往年の特撮ってやっぱいい!
はじめに
製作
1961年日本映画
高度成長期の熱き映画製作というものか?
監督
本多猪四郎
・ゴジラ
・ガス人間第一号
・マタンゴ
・モスラ対ゴジラ
キャスト
ネタバレ あらすじ
2021年12月30日劇場鑑賞
2021年76本目
午前十時の映画祭11で鑑賞
午前十時の映画祭11
デジタルで甦る永遠の名作
本件で『モスラ』のリマスターが劇場公開
ということで幼少時は
『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』を
見て育った自分としては
絶対見たいと思い劇場にて鑑賞しました。
『モスラVSゴジラ』は
自宅にダビングしたビデオがあって
擦り切れるまで見ていましたが
本作『モスラ』については
今回が初見でした。
監督は初代『ゴジラ』同様
本多さん。
日本の特撮映画界をリードした人で
現代の鬼才のアニメ作家
庵野監督に強く影響を与えた人。
また特技監督には
『ウルトラマン』の生みの親の
円谷監督も参加しており
日本の特撮映画の気鋭が集まった作品。
資金を特撮に投入しまくった怪作
というのが個人的な所感。
『ゴジラ』が登場しないため
人間VSモスラという構造の作品で
目に見えて悪人の
ロシアとアメリカを足したような
ロリシカなる架空の国の
政府関係者の守銭奴が
虐殺と誘拐という
悪の限りを尽くして金儲けを東京で
行った結果、守護神モスラが
誘拐した小美人こと
ザ・ピーナッツを回収すべく
東京を焦土に変えてくれる。
その東京の模型がめちゃくちゃ秀逸。
細かな車が多数登場し
しかもしっかりミニチュアが動作していて
作り物だとわかるものの
映像映えするように考えられており
デフォルメ感が相変わらず心地いい。
ミニチュアの東京が
倒壊BGMと合わさり
現実感を超越した
気持ちよさを感じさせてくれて
幼少期の幸福な気持ちを
呼び起こさせてくれる。
また謎の特殊兵器も登場し
めちゃめちゃ燃えたりとかと
SF的にもなんか面白い。
そしてさらに面白いが
そのミニチュア映像に
別の人を撮影したフィルムを強引に
合成していてその世界が
架空でないことを丁寧に
描いている。
しかし技術的に古すぎて
重ねた映像が青くなってしまって
合成もろわかりだったのだが
それも一つの味として
面白かったし、謎の兵器と合成されると
余計に面白くてやばかった。
またインファント島での
モスラを羽化させるための
謎の宴もど迫力で
ここでもフィルムが合体しているような
違和感があるのだが
その収まりがめちゃめちゃ豪華で
映画館二階建てをぶち抜いたような
巨大な合体映像が
めちゃめちゃど迫力だった。
当時の人の映像製作への創意工夫がめちゃめちゃ刺激を感じた
CGに頼らなくても模型で
想像を具現化して
コスチューム等で
現実に存在させるという
試みがやっぱり感動的で
家に帰宅して
いつか見直したいと思い
『ウルトラマン』と
『ウルトラセブン』の
Blu-rayを購入してしまった。
どっちも円谷英二さんの
作品なので安定感がやばいよね。
映画内容的にも
終盤には
ニューカークなる
アメリカっぽい謎の教会近辺にて
外人も登場するという
日本映画とは思えない豪華さ。
もちろんモスラも
このマンハッタン的な場所を襲撃し
沢山の車を宙に舞上げ
商店のガラスをぶっ壊しまくる。
最終的にはまたもや
上下に分かれた映像合成で
画面いっぱいの人形のモスラと
等身大の人間の屋外映像と合成させて
本当に目の前にモスラがいるように
描かれており
まじで創意工夫が面白い。
CGでなんでもできちゃう
現代とは違う。
物質をこう見せたら
こうなるんじゃないか?
という創意工夫の挑戦が
最後まで刺激的だった。
高度経済成長に見え隠れする女性軽視
こんなのは当たり前の話だが
主人公の元気系わんぱく新聞記者の
相棒の女性カメラマンの扱いが
ポリコレ的には問題視だった。
同僚でしかないのに
男性のタバコに
にこわやかに火をつけにいくことが
仕事のできる女性として
描かれている状況には
甚だ疑問を持った。
作品のお金の使い方含めて
高度経済成長期で
お金がいっぱいあって
みんな元気いっぱいなんだなぁと
そういうことが伝わってくるのですが
そういう時代性に潜む
女性軽視みたいなの
今後も気になっていくんだろうなぁと
改めて思うのでした。
hisSCORE
・脚本のユニークさ濃さとテーマなど 5/10
・映像のアプローチ 8.5/10
・映画の美術面 8/10
・キャラクターの魅力 5/10
・音楽 6/10
・上映時間と個人的趣味 7/10
66点