」を読み始める。
1985年1人の年老いた作家(トム・ウィルキンソン)は自宅内で映像の撮影を始める。
彼は人生で一番印象に残ったグランド・ブダペスト・ホテルでの話を語り始める。
1968年8月。
ヨーロッパのアルプスの麓にある町の古いが立派なホテル、グランド・ブダペスト・ホテルがあった。
老朽化したホテルは古典的な趣もあるが人気の少なく、田舎のホテルというのにふさわしかった。
ここに泊まりに来た作家(ジュード・ロウ)はこのホテルのオーナーであり国一番の大富豪になったゼロ・ムスタファと知り合い仲良くなる。
ディナーを共にすることになった2人。作家は謎めいた彼の半生を教えてもらうことになる。
1932年。
グランド・ブダペスト・ホテルは富裕層に人気で、評判のホテルだ。
ここのコンシェルジュのグスダブ(レイフ・ファインズ)は富裕層のマダム達に大人気。
彼の行き届いたサービスに多くの客が満足していた。
そんな彼の元に見習いのベルボーイが現れる。若かりしゼロ・ムスタファだ。
近隣のホテルで修行したゼロはグランド・ブダペスト・ホテルでの就職を希望していた。
ゼロの献身に気を許したグスダブは彼を付き人のように扱い、日夜指導に励んだ。
そんな矢先、グスダブの顧客の1人マダムD(ティルダ・スウィントン)は命の危機を感じており、それを彼に告げる。その矢先彼女はなくってしまう。
グスダブはゼロとともに急いでマダムの元へ向かうが、時代は戦争へ向けて刻々と歪みを見せていた。
ゼロは電車内で軍に難民のため、拘束されそうになるが、グスダブの旧友のおかげで、難を逃れる。
マダムの邸宅ではマダムの遺産を狙う親族でごった返した。
マダムD遺産を狙う長男のドミトリー(エイドリアン・ブロディ)は私立探偵(ウィレム・デフォー)というか殺し屋を使い、邪魔者を消そうと企てる。
仕様人はそれを察知し、マダムDの第2の遺言の存在を内緒でグスダブに託すが、
ドミトリーの策でグスダブはマダムD殺害容疑で投獄されてしまう。
マダムDの第2の遺言を巡るドタバタ劇が始まる。
2018年5月25日Blu-ray鑑賞51本目
感想
ウェスアンダーソン監督作品『犬ヶ島』の劇場鑑賞前に自宅にて再鑑賞。
もちろん他の大多数の映画ファンと変わらずウェス・アンダーソンは好きな映画監督の1人。
自分の初ウェス・アンダーソンは『天才マックスの世界』でした。
一風変わった背景を持つ主人公が変わった服装で変わった行動をして、変わったものを使い、普通の人間ドラマを紡いで行く。
その表現主義のスタイルは初期から現代でも漏れなく続き、
むしろその監督の独自性に惹かれるのは映画ファンよりも俳優の方が多いのかもしれない。
初期作のジェイソン・シュワルツマン、オーウェン・ウィルソン、ビル・マーレイ以外にもエドワード・ノートンもすっかりチームに仲間入り。
豪華過ぎる名脇役が監督のビジョンに染まりきって映画に出てくるので、観客としては楽しくてしょうがない。
そういったコラボレート的な面白さも然り、独特なビジョン以外にも洗練されたヘンテコな脚本。
映画としてはまるでオートクチュールのようにどれも1点ものでそして品の良さを感じさせる唯一無二の作品ばかり。
今作も例に漏れず個性的でそれでいてオシャンティ。まるでどこかのブランドのプロモーションビデオのような品の良さと世界観が広がっている。
『グランド・ブダペスト・ホテル』偏執狂に正方形と中心線に拘り、無数の四角形が映画を彩る究極の様式美。表現主義の骨頂。キッシュにローテクにカメラを古典さも兼ね備えた骨頂品映画。 pic.twitter.com/Qq1TMS4XhV
— his0809@俺はPS4で映画を見る (@his0809rx78) 2018年5月25日
この映画を流しておくだけで、この場所はおしゃれになれなのでは?と錯覚させるほど、偏執的なえづくり。
また抜群のキャラクター造形は過去作から踏襲されている。
仕草一つからウェスアンダーソンの映画を感じさせる。
本作の注目すべきは洗練された脚本
今作はウェス・アンダーソン監督の最高傑作だと思う。
これまでドラマ映画も複数とっているが、どれもが物語性の強いカタルシスのある映画ではなかったことが、
強いて言うなら足りてなかったとことろだと思う。
どこか偏った生き方をするマイノリティを独特の視点で描き、ほっこりさせる。
また人間ではない、狐の家族を描いた人形劇映画もある。
それが群を抜いて1番だが、それを永久欠番として、普通の物語映画としての監督のフィルモグラフィーにおいての到達点が本作だったのではないかと思う。
圧倒的な演技経験と独特なキャラクターで描かれるレイフ・ファインズのグスダブは最高の主人公。
その彼のバディとして異国情緒あふれるインド系の少年というコントラストが抜群でありながら、
彼もまたウェス・アンダーソンのセンスに彩られている。
キャラ一人一人が特徴的で愛おしい。
それ以外にも映像もすごい。
これまでの集大成を感じさせる徹底徹尾の線対称。
有り余る四角の多さや、平面的な演出。独特な画面サイズ。
古典的なカメラワーク。ヨーロッパの文化的な建物の様式美。
そしてピンクや紫や赤など暖温色の多用、対比の青い背景などなど。
絵作りも境地。
そしてシナリオ
前述の通り、監督の作品には温もりがある。
しかし今作は、それと両立して、時代背景を盛り込んでいる。
現実にない国の架空のお話だが、
確かに第二次世界大戦の魔の手は迫っている。
意地悪とも思えるが、その遣る瀬無さや辛さが、生々しさを感じさせる。
ダークではあるが、映画的なコクが確かにある。
優しくてゆるくてふわっとだけじゃない。
生きてる世界と地続きの悲しさが、確かにある。
そこには1人の男の信念であり、善である。
エピローグこそ悲しいが、この悲しさも含めて、栄華必衰の理というか、
本当に地続きの悲しさがあるのだ。
そのぽっかりと空いた穴を埋めるようにエンドロールで流れる愉快な音楽。
どこまでも洗練されたウェス・アンダーソンの物語に圧倒されました。
今後もウェス・アンダーソンの映画には期待しかない。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 9.5/10
・映像のアプローチ 9/10
・映画の美術面 10/10
・キャラクターの魅力 9.5/10
・音楽 10/10
・上映時間と個人的趣味 9.5/10
95点
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